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温泉宿の料金は「一室二名利用」を基準に組まれています。そのため一人で予約しようとすると、そもそも検索に出てこない、あるいは二名分の料金を請求される——という壁に当たります。
これは宿側の意地悪ではなく、部屋数と食事の仕込みという構造上の理由です。ただ、一人旅を積極的に受け入れる宿は確実に増えています。
予約サイトでの探し方
楽天トラベルもじゃらんも、人数を「1名」に設定して検索すれば、一人で泊まれるプランだけが表示されます。人数を2名のまま探して「一人でも泊まれるか」を各宿に問い合わせるのは効率が悪いので、最初から1名で絞り込んでください。
そのうえで、こだわり条件の「一人旅歓迎」「おひとりさま歓迎」にチェックを入れると精度が上がります。
一人だと有利になること
一人旅は不利ばかりではありません。
直前予約が取りやすい — 二名向けの部屋が埋まっても、一人用の小さめの部屋が残っていることがあります。
湯を選び放題 — 同行者の好みを気にせず、強い酸性泉でも硫黄の香りが濃い湯でも自分の基準だけで選べます。刺激の強い湯は好き嫌いが分かれるので、これは実は大きい利点です。
滞在時間を自分で決められる — 湯治場の雰囲気が残る宿では、何度も湯に入って本を読んで過ごすという時間の使い方ができます。
一人旅と相性のいい温泉地
湯治文化が残る温泉地は、もともと一人客を受け入れてきた歴史があります。乳頭温泉郷や白骨温泉のような山あいの湯治場は、その典型です。
逆に、宴会需要で成り立ってきた大型の温泉街は一人だと居心地が悪いことがあります。宿の規模で判断するなら、客室数の少ない宿のほうが一人旅には向いています。
食事のこと
一人旅で気になるのが食事です。大広間での食事は落ち着かないという声が多いので、部屋食または個室食事処のプランを選ぶと快適さが変わります。
予約サイトの条件で「部屋食」を指定できるので、湯の条件と重ねて絞り込んでみてください。
宿の規模で決まる
一人旅のしやすさは、設備よりも宿の規模で決まります。
客室数の多い大型の宿は、宴会と団体の需要で成り立ってきた経緯があります。大広間での食事、広い大浴場、夜の賑わい。一人だと居心地が悪く感じる場面が出てきます。
逆に客室数の少ない宿は、もともと一組ずつ丁寧に迎える形をとっています。食事も個室か部屋出しになることが多く、一人でも浮きません。
山中温泉のかよう亭、由布院の玉の湯や亀の井別荘のように、数を追わないと決めている宿がこれにあたります。
湯治宿という選択肢
湯治文化が残る温泉地は、もともと一人客を受け入れてきました。
自炊部を持つ宿では、食事の席そのものがありません。台所を共同で使い、部屋で食べる形なので、一人であることが問題になりません。花巻温泉郷の鉛温泉や大沢温泉、東鳴子温泉、酸ヶ湯にその形が残っています。
ただし設備は簡素です。寝具や暖房が別料金という場合もあります。旅館の快適さを期待して入ると戸惑うので、何を目的にその部屋を取るのかを先に決めてください。
一人でも動きやすい温泉地
宿だけでなく、町の造りも効いてきます。
外湯が発達した温泉地は、一人で歩きやすい場所です。城崎温泉、野沢温泉、飯坂温泉、別所温泉。浴衣で外に出て湯を回るという行動自体が成立しているので、夜に出歩いても浮きません。
逆に、宿と宿が離れていて温泉街と呼べるものがない場所は、一人だと夜の時間が長く感じられます。仙石原や乳頭温泉郷はその典型で、宿から出ない前提で組むほうが合っています。
どちらが良いという話ではなく、何をしたいかで選ぶことになります。



