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東京に残る合掌造り
兜家旅館は東京都西多摩郡檜原村数馬にある。茅葺き屋根の旅館で、建物は兜造り——正式には「富士系合掌造り」という。
宿のサイトには「東京で見られる合掌造り」という見出しが掲げられている。実際、東京都内で茅葺きの合掌造りに泊まれる場所は、ここくらいだろう。
四軒だけ残った
宿の建物についての説明が詳しい。
数馬の民家は合掌造りの建物が多く、屋根の形が兜に似ているところから「かぶと式」「カブト造り」とも呼ばれ、400年の歴史を秘めている。富士系合掌造りは富士火山帯を中心に分布していて、特に山梨県に多い。江戸時代から数馬と山梨を結ぶ山道で交易と文化の交流が盛んだったからだ、と宿は説明する。
内部は四層に仕切られている。一階と二階は普通の部屋、その上の三階と四階は板の間。板の間では戦後まで養蚕が盛んに行われ、二階以上を最大限に二層ずつ仕切って計七階として使うこともあったという。
構造にも特徴がある。釘をほとんど打たず、木と木を組み合わせて建ててある。屋根はいちばん薄いところでも60センチ、厚いところは120センチ。茅葺きは夏に涼しく冬に暖かい。
説明の最後に、数字がひとつ置かれている。戦前まで数馬の家はほとんどが合掌造りだったが、完全な形で残るのは今や四軒だけだという。
湯の話は少しややこしい
風呂については、宿の公式サイトに泉質の説明が見当たらない。楽天トラベルの施設情報で宿はこう書いている。
「ゆったり落ち着ける客室風呂では美肌・疲労回復に効くアルカリ単純泉、数馬の湯をお楽しみいただけます。大浴場では皮膚荒れにお悩みの方にオススメのラジウム泉で疲れた体にご褒美を!」
同じページの「お風呂の種類」には天然温泉と人工温泉の両方が挙げられている。どちらの浴槽がどちらなのかまでは書かれていないので、温泉そのものを目当てにするなら現地で確かめたほうがいい。
入浴時間は15時から22時と、翌朝6時から9時まで。
囲炉裏と山の幸
料理は季節の山菜を中心としたコースが基本になる。抹茶、食前酒、季節の山菜、煮物、刺身コンニャク、とうふ、わさび漬、茶碗蒸し、蕎麦、やまめの塩焼、香の物、麦とろ御飯、水菓子。
これに猪鍋か炭火料理が加わるコースがある。猪鍋は自家製味噌仕立てのたれで本当の猪肉を炭火で。炭火料理はやまめ・牛肉・鳥肉・野菜のコースか、猪肉・鹿肉・野菜のコース。
本館のCタイプとDタイプでは、鹿肉のしゃぶしゃぶや猪鍋を追加するジビエ・プランを選べる。宿は鹿肉について「野山を駆け回った鹿肉は、脂肪が非常に少ない赤身のお肉なので、クセも強くなくあっさりしています」と書いている。
新館には囲炉裏付きの客室があり、DXタイプとSDタイプには浴室が付く。
都心より六度低い
宿はこの土地の気候をこう表現する。「周囲は山また山、気温は都心より6度近く低く、夏でも明け方は寒さを感じるほどで、合掌造りの民家は梅雨のむし暑さも感じさせません」。
そして季節ごとの過ごし方を並べる。「東京の西涯人の心に郷愁を感じさる暑さ知らずの夏に。冬にこたつに入って山気を一杯吸って孤独の旅に。新緑とかやぶき屋根が映える初夏に。満山紅葉の晩秋、山径と紅葉をカサコソと踏みしめて峠を見おろせばなつかしい兜造りのかやぶきが」。
着くまで
JR五日市線の武蔵五日市駅から西東京バス「数馬行き」で1時間、終点下車徒歩10分。新宿から武蔵五日市駅までが約1時間30分なので、合計で2時間半ほど。駐車場は50台、無料。
道路にはひとつ注意がいる。この村は斜面が急で、大雨のあとに都道が土砂で塞がることがある。出発前に通行の可否を見ておいたほうがいい。
この宿を選ぶなら
温泉の濃さを目当てに行く宿ではない。泉質の情報も限られている。
選ぶ理由は建物だ。築200年と宿が記す兜造りの茅葺き屋根、囲炉裏、板の間。東京都内で、これだけ古い山の民家に泊まれる場所はほとんど残っていない。数馬の里にもう四軒しかない完全な合掌造りのひとつに泊まる、という体験そのものが目的になる。
日帰りで湯に入るだけなら、バス終点近くの村営「数馬の湯」がある。泊まるなら、この宿だ。
兜家旅館のよくある質問
Qお風呂の湯は?
楽天トラベルの施設情報で宿は、客室風呂では美肌・疲労回復に効くアルカリ単純泉「数馬の湯」を、大浴場では皮膚荒れに悩む人におすすめのラジウム泉を楽しめると案内しています。同ページのお風呂の種類には天然温泉と人工温泉の両方が挙げられているので、どちらがどの浴槽かは現地で確かめてください。入浴時間は15時から22時と、翌朝6時から9時までです。
Q兜造りとはどんな建物ですか?
宿の説明によれば、数馬の民家は合掌造りの建物が多く、屋根の形が兜に似ているところから「かぶと式」「カブト造り」とも呼ばれ、400年の歴史を秘めています。正式には「富士系合掌造り」で、富士火山帯を中心に分布しています。内部は四層に仕切られ、一階と二階は普通の部屋、その上の三階と四階は板の間。板の間では戦後まで養蚕が行われていました。クギをほとんど使わず木と木を組み合わせる構造で、屋根の厚さは薄いところで60センチ、厚いところで120センチです。
Q客室のタイプは?
新館には浴室付き・囲炉裏付きのDXタイプ、浴室付きのSDタイプ、囲炉裏付きのAタイプとBタイプ。本館には客室のCタイプと、襖で仕切られたDタイプがあります。料理のコースが客室タイプによって決まっているので、予約時に確かめてください。
Q料理は?
季節の山菜を中心としたコースが基本です。これに自家製味噌仕立てのたれで猪肉を炭火で煮る猪鍋、やまめ・牛肉・鳥肉・野菜または猪肉・鹿肉・野菜を炭火で焼く炭火料理が加わります。刺身コンニャク、わさび漬、蕎麦、麦とろ御飯といった品が並びます。CタイプとDタイプの客室では、鹿肉のしゃぶしゃぶや猪鍋を追加できるジビエ・プランもあります。
Qアクセスは?
JR五日市線の武蔵五日市駅から西東京バス「数馬行き」で1時間、終点下車徒歩10分です。駐車場は50台、無料で予約不要。檜原村は山が急で、土砂災害による都道の通行止めが起きることがあるので、出かける前に道路状況を確かめてください。
Q気温はどのくらい違いますか?
宿は「周囲は山また山、気温は都心より6度近く低く、夏でも明け方は寒さを感じるほど」と書いています。茅葺き屋根は夏涼しく冬暖かいのが特徴で、梅雨の蒸し暑さも感じさせないとしています。
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この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。



