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行幸のために建った宿
旗松亭の成り立ちははっきりしている。長崎国体で天皇陛下が平戸に宿泊されることが決まり、その受け入れのために建てられた。昭和44年8月に国際観光ホテルとして開業し、同年10月に昭和天皇皇后両陛下が連泊した。宿自身がこの経緯を沿革として公開している。
以降も、昭和55年に浩宮殿下(現天皇陛下)、平成2年にオランダのウィレム・アレキサンダー皇太子(現国王)、平成14年に上皇上皇后両陛下が泊まったと記録を並べている。オランダとの縁が出てくるのが、平戸らしい。
名前は松浦藩の茶室「旗松亭」から取った。命名者は江戸時代の儒学者・佐藤一斎だという。令和元年に50周年を迎えた。
二棟、六つの浴場
風呂は和荘と浪漫亭の二棟に分かれていて、名前が面白い。和荘は12階が女性の展望大浴場「じゃがたらの湯」、11階が男性の「倭寇の湯」。浪漫亭は露天風呂「美湾の湯」が男女別にあり、大浴場は女性が「コルネリア」、男性が「アダムス」。ウィリアム・アダムス(三浦按針)と、じゃがたらお春の物語が下敷きになっている。平戸の歴史をそのまま湯の名前にしてある。
眺めは宿の売りだ。平戸市街の高台にあるので、大浴場と露天風呂から平戸の海が見える。宿は、夜はライトアップされた平戸城や平戸大橋を湯に浸りながら望めると書き、露天風呂からは昇る朝日と沈む夕日、刻々と彩りを変える海が見えると案内している。
湯は市が配っている
平戸温泉は、市の温泉給湯センターから宿へ配られる湯だ。源泉は平戸市下中野町にあり、市は源泉名 平戸温泉、ナトリウム-炭酸水素塩泉(低張性-弱アルカリ性-温泉)、泉温39.6度と公表している(令和5年12月7日分析)。炭酸水素イオンが1,478ミリグラム(試料1キログラム中)と多く、市は「ヌルヌルした肌触りが好評」と書いている。
宿側の表記は炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)で、温度の区分が市の表記と少し違う。適応症として宿は神経痛、慢性消化器病、疲労回復、慢性皮膚病などを挙げている。
入る前に知っておくこと
大浴場にタオル類の用意はない。宿は「タオル類はお部屋からお持ちください」と明記している。日帰りで寄る人も持参が要る。入浴税が大人150円別途かかる。
異性の子どもの大浴場・脱衣場への入場は6歳までと決められている。日帰り入浴は15時から20時まで。宿泊の人は15時から24時と、翌朝5時から9時まで入れる。朝5時から開いているので、平戸の海から昇る日を湯船で見られる。
部屋と館内
客室は和荘、本館、浪漫亭の三つに分かれている。全90室。宿は「大切な人とのプライベートな時間を満喫できる部屋つき露天風呂」も案内している。
館内には喫茶、お食事処、売店・免税店、コワーキングスペースがある。コワーキングスペースがあるのは、平戸が仕事を持ち込む旅先にもなっているということだろう。チェックインは15時から、最終チェックインは20時。到着して一息ついたころに、月替わりの付菓子とお茶が出る。
着くまで
平戸島へは平戸大橋を渡る。車なら西九州自動車道の佐々ICから約40分。公共交通なら松浦鉄道西九州線のたびら平戸口駅から車(タクシー)で15分、佐世保駅前からバスで約1時間30分。平戸桟橋行きバスの終点「平戸桟橋」からは、連絡すれば無料送迎を出してもらえる。駐車場は50台、無料の先着順。
平戸島は南北45キロと長く、北から南まで1時間以上かかる。宿は平戸港に近い側にあるので、平戸城と松浦史料博物館、ザビエル記念教会と寺院の見える坂道は歩いて回れる。生月島へ渡るなら、別に半日を取ったほうがいい。
この宿を選ぶなら
平戸の街歩きと湯をひとつの旅にまとめたい人に向く。90室の大きなホテルなので、小さな宿の静けさを求めるなら合わない。逆に、高台から平戸城と大橋の夜景を見ながら湯に浸かる、翌朝5時から海の日の出を見る、という体験はここでしかできない。
長崎県内の湯と比べるなら、雲仙は山の硫黄泉、小浜は海沿いの熱い塩化物泉、島原は湧水の街の湯。平戸は弱アルカリ性の炭酸水素塩泉で、島の西の果てという位置そのものが旅の理由になる。
平戸温泉 国際観光ホテル 旗松亭のよくある質問
Qお風呂はどんな構成ですか?
和荘と浪漫亭の二棟に分かれています。和荘は12階に女性展望大浴場「じゃがたらの湯」、11階に男性展望大浴場「倭寇の湯」。浪漫亭には露天風呂「美湾の湯」(男女別)、大浴場「コルネリア」(女性)「アダムス」(男性)、サウナがあると宿は案内しています。
Q温泉の泉質は?
宿は炭酸水素塩泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)と案内し、適応症に神経痛、慢性消化器病、疲労回復、慢性皮膚病などを挙げています。湯は平戸市の温泉給湯センターから配られていて、市は源泉名 平戸温泉、ナトリウム-炭酸水素塩泉(低張性-弱アルカリ性-温泉)、泉温39.6度と公表しています。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Q日帰り入浴はできますか?
できます。宿は日帰り入浴を15時から20時までと案内しています。入浴税が別途かかります。大浴場にタオル類の用意はないので持参が必要です。宿泊の人の入浴時間は15時から24時と、翌朝5時から9時までです。
Qお風呂から何が見えますか?
平戸市街の高台にあるため大浴場と露天風呂からの眺めがよく、特に夜はライトアップされた平戸城や平戸大橋を湯に浸りながら望めると宿は案内しています。露天風呂からは昇る朝日と沈む夕日、刻々と彩りを変える平戸の海が見えると書いています。
Q宿の歴史は?
長崎国体の天皇陛下行幸にあたり平戸に宿泊されることが決まり、天皇皇后両陛下を迎えるホテルとして建設され、昭和44年8月に国際観光ホテル「旗松亭」として開業したと宿は案内しています。名は松浦藩の茶室の名を頂戴したもので、命名は江戸時代の儒学者・佐藤一斎。令和元年に50周年を迎えています。
Qアクセスと送迎は?
松浦鉄道西九州線のたびら平戸口駅から車(タクシー)で15分ほど、佐世保駅前からバスで約1時間30分です。平戸桟橋行きバスの終点「平戸桟橋」からは無料送迎があると宿は案内しています(要連絡)。車なら西九州自動車道の佐々ICから約40分。駐車場は50台、無料の先着順です。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

秩父七湯『御代の湯』 新木鉱泉旅館
埼玉県文政10年(1827年)創業埼玉県秩父市、約200年前から湧き続ける「御代の湯」を引く鉱泉宿。単純硫黄冷鉱泉で源泉温度約15度、加温して使う。つるっとした卵の白身のような肌ざわりから「卵水」と呼ばれる。露天風呂付き客室が石・陶器・ひのき・御影石の4種、直径150センチの御影石の貸切風呂もある。日帰り入浴は12時から21時。西武秩父駅からタクシー10分、送迎あり。通常は木曜定休。

二岐温泉 大丸あすなろ荘
福島県江戸時代から大丸屋として旅籠を営む二岐山の麓、二岐川沿いに建つ日本秘湯を守る会の会員宿。江戸時代から大丸屋として旅籠を営んできた老舗で、六つの源泉をすべてかけ流しで使う。名物は川床の岩盤の亀裂から湯が自噴し、水流で削られた三つの甌穴の底から湧く「自噴泉甌穴岩風呂」。川面に手が届きそうな渓流露天風呂と、露天風呂付きの客室6室を含む全24室。日帰り入浴は11時から14時30分。新白河駅から1日1便の予約制バスが出る。

武田尾温泉 紅葉舘 別庭 あざれ
兵庫県武田尾温泉の12室の宿。武庫川の渓谷沿いに全室一戸建ての離れが並び、どの部屋にも源泉かけ流しの半露天風呂が付く。大浴場「かわせみの湯」「やませみの湯」にも源泉かけ流しの露天風呂がある。泊食分離で、食事は茶寮「心」。武田尾駅から徒歩5分。
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