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武雄の御船山は、断崖が屏風のように立っている。その麓に江戸後期の庭園があり、この宿はその庭に接して建つ。
断崖を借りる庭
御船山楽園は、武雄領主が造らせた庭園である。
背後の断崖をそのまま庭の一部として取り込んでいる。人が作った池や植栽の向こうに、人が作れない岩壁がある。この対比が庭の骨格になっている。
春はツツジが斜面を埋め、秋は紅葉が断崖まで色づく。近年は夜間に光の演出が行われることもあり、同じ庭がまったく違う姿になる。
庭に面した露天風呂がある。湯から見上げると、木立の向こうに岩壁が見える。
楼門をくぐる
温泉街の入口には朱塗りの楼門が立つ。設計したのは東京駅を設計した辰野金吾で、国の重要文化財に指定されている。
楼門の天井には干支のうち四つの絵がある。東京駅のドームに残る八つと合わせて十二支が揃うことが、後年になって指摘された。意図されたものかどうかは分かっていない。
門をくぐった先に元湯、蓬莱湯、鷺乃湯といった浴場がある。いずれも日帰りで入れるので、宿の湯と外の湯を行き来できる。
着くまで
JR佐世保線の武雄温泉駅から車で数分。西九州新幹線も停まる。博多からは在来線特急でおよそ一時間、長崎からは新幹線で30分ほどになる。
温泉街は楼門を中心にまとまっており、徒歩で回れる。宿からは少し離れるため、歩くか車での移動になる。
庭園の季節
御船山楽園は江戸期の庭園である。断崖を背景に取り込んだ造りで、季節によって見えるものがはっきり変わる。
この二つの時期を外すと、庭は静かになる。人の少ない庭を歩きたいなら、むしろその方が向いている。
湯だけで来ると半日で終わる
この町の面白さは、湯の外にある。
いずれも駅から近い。町を歩く合間に湯があるという構成で組むほうが、この土地には合っている。
この宿を選ぶなら
庭と建築を目的にする方に向く。武雄温泉駅には西九州新幹線も停まり、嬉野温泉まで30分ほどである。
庭に面した露天風呂があるので、庭を見る時間と湯に入る時間が分かれない。園内を歩いたあと、そのまま湯へ戻れる。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

昼神温泉 湯元ホテル 阿智川
長野県昼神温泉一号源泉の上に建つホテル。宿は露天風呂の上の洞窟内に湯元があり、170メートル奥から源泉が噴出していると書く。昼神でここだけという洞窟風呂を持つ。飯田駅から路線バスで30分。

盛岡つなぎ温泉 愛真館
岩手県つなぎ温泉の113室のホテル。2001年に造った「庭園縄文風呂」に、ストーンサークルや竪穴式住居をテーマにした露天風呂が並ぶ。泉温65.3度、pH9.1。日帰り入浴は平日大人1,200円。姉妹館ホテル紫苑の湯も無料で使える。

赤倉温泉 赤倉ホテル
新潟県妙高山の東麓、赤倉温泉街にある43室の宿。大浴場と露天風呂を持ち、冬はスキー、夏は避暑の拠点になる。妙高高原駅からバスで10分。
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