網張温泉と松川温泉、岩手山を挟む硫黄泉
岩手山の南と北にある二つの硫黄泉。網張は雫石側の南麓で、五か所の湯と森を7分歩く野天風呂を持つ。松川は八幡平側の北で、地熱発電所の湯けむりが立つ山の宿が並ぶ。どちらも白濁する硫黄泉だが、たどり着き方も過ごし方も違う。

網張温泉
岩手県
岩手県岩手郡雫石町、岩手山の南麓にある一軒宿の温泉。元湯は2キロほど山を登った犬倉山の爆裂火口跡にあり、高温の蒸気に沢水を混ぜて湯をつくり、引湯管で引いてくる。泉質は単純温泉・硫黄泉(硫化水素型)でpH4.1。沢水の量で濁り方が変わり、春夏秋は青味がかった白濁、冬は無色に近くなる。本館の大釈の湯・白泉の湯、日帰りの薬師の湯、野天の仙女の湯、鹿追足湯をあわせて「網張五湯」と呼ぶ。

松川温泉
岩手県
十和田八幡平国立公園、ブナとナラの原生林に囲まれた標高875メートルの松川沿いの湯。発見は250年ほど前と八幡平市観光協会は案内し、4軒の宿が静かに湯けむりを上げる。泉質は単純硫化水素泉で、湧いた時は無色透明、空気に触れて乳白色に濁る。谷の地面の下の熱で昭和41年に日本で最初の地熱発電所が運転を始めた土地で、宿の暖房も温泉の蒸気で賄う。三ツ石山と姥倉への登山口、冬は下倉スキー場。盛岡駅からバスで110分、1日2本。
数字で比べる
| 項目 | 網張温泉 | 松川温泉 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 岩手県 | 岩手県 |
| 泉質 | 硫黄泉・単純温泉 | 硫黄泉 |
| pH | 4.1 | — |
| 東京から | 約3時間30分 | 約4時間30分 |
| 大阪から | 約6時間30分 | — |
| 最寄り | JR盛岡駅(宿泊者専用の無料シャトルバス・要予約)/東北道 盛岡IC(車約40分) | JR東北新幹線 盛岡駅(バス約110分) |
| 日帰りで入れる湯 | 日帰り温泉館「薬師の湯」/野天風呂「仙女の湯」/小岩井農場 | 峡雲荘(日帰り入浴8:30〜19:00)/松川地熱発電所と地熱館/松川渓谷の森の大橋 |
| 掲載している宿 | 1軒 | 2軒 |
所要時間は主要な経路の目安です。「—」は当サイトで確認できていない項目です。
性格の違い
湯
網張温泉単純温泉/硫黄泉(硫化水素型)、pH4.1。季節で濁り方が変わる
松川温泉硫黄泉。白濁した湯が特徴
風呂
網張温泉網張五湯。野天風呂「仙女の湯」は森を7分歩く
松川温泉山の宿の露天。混浴のところも
宿の性格
網張温泉全75室のマウンテンホテル。リフトとスキー場も
松川温泉山あいの小さな宿が数軒
行き方
網張温泉JR盛岡駅から宿泊者専用の無料シャトルバス
松川温泉JR盛岡駅からバス。八幡平の登山口
どちらを選ぶか
両方行くなら岩手山をぐるりと回って車で1時間ほど。南と北で同じ山の硫黄泉を入り比べられる。
それぞれの宿
- 峡雲荘十和田八幡平国立公園、ブナの原生林に囲まれた標高875メートルの谷あいに佇む宿。硫黄成分を豊富に含んだ乳白色のにごり湯を露天風呂と内湯に注ぎ、宿は源泉かけ流しと案内する(日本秘湯を守る会のサイトには加水ありとある)。露天風呂は混浴と女性専用、内湯は男女別で、宿泊者は24時間入れる。硫黄で金属が腐食するためシャワーはなく、湯を溜めた樋から湯をすくう。暖房は温泉の蒸気。夕食は部屋でホロホロ鳥鍋か短角牛。日帰り入浴は8時30分から19時。盛岡駅からバス110分、バス停は敷地内。
- 松川荘八幡平の松川温泉にある30室の宿。高温と低温の二種類の源泉を源泉100%かけ流しで使う乳白色の湯。硫化水素が金属を腐食させるため浴場にシャワーがない。2026年9月25日から女性専用露天風呂が故障で使えず、19時から21時は混浴露天を女性専用にしている。
よくある質問
Q湯の色が季節で変わるのはどちらですか?
網張温泉です。沢水と源泉が混ざる温度でイオン分解反応が変わるため、春夏秋は白濁し、冬は無色に近くなると宿が説明しています。
Q盛岡から行きやすいのはどちらですか?
網張温泉です。JR盛岡駅から宿泊者専用の無料シャトルバスが出ています(要予約)。