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岩手山の南麓に建つ
休暇村 岩手網張温泉は岩手県岩手郡雫石町、岩手山の南麓にある。全75室。宿は自分を「温泉・リフト・絶景のマウンテンホテル」と呼び、2泊3日をスタンダードに据えている。
ここでいう網張温泉とは、休暇村の敷地内にある五か所の温泉のことを指す。一つの宿に五つの湯がある、というより、五つの湯を持つ場所に宿が建っている、と言ったほうが近い。
二キロの引湯管
湯の来方がこの宿の物語になっている。
湯の出どころは宿から2キロ山を登った犬倉山、その爆裂火口の跡だ。高温の蒸気が噴き出す場所に湯井を設け、流れ込む沢水と混ぜて湯をつくる。できた湯を引湯管で下まで下ろしてくる、という仕組みになっている。
管には湯花が付着する。詰まるのを防ぐため、年に数回パイプ掃除をする。宿は「かなりの重労働で、積雪期には雪崩の危険もあります」と書く。元湯そのものは硫化水素ガスが発生するため立入禁止だ。
森を抜け、沢を横切ってやってくる温泉は容赦のない熱さ、というのが宿の表現である。
季節で色が変わる湯
宿が載せる泉質は単純温泉/硫黄泉(硫化水素型)で、pH値は4.1。弱酸性の湯である。
面白いのは、湯の色が一年の中で変わることだ。宿の説明では、青味がかった白濁は硫化水素のイオン分解反応によるもので、源泉と沢水が混ざる際の温度で反応が変わる。雪解け水が豊富な春と、雨のある夏から秋は反応が進んで白く濁り、匂いも立つ。積雪で沢の水が細くなる冬は源泉の温度が高くなって反応が鈍り、無色に近くなって匂いも薄くなる。
「自然の恵みとして、温泉の変化をお楽しみください」と宿は書く。同じ宿に夏と冬に泊まると、別の湯に入ったように感じるということだ。
浴室は硫化水素ガスの充満による事故を防ぐため、一般の浴室より強めに換気していると断りがある。寒く感じても湯にしっかり浸かってほしい、と。
効き方は人によるから、気になることは医師に確かめてから入りたい。
五つの湯をめぐる
本館には「大釈の湯」(内湯と露天)と「白泉の湯」(内湯)。吊り橋「湯ノ沢大橋」を渡った先に日帰り温泉館「薬師の湯」があり、こちらにも内湯と露天がある。露天からは眼下に伸びる山裾の先に、雫石の田園風景が一望できる。
薬師の湯は網張温泉発祥の地に建つ。名前は近くの「網張薬師社」から取った。宿泊者は無料で入れ、本館から往復シャトル便も出ている。
残る二つが野天風呂「仙女の湯」と「鹿追足湯」。どちらも冬期は閉鎖される。
歩いて七分の野天風呂
仙女の湯は、ホテル玄関から森の中を歩いて約7分。滝の流れ落ちる沢沿いにある。
滝を背景に立ち上る湯けむりを、羽衣をまとった仙女に見立てたのが名の由来だという。男女別の脱衣小屋を抜けると、岩を積み上げた湯船がひとつ。男女混浴で、定員は10人。
脱衣かごがあるだけで、シャワーもシャンプーもロッカーもない。貴重品はフロントに預ける。湯あみ着の販売があり、持参したものでも入れる。
営業は5月中旬から11月上旬まで、雨天中止。フロントに声をかけてから出かける決まりになっている。すぐそばを流れる亀滝と湯ノ沢のせせらぎを聞きながら浸かる時間は、歩いて7分とは思えない別世界だと宿は書く。
網を張った土地
名前の由来に二つの説がある。魑魅魍魎から守るため蔓草の網を張ったという言い伝えと、明治以前に一般の人が立ち入らぬよう南部藩が網を張っていたという話。宿はどちらも紹介している。
人が入れるようになったのは明治初期、現在の滝沢市の澤村氏が大釈温泉の名で湯治場を開いたのがはじまり。諸病に効くという評判が麓に伝わり、温泉を目指す人々の松明で登山道が照らし出されたほどだったという。
小岩井農場の創設者の一人・井上勝がこの湯を訪れる道中で農場開発の着想を得たこと、宮澤賢治もこの湯に浸かった記録を残していることも書かれている。
選ぶ理由
掛け流しの硫黄泉を五か所で入り分けられること。そして、そのうちの一つが森を7分歩いた先の野天風呂であること。この二つが決め手になる。
盛岡駅から宿泊者専用の無料シャトルバスが出ているので、東京から新幹線で来ても乗り換えは実質一度だけ。岩手山の登山口でもあり、グリーンシーズンはリフトで高いところまで上がれる。2泊3日をすすめているのは、それだけやることがあるからだ。
休暇村 岩手網張温泉のよくある質問
Q温泉の泉質は?
宿は泉質を単純温泉/硫黄泉(硫化水素型)、pH値を4.1(弱酸性)と案内し、効能にアトピー性皮膚炎、末梢神経障害、尋常性乾癬を挙げています。「ここでしか味わえない、掛け流しの名湯」としています。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Q湯はどこから来ているのですか?
宿は、元湯が2キロほど山を登った犬倉山の爆裂火口跡にあると説明しています。元湯では高温の蒸気が噴き出しており、そこに流れ込む沢水を混ぜて温泉を作る湯井が設けてあり、引湯管で引いてきているとしています。管に湯花が付着して詰まるのを防ぐため年に数回のパイプ掃除が必要で、積雪期には雪崩の危険もあるとも書いています。元湯は硫化水素ガスが発生するため立入禁止です。
Q網張五湯とは何ですか?
本館の内湯と露天「大釈の湯」、内湯の「白泉の湯」、日帰り温泉「薬師の湯」(内湯と露天)、野天風呂の「仙女の湯」(冬期閉鎖)、「鹿追足湯」(冬期閉鎖)の五か所です。本館の二つと温泉館に入れる湯めぐり券もあります。
Q仙女の湯の利用方法は?
ホテル玄関から森の中を歩いて約7分、滝の流れ落ちる沢沿いにあります。男女別の脱衣小屋を抜けると岩を積み上げた湯船がひとつあり、男女混浴です。定員10人、脱衣かごのみでシャワーや備品はありません。フロントに声をかけてから出かける決まりで、湯あみ着の販売もあります。11月上旬から5月中旬は冬期閉鎖、雨天も中止です。
Q日帰りで入れますか?
入れます。日帰り温泉館「薬師の湯」は網張温泉発祥の地に建ち、男女それぞれ内風呂と露天風呂があります。露天からは眼下に伸びる山裾の先に雫石の田園風景を一望できます。宿泊者は無料で、本館から往復シャトル便も運行しています。仙女の湯の日帰り利用は10時から15時(受付14時まで)です。
Qアクセスと送迎は?
JR盛岡駅と網張温泉を結ぶ宿泊者専用の無料シャトルバスがあります(要予約)。車なら東北自動車道の盛岡ICから40分ほど。駐車場は50台で無料、予約は不要です。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

岩井温泉 浪漫伝承の宿 明石家
鳥取県創業400年と宿は書いている創業400年と宿が書く岩井温泉の18室の宿。約48度の源泉を何も足さずに湯船へ入れる。総ヒノキの男女別浴室、佐治石を使った庭園露天風呂、貸切露天風呂「森の方舟」と貸切サウナがある。岩美駅から送迎あり。

白金温泉 碧の美 ゆゆ
北海道白金温泉の49室の宿。加水も加温も循環もしない100%源泉かけ流しだと宿は書く。源泉53度、pH6.9。日帰り入浴は11時から20時で大人1,200円。旧称は湯元白金温泉ホテル。

ランプの宿 青荷温泉
青森県青森県黒石市沖浦、青荷渓谷の底にある31室の一軒宿。各室に電灯がなく、夜はランプの明かりだけで過ごす。携帯の電波も届かない。風呂は四つあり、宿はすべて源泉かけ流しとしている。1929年(昭和4年)に青森県の歌人、丹羽洋岳が開いたと宿は書く。冬季は一般車両が通行止めになり、送迎バスで山道を30分。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
