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Sulfur

硫黄泉

白濁と硫黄の香り、温泉らしい温泉

卵が腐ったような独特の香りと、しばしば白濁する湯。「これぞ温泉」という体験を求めるならこの泉質です。

111 AREAS

天ヶ瀬温泉の風景
Oita大分県

天ヶ瀬温泉

Amagase Onsen

大分県日田市天瀬町、玖珠川の谷にある温泉。大分県は別府・由布院と並ぶ豊後三大温泉のひとつに数え、川沿いに共同露天風呂「川湯」が点在すると紹介する。簡単な囲いだけのものから完全に開けたものまであり、神田湯と薬師湯では湯あみ着を借りられる。メタケイ酸を含むやわらかい湯で「美肌の湯」と呼ばれる。JR天ヶ瀬駅から歩ける温泉街で、落差20mの桜滝が近い。

単純温泉硫黄泉
網張温泉の風景
Iwate岩手県

網張温泉

Amihari Onsen

岩手県岩手郡雫石町、岩手山の南麓にある一軒宿の温泉。元湯は2キロほど山を登った犬倉山の爆裂火口跡にあり、高温の蒸気に沢水を混ぜて湯をつくり、引湯管で引いてくる。泉質は単純温泉・硫黄泉(硫化水素型)でpH4.1。沢水の量で濁り方が変わり、春夏秋は青味がかった白濁、冬は無色に近くなる。本館の大釈の湯・白泉の湯、日帰りの薬師の湯、野天の仙女の湯、鹿追足湯をあわせて「網張五湯」と呼ぶ。

硫黄泉単純温泉
芦之湯温泉の風景
Kanagawa神奈川県

芦之湯温泉

Ashinoyu Onsen

駒ヶ岳の麓、箱根旧街道(国道1号)沿いに開けた閑静な温泉地。箱根七湯の一つで、寛文2年(1662年)に勝間田清左衛門が湿原を開拓して温泉の基礎を築き、江戸時代を通じて長逗留の湯治客と文人墨客で賑わった。1811年の『七湯枝折』は箱根の温泉の中でも主と称えた。白く濁る硫黄泉と湯の花沢から引く重曹泉の二つの湯があり、1715年創業のきのくにやが自家源泉を守る。文人が集った東光庵熊野権現旧跡、箱根石仏群が近い。芦ノ湖まで車で10分。

硫黄泉炭酸水素塩泉
秩父温泉の風景
Saitama埼玉県

秩父温泉

Chichibu Onsen

埼玉県秩父市の山あいに点在する鉱泉。かつて「秩父七湯」と呼ばれた湯のひとつ「御代の湯」は、文政10年(1827年)に初代おきくばあさんが恒持神社の神のお導きで見つけたと宿は伝える。単純硫黄冷鉱泉で源泉温度は約15度、加温して使う。つるっとした卵の白身のような肌ざわりから「卵水」とも呼ばれる。秩父札所めぐりや秩父夜祭の拠点にもなる。西武秩父駅からタクシー10分。

硫黄泉単純温泉
嶽温泉の風景
Aomori青森県

嶽温泉

Dake Onsen Hirosaki

青森県弘前市、岩木山の南側の山麓にある温泉地。嶽温泉旅館組合は延宝2年(1674年)に杣夫の野呂長五郎がキツネを追って雪穴の湯を見つけたのが始まりとし、寛政8年(1794年)の火事のあと1000メートルほど下に湯小屋を建てて四季を通じて住むようになったのが今の嶽温泉だと書く。硫黄の匂いが濃い濁り湯。弘前駅からバスで50分。

硫黄泉酸性泉塩化物泉
泥湯温泉の風景
Akita秋田県

泥湯温泉

Doroyu Onsen

秋田県湯沢市高松、山奥のわずかに開けた小盆地にある温泉。明治の温泉宿として栄えてきた歴史の古い湯だと宿は書く。名前は湯の色が濁っていることに由来するとされ、病に苦しむ乙女のために天狗が透明の湯を白く変えたという伝えが残る。奥山旅館は新湯・天狗の湯・川の湯という三つの源泉を持ち、大露天風呂、混浴露天、女性専用露天、男女別内湯に分けて使う。大露天風呂は積雪のため11月から5月下旬は休み。日本秘湯を守る会の会員宿。

硫黄泉単純温泉
吹上温泉の風景
Kagoshima鹿児島県

吹上温泉

Fukiage Onsen

鹿児島県日置市吹上町湯之浦、薩摩半島の西側にある温泉地。湯之浦温泉、伊作温泉とも呼ばれる。泉質は単純硫黄泉で、宿は源泉温度を55度と掲示する。日置市は「硫黄泉(アルカリ性)の豊富な湯量で、天候により湯の色が変化する見た目にも楽しめる温泉です」と書く。薩摩の藩主や西郷隆盛が湯治に訪れたと伝わる。日本三大砂丘のひとつ吹上浜が近い。

硫黄泉
後生掛温泉の風景
Akita秋田県

後生掛温泉

Goshogake Onsen

秋田県鹿角市八幡平、十和田八幡平国立公園の中にある一軒宿の温泉。開湯三百余年で、「馬で来て、足駄で帰る、後生掛」と謡われた湯治湯。源泉はオナメ・モトメの湯、泉温93.4度の単純硫黄泉でpH3.01の弱酸性。泥成分で灰白色に濁る。総木造りの大浴場に箱蒸し風呂、泥湯、火山風呂、蒸気サウナなど七つの湯があり、全浴槽が源泉かけ流し(温度調節の加水のみ)。天然地熱のオンドル部屋が名物。

硫黄泉
東根温泉の風景
Yamagata山形県

東根温泉

Higashine Onsen

山形県東根市温泉町、さくらんぼ東根温泉とも呼ばれる温泉地。灌漑用水を求めて掘った井戸から明治43年に湯が出たのが始まりで、東根市観光物産協会は掘り当てたときの温度を48度、湧出量を毎分36リットルほどと記している。泉質は硫酸塩泉やナトリウム塩化物泉。三か所を回れる温泉手形があり、温泉街には足湯もある。東根市はさくらんぼの産地として知られる。

硫酸塩泉塩化物泉硫黄泉
一の俣温泉の風景
Yamaguchi山口県

一の俣温泉

Ichinomata Onsen

山口県下関市豊田町一の俣、三つの山に囲まれた谷にある温泉。関門の奥座敷と宿は名乗る。泉質はアルカリ性単純硫黄温泉でpH10.0、泉温29.1度、無色透明で微かに硫化水素のにおいがする。とろりとした肌ざわりから美肌の湯と呼ばれる。一の俣温泉グランドホテルは大浴場を源泉かけ流し、大露天風呂・ジャグジー風呂・家族風呂は循環ろ過装置を使用と書き分け、加水はしていないとしている。日帰り入浴は8時から21時。近くに水没林で知られる一の俣桜公園がある。

硫黄泉
犬鳴山温泉の風景
Osaka大阪府

犬鳴山温泉

Inunakiyama Onsen

大阪府泉佐野市、修験道の霊場・犬鳴山の麓にある温泉郷。泉佐野市観光協会は「大阪に残る唯一の温泉郷」と書く。もとは七宝瀧寺の門前町で、単純硫黄冷鉱泉が湧く。犬鳴山は役行者が大和の大峯山より6年早く開いたと伝えられ、女人大峰とも呼ばれる。山中には大小四十八の滝があり、行者の滝では今も滝行が見られる。関西空港から車30分、大阪市内から1時間。

硫黄泉炭酸水素塩泉
磯原温泉の風景
Ibaraki茨城県

磯原温泉

Isohara Onsen

茨城県北茨城市磯原町、太平洋に面した海辺の温泉。沖に浮かぶ二ツ島を正面に見る宿が建つ。童謡詩人・野口雨情の生まれた町で、磯原駅前には六角堂をかたどった時計塔が立ち、雨情の「シャボン玉」「七つの子」「青い目の人形」を1日7回奏でる。宿の一つは泉質を含硫黄・ナトリウム・塩化物・硫酸塩泉と案内する。冬はあんこう。南へ下れば岡倉天心の五浦海岸と六角堂。

硫黄泉塩化物泉硫酸塩泉
岩戸温泉の風景
Tokushima徳島県

岩戸温泉

Iwato Onsen

剣山の麓、つるぎ町一宇の貞光川沿いに湧く温泉。剣山登山の入口の国道438号を南へ入った山あいに、町の温泉保養センターから続く宿が一軒建ち、さらっとした湯の大浴場の窓から四季の山肌と川を見る。泉質は単純硫黄化水素泉と徳島県の観光サイトは書く。剣山、奥祖谷の二重かずら橋、貞光の二層うだつの町並みと組む。日帰り入浴は平日15時から、祝日11時から。貞光駅から車25分。

硫黄泉単純温泉
地獄温泉の風景
Kumamoto熊本県

地獄温泉

Jigoku Onsen

熊本県阿蘇郡南阿蘇村、阿蘇五岳のひとつ烏帽子岳の中腹にある一軒宿の温泉。200年を超える湯治場で、象徴は足元から湧く「すずめの湯」。加水も加温もせず、生まれたての湯にそのまま浸かる。2016年の熊本地震とその2か月後の土石流災害で敷地の約8割が壊滅したが、すずめの湯は湧き続けた。宿は明治中期の本館を骨組みから復旧し、2019年に青風荘として再開。すずめの湯は着衣入浴になり、男女を問わず入れる。日帰りは火曜休み。

硫黄泉酸性泉
鴨川温泉の風景
Chiba千葉県

鴨川温泉

Kamogawa Onsen

千葉県鴨川市、外房の海沿いにある温泉。宿が引くのは「鴨川温泉なぎさの湯」で、鴨川市内山間部の金山ダム付近に湧く源泉をタンクローリーで配湯している。含硫黄・ナトリウム・塩化物炭酸水素塩冷鉱泉で、源泉温度が低いため加水・加温・濾過をして使うと宿は明記する。太海海岸は伊勢えび、あわび、さざえの特産地。鴨川シーワールドまで車13分。

硫黄泉塩化物泉
寒の地獄温泉の風景
Oita大分県

寒の地獄温泉

Kannojigoku Onsen

大分県玖珠郡九重町田野、標高1100メートルの飯田高原にある温泉。江戸末期の嘉永2年に開湯したと宿は書く。源泉は13度から14度の冷泉で、毎分2160リットル湧く。冷たい湯に数分浸かり、震えが始まったら体を拭かずに暖房室で温まる。これを繰り返すのが伝わってきた入り方。湯につかる温泉もあり、一度に温泉と冷泉の交互入浴ができる。

硫黄泉
川原湯温泉の風景
Gunma群馬県

川原湯温泉

Kawarayu Onsen

1193年に狩りをしていた源頼朝が湯気を見つけて掘り当てたと伝わる湯。酸性の強い草津とは反対の優しい湯で「草津温泉の上がり湯」と呼ばれた。八ッ場ダムの建設で温泉街ごと高台へ移り、平成26年(2014年)7月に新天地で再出発、旧源泉と新源泉を混ぜた含硫黄-カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、79.3度の湯を引く。毎年1月20日の早朝5時、ふんどし姿の男たちが湯をかけ合う奇祭「湯かけ祭り」が、新しい温泉街で続いている。共同浴場「王湯」。上野から特急で2時間15分。

硫黄泉塩化物泉硫酸塩泉
川湯温泉(北海道)の風景
Hokkaido北海道

川湯温泉(北海道)

Kawayu Onsen (Hokkaido)

活火山の硫黄山(アトサヌプリ)から4キロ流れてくる、pH約1.7の強酸性の湯。摩周湖の伏流水がマグマで熱せられ、岩盤の上を通って温泉街に届く。加水も加温もしない源泉100%かけ流し宣言を掲げ、殺菌効果が実証された湯と観光協会は案内する。和歌山の川湯温泉とは別の温泉地で、明治36年に浅野清次が開いた。

酸性泉硫黄泉硫酸塩泉
熊の湯温泉の風景
Nagano長野県

熊の湯温泉

Kumanoyu Onsen

長野県下高井郡山ノ内町、志賀高原の奥にある温泉。湯の色が翡翠を思わせる黄緑色で知られる。宿は泉質を含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉、弱アルカリ性でpH7.5、源泉63度、湧出量毎分72リットルと掲示する。幕末の蘭学者で松代藩士の佐久間象山が調査に訪れたことで世に知られ、熊が傷を癒していたという地元の逸話から名が付いたと宿は伝える。

硫黄泉炭酸水素塩泉硫酸塩泉
松葉川温泉の風景
Kochi高知県

松葉川温泉

Matsubakawa Onsen

高知県高岡郡四万十町、四万十川の源流域・日野地川の渓谷に湧く一軒宿の温泉。江戸時代にはすでに霊泉として知られていたと宿は伝える。全国でも珍しく二種の源泉を持ち、内湯は単純硫黄冷鉱泉でpH9.6、露天は温泉法第二条に該当する温泉でpH9.3。とろみのある湯ざわりで、日帰り入浴もできる。JR窪川駅からバスで35分。

硫黄泉単純温泉
松川温泉の風景
Iwate岩手県

松川温泉

Matsukawa Onsen

十和田八幡平国立公園、ブナとナラの原生林に囲まれた標高875メートルの松川沿いの湯。発見は250年ほど前と八幡平市観光協会は案内し、4軒の宿が静かに湯けむりを上げる。泉質は単純硫化水素泉で、湧いた時は無色透明、空気に触れて乳白色に濁る。谷の地面の下の熱で昭和41年に日本で最初の地熱発電所が運転を始めた土地で、宿の暖房も温泉の蒸気で賄う。三ツ石山と姥倉への登山口、冬は下倉スキー場。盛岡駅からバスで110分、1日2本。

硫黄泉
芽登温泉の風景
Hokkaido北海道

芽登温泉

Meto Onsen

北海道足寄郡足寄町、ヌカナン川の川辺にある一軒宿の温泉。宿は明治34年開湯とし、十勝でもっとも古い温泉と紹介されている。日本秘湯を守る会に登録された情報ではアルカリ性単純温泉でpH9.5、源泉温度60度、温泉使用量は毎分400リットル、加水・加温なし。原生林に囲まれ、夜にはシマフクロウの声が聞こえる。混浴の大露天風呂「巨岩の湯」がある。

単純温泉硫黄泉
明礬温泉の風景
Oita大分県

明礬温泉

Myoban Onsen

別府八湯のうち最も高い場所にある地区で、伽藍岳の中腹の斜面に湯の花小屋が並ぶ。江戸時代に明礬を作っていたことが地名の由来で、噴気と青粘土から湯の花の結晶を採る製法は2006年3月15日に国の重要無形民俗文化財「別府明礬温泉の湯の花製造技術」に指定された。湯は青みを帯びた乳白色の硫黄泉。1875年創業の岡本屋旅館は酸性・含硫黄-単純温泉を自噴源泉から加水も加温もせずかけ流す。高台から別府湾を見下ろせる。別府駅からバスで30分。

硫黄泉酸性泉
中ノ沢温泉の風景
Fukushima福島県

中ノ沢温泉

Nakanosawa Onsen

安達太良山の西麓、磐梯山との間の標高1,000メートルの高原にある温泉街。源泉は安達太良山の噴火口近くに湧く沼尻元湯で、毎分13,400リットルという単一口の自然湧出量は日本一とされ、約7キロを引湯して中ノ沢のすべての宿にかけ流す。pH1.7から2.1の強酸性の硫黄泉だが、長いパイプで揉まれて届くため肌当たりはシルクのようだと温泉郷は書く。沼尻鉱山の全盛期から湯治湯として栄え、名物は笹だんごと中ノ沢こけし。猪苗代駅からバス30分。

酸性泉硫黄泉
滑川温泉の風景
Yamagata山形県

滑川温泉

Namegawa Onsen

山形県米沢市大字大沢字滑川、吾妻連峰の奥にある一軒宿の温泉。日本秘湯を守る会は泉質を含硫黄-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉、源泉温度40.4度から53.6度、湧出量毎分150リットルとし、青白く濁る湯と書く。除雪が入らないため冬は休業し、4月下旬から11月上旬までの期間営業。日本の滝百選の滑川大滝への登山口でもある。

硫黄泉炭酸水素塩泉硫酸塩泉
乗鞍高原温泉の風景
Nagano長野県

乗鞍高原温泉

Norikura Kogen Onsen

長野県松本市安曇、乗鞍岳の東麓に広がる高原の温泉。のりくら観光協会は乗鞍岳の山腹から湧く湯を高原へ引いていると書き、乳白色の単純硫黄泉で独特のにおいがあると案内する。高原内の引湯施設は57軒ほど。のりくら温泉郷にはほかにすずらん温泉と安曇乗鞍温泉があり、三つの源泉で泉質が分かれる。新島々駅からバス55分。

硫黄泉単純温泉
大歩危温泉の風景
Tokushima徳島県

大歩危温泉

Oboke Onsen

四国のまんなか、吉野川が結晶片岩を削った国の名勝・大歩危峡の岸に湧く温泉。2億年の岩を船で巡る遊覧船の乗り場に宿が建ち、露天風呂からエメラルドグリーンの川と朱色の橋を見下ろす。源泉は18度の単純硫黄泉の冷鉱泉で、宿は沸かして循環濾過で使うと明記する。祖谷のかずら橋へ30分、高知からも岡山からも特急で1本。大歩危駅から車5分。

硫黄泉単純温泉
奥道後温泉の風景
Ehime愛媛県

奥道後温泉

Okudogo Onsen

道後温泉から車で10分、松山市の北東を流れる石手川の渓谷にある温泉。道後の北東約4キロの石手川沿いに湯の元、湧ヶ淵、末、水口、塚谷、柳の湧口が並ぶ「湯山七湯」の一つで、宿の源泉は「末」から引く。pH9.4のアルカリ性単純硫黄泉が毎分400リットル湧き、38度の源泉を42度に加温してかけ流す。西日本最大級と宿が名乗る約千畳の大露天風呂から杉立山の渓谷を見る。上流の湧ヶ淵には大蛇退治の伝説。

硫黄泉単純温泉
奥鬼怒温泉郷の風景
Tochigi栃木県

奥鬼怒温泉郷

Okukinu Onsen

栃木県日光市川俣、鬼怒川の源流部にある温泉郷。女夫渕から先は一般車が入れないため、4.5キロの遊歩道を1時間20分歩くか、宿の送迎バスに乗るしかない。関東最後の秘境と呼ばれる。加仁湯は泉質の異なる5本の源泉を持ち、湧いたときは無色透明の湯が湯船にたまるうちに白や青白く濁る。加温も加水もしないため、濁り方はその日の湯量や気温で毎日変わる。日本一の高層湿原とされる鬼怒沼への登山口でもある。

硫黄泉塩化物泉炭酸水素塩泉
奥多摩温泉の風景
Tokyo東京都

奥多摩温泉

Okutama Onsen

東京都西多摩郡奥多摩町、多摩川の氷川渓谷沿いに宿が数軒。源泉は湖底に沈んだ湯だ。昭和32年の小河内ダムの建設で奥多摩湖に沈んだ小河内温泉の源泉を、平成3年にポンプで汲み上げて町の宿数軒に配湯していると宿は書く。源泉名は鶴の湯温泉、アルカリ性単純硫黄泉で源泉温度29.6度。別に麻葉の湯という源泉もあり、奥多摩町には源泉が4つあると宿は案内する。JR奥多摩駅から徒歩数分で、新宿から2時間かからない。

硫黄泉単純温泉
大町温泉郷の風景
Nagano長野県

大町温泉郷

Omachi Onsenkyo

長野県大町市、北アルプスの麓にある温泉地。大町市観光協会は昭和30年代に温泉街としての歩みを始め、昭和38年に葛温泉からの引湯が整備され、翌年に最初のホテルが開業したと書く。昭和46年の立山黒部アルペンルート全面開通とともに宿が建ち並び、黒部ダム観光の玄関口として賑わった。信濃大町駅からバスで15分。

単純温泉硫黄泉
青梅石神温泉の風景
Tokyo東京都

青梅石神温泉

Ome Shakujin Onsen

東京都青梅市二俣尾、多摩川の上流に湧く温泉。秩父多摩甲斐国立公園の玄関口にあたり、三方を多摩川の清流に囲まれた一軒宿が湯を引く。泉質はアルカリ性単純硫黄温泉で、源泉名は鶴の湯温泉。かすかに硫黄が香り、肌がすべすべすると宿は書く。2026年7月に宿が全面改装し、これまでなかった露天風呂が新設された。JR石神前駅から徒歩10分、東京駅から約90分。

硫黄泉単純温泉
温根湯温泉の風景
Hokkaido北海道

温根湯温泉

Onneyu Onsen

阿寒、大雪、知床の三つの国立公園に囲まれた北見の奥座敷。開湯は明治32年(1899年)で、名はアイヌ語で大きな湯を意味するオンネに由来する。湯船から湯が溢れる源泉100%かけ流しの温泉のまちと温泉郷は掲げ、泉質は単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)、pH8.8の「美白の湯」。春にはつつじが咲き、北の大地の水族館とからくり時計の果夢林がある。旭川と北見を結ぶ国道39号沿い、女満別空港から1時間30分。

硫黄泉単純温泉
咲花温泉の風景
Niigata新潟県

咲花温泉

Sakihana Onsen

新潟県五泉市、阿賀野川の岸にある温泉。旅館協同組合によれば、かつて「先花地」と呼ばれ湯花が噴出していたことが名の由来で、新潟県下でも有数の豊富な湯量を誇る。泉質は単純硫黄物泉、54度。硫黄泉でありながら硫黄が強すぎないので湯あたりの心配が少ない。湯の色は温度や外気温によって透明からエメラルドグリーン、グリーン、乳白色へと変わる。弱アルカリ性で硫黄泉・硫酸塩泉・塩化物泉の条件を満たし、美肌の四条件のうち三つを備えると組合は書く。JR咲花駅から歩いてすぐ。

硫黄泉硫酸塩泉
紫尾温泉の風景
Kagoshima鹿児島県

紫尾温泉

Shibi Onsen

北薩の霊峰・紫尾山の麓、丘陵に囲まれた盆地にある小さな温泉郷。源泉が紫尾神社の拝殿の下から湧くため「神の湯」と呼ばれる。泉質は硫黄泉で、宿の一つはpH9.4のアルカリ性単純硫黄泉、浸かるとぬるぬるする美肌の湯と書く。古くは僧侶だけが使い、江戸末期に庶民に開かれた湯治場で、区営の共同浴場を囲むように数軒の宿が並ぶ。秋は源泉に渋柿を浸して甘くする「あおし柿」。鹿児島市内から車で約80分。

硫黄泉単純温泉
下風呂温泉の風景
Aomori青森県

下風呂温泉

Shimofuro Onsen

青森県下北郡風間浦村、津軽海峡に面した本州最北の温泉郷のひとつ。室町時代の記録にも残る湯治場で、厳寒の海から戻った漁師が体を温めてきた。大湯・新湯・浜湯という泉質の違う源泉があり、いずれも硫黄を含む。共同浴場の大湯と新湯は2020年11月30日に営業を終え、二つの源泉を引く「海峡の湯」に統合された。井上靖は小説『海峡』でこの湯を書いた。対岸には北海道が見え、冬は大間のマグロとあんこうの季節。

硫黄泉塩化物泉
新穂高温泉の風景
Gifu岐阜県

新穂高温泉

Shinhotaka Onsen

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷、蒲田川に沿った奥飛騨温泉郷のいちばん奥にある温泉地。日本温泉協会は「奥飛騨温泉郷最奥の秘湯。登山客やスキーヤーで一年中賑わっている」とし、国民保養温泉地に指定されていると記す。北アルプスの槍ヶ岳や穂高連峰の登山口にあたり、新穂高ロープウェイで標高2156メートルまで上がれる。露天風呂を持つ宿が多い。

硫黄泉炭酸水素塩泉塩化物泉
塩江温泉の風景
Kagawa香川県

塩江温泉

Shionoe Onsen

高松の市街から南へ25キロ、阿讃山脈の山あいにある香川県最古の温泉郷。約1,300年前の奈良時代に行基が見つけ、空海が湯治を勧めたと伝わり、「高松の奥座敷」と呼ばれる。四国に二つしかない国民保養温泉地の一つで、環境省の計画書によれば源泉は六本、いずれも15〜20度の冷鉱泉を沸かして使う。宿の一つはpH9.12のアルカリ性の湯を全客室に引く。高松空港から車で15分、高松駅からバスで75分。

炭酸水素塩泉硫黄泉単純温泉
白布温泉の風景
Yamagata山形県

白布温泉

Shirabu Onsen

西吾妻山の麓、標高900メートルほどの山あいにある鎌倉末期開湯の湯治場。白い斑点のある鷹が湯で傷を癒したと伝わり、名は先住民の言葉で霧氷のできる場所を意味する「シラブ」から来る。茅葺き屋根の宿が残り、湯量は毎分約1,500リットルと宿の一つは書く。含硫黄・カルシウム-硫酸塩泉。天元台高原と西吾妻山の登山口。

硫黄泉硫酸塩泉
須川温泉の風景
Iwate岩手県

須川温泉

Sukawa Onsen

岩手・宮城・秋田の三県にまたがる栗駒山の八合目、標高1,126メートルに湧く温泉。873年の『日本三代実録』に酢川として記されると宿は書く。pH2.2の強酸性で、毎分6,000リットルという全国屈指の湧出量。泉質は酸性・含硫黄・鉄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)と一関温泉郷は示す。30人から50人が入る大露天風呂と、噴気で体を蒸す天然蒸し風呂「おいらん風呂」がある。深い雪に閉ざされるため、営業は例年4月下旬から11月上旬。

硫黄泉酸性泉含鉄泉
寸又峡温泉の風景
Shizuoka静岡県

寸又峡温泉

Sumatakyo Onsen

南アルプスの入口、大井川の支流寸又川の渓谷にある温泉地。pH8.9のアルカリ性単純硫黄泉は角質を溶かして肌をすべすべにすることから「美女づくりの湯」と呼ばれる。昭和9年に発電所工事で枯れた湯を郵便局長が3年かけて掘り当て、昭和37年に温泉街が生まれた。トルコブルーのダム湖にかかる夢のつり橋で知られる。

硫黄泉単純温泉
田沢温泉の風景
Nagano長野県

田沢温泉

Tazawa Onsen

青木三山に囲まれた信州の山あい、飛鳥時代の開湯と伝わる「子宝の湯」。湯治に訪れた山姥が坂田金時を産んだという伝説を持ち、乳の少ない女性は27日、子のない女性は37日で効果が表れるといわれた。pH9.6の無色透明の単純硫黄泉は41度のぬる湯で、浸かると体中に気泡が付く。島崎藤村が逗留して「千曲川のスケッチ」に記した木造四階建ての登録有形文化財の宿・ますや旅館と、共同浴場「有乳湯」が並ぶ。上田駅からバス30分。

硫黄泉
月ヶ谷温泉の風景
Tokushima徳島県

月ヶ谷温泉

Tsukigatani Onsen

徳島県勝浦郡上勝町、勝浦川を見下ろす高台にある温泉。宿は原泉名を月ヶ谷温泉、泉質をアルカリ性単純硫黄冷鉱泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)、泉温を15度と掲示する。源泉は1.5キロ離れた霊山月ヶ谷にあり、岩の亀裂から自然湧出する冷泉をパイプで運んでいる。弘法大師が薬師如来のお告げを受けて人々に伝えたという伝承が残る。上勝町はゼロ・ウェイスト宣言と葉っぱビジネスで知られる。

硫黄泉
盛岡つなぎ温泉の風景
Iwate岩手県

盛岡つなぎ温泉

Tsunagi Onsen

盛岡の奥座敷、御所湖のほとりに宿が並ぶ温泉。約900年前、前九年の役で源義家が愛馬を石に繋いで湯に入れ、矢傷を癒したという繋石の伝説が名の由来。六つの源泉から毎分約2,000リットルが湧き、pH8.7〜9.5の高いアルカリ性の単純硫黄泉。昭和55年の御所ダムで旧温泉街は湖底に沈み、湖畔に移った。盛岡駅からバス30分、角館や平泉、八幡平への拠点になる。

硫黄泉単純温泉
姥湯温泉の風景
Yamagata山形県

姥湯温泉

Ubayu Onsen

山形県米沢市大沢、吾妻連峰の北側、標高1,300メートルの谷間にある一軒宿の温泉。三方を奇岩の絶壁に囲まれ、岩壁から噴き出す湯口は六か所ある。宿が使うのはそのうち一本で、残りは川へ流れ落ちる。泉質は単純酸性硫黄温泉で、青みがかった乳白色。加水も加温もせず源泉をかけ流す。浴槽は内湯2と露天3で、露天には混浴と女性専用がある。深い雪のため営業は4月下旬から11月上旬。日本秘湯を守る会の会員宿。

硫黄泉酸性泉
梅ヶ島温泉の風景
Shizuoka静岡県

梅ヶ島温泉

Umegashima Onsen

静岡県静岡市葵区、安倍川の源流近くにある標高約1000メートルの温泉地。静岡市観光ナビは1700年の歴史ともいわれる硫黄泉とし、泉質は無色透明の単純硫黄泉、pH9.6のアルカリ性で肌に滑りがあると書く。温泉街から湯橋を渡ると湯之神社があり、その裏手に源泉の洞窟がある。日本の滝百選の安倍の大滝まで徒歩1時間。静岡駅からバスで2時間。

硫黄泉
和銅鉱泉の風景
Saitama埼玉県

和銅鉱泉

Wado Kosen

埼玉県秩父市黒谷、横瀬川のほとりに湧く鉱泉。秩父七湯のうちで最も古い歴史を持つと宿は伝え、武田信玄が和銅金山を開いた当時から営んでいたと称する。目薬や切り傷に使うと効いたという伝承から「薬師の湯」と呼ばれる。近くには和同開珎の由来となった和銅遺跡(県史跡)がある。一軒宿の和どうが秩父蛇紋岩の岩風呂と古代檜の檜風呂を持ち、どちらにも露天が付く。

硫黄泉単純温泉
わいた温泉郷の風景
Kumamoto熊本県

わいた温泉郷

Waita Onsen

熊本県阿蘇郡小国町、大分県との境にそびえる涌蓋山の麓に広がる温泉地帯。わいた温泉組合は、景色も泉質も異なる六つの湯処からなると案内する。熊本県公式観光サイトははげの湯、岳の湯、山川温泉、守護陣温泉などの名を挙げる。地熱が豊富で、温泉地のあちこちから蒸気が噴き出す。蒸気で蒸した鶏の地獄蒸しが名物で、コインタイマー式の貸切家族湯が多い。

塩化物泉単純温泉硫黄泉
谷地温泉の風景
Aomori青森県

谷地温泉

Yachi Onsen

青森県十和田市、八甲田の山中にある一軒宿の温泉。開湯400年以上を数え、日本三秘湯のひとつに挙げられる。湯は二つある。浴槽の底から直接湧く38度の「下の湯」は無色透明で霊泉と呼ばれ、硫黄の湯の花で白濁した42度の「上の湯」は熱湯と呼ばれる。ぬるい下の湯に長く浸かってから上の湯で温まる入り方をする。周りは高山植物が自生する谷地湿原。冬の積雪は酸ヶ湯より多い5メートル。青森駅からバスで2時間。

硫黄泉単純温泉
弥彦温泉の風景
Niigata新潟県

弥彦温泉

Yahiko Onsen

新潟県西蒲原郡弥彦村、越後一宮の彌彦神社の門前にある温泉地。弥彦観光協会は二つの源泉を案内する。弥彦湯神社温泉はアルカリ性単純温泉で泉温47.9度、pH8.7。やひこ桜井郷温泉は含硫黄-ナトリウム-塩化物泉で泉温43.2度、pH8.7。おもてなし広場と駅前広場「湯のわ」に手湯と足湯がある。背後には標高634メートルの弥彦山がそびえる。

単純温泉硫黄泉塩化物泉
山田温泉の風景
Nagano長野県

山田温泉

Yamada Onsen

長野県上高井郡高山村、松川渓谷の斜面にある温泉。信州高山温泉郷と呼ばれる八つの温泉地のひとつで、その中心にあたる。共同浴場の大湯は温泉地の象徴で、今の建物は1989年に桃山様式で建て直された合掌造りの屋根を持つ。泉質は含硫黄・ナトリウム・カルシウム・塩化物泉、泉温68.5度とやや熱め。源泉かけ流しの湯は透明だが、底に白い湯の華がたまる。松川渓谷の紅葉と、裏側を歩ける雷滝が近い。須坂駅からバスで30分。

硫黄泉塩化物泉
湯野温泉の風景
Yamaguchi山口県

湯野温泉

Yuno Onsen

山口県周南市湯野、夜市川の上流にある静かな温泉郷。山口県の公式観光サイトは「防長三名湯」のひとつとし、しっかりと硫黄が香る湯を「健康&美肌の湯」と紹介する。宿のひとつが公表する成分は含硫黄・弱放射能-アルカリ性単純温泉で、源泉温度32.4度、pH9.5。戦国時代、夢に現れた薬師如来に導かれて村人が湯を見つけたという伝承が残る。6月上旬は遊歩道でホタルが見られる。

単純温泉硫黄泉放射能泉
湯の鶴温泉の風景
Kumamoto熊本県

湯の鶴温泉

Yunotsuru Onsen

熊本県水俣市湯出、水俣の市街から9キロほど南東の山あいにある温泉地。水俣市は「700年前、平家の落人が、湯あみをする傷ついた鶴を見て湯の存在を知り、『湯の鶴温泉』と名付けられた」と書く。湯出川沿いに旅館と公衆浴場が並ぶ。泉質は単純硫黄泉。2022年10月、海側の湯の児温泉とともに国民保養温泉地に指定された。

硫黄泉単純温泉
湯山温泉の風景
Kumamoto熊本県

湯山温泉

Yuyama Onsen

熊本県球磨郡水上村、霊峰と呼ばれる市房山の麓にある温泉地。熊本県は旅館や民宿が軒を並べ湯治場の面影を今も残す場所だと書き、泉質をヌルッとしたアルカリ性単純硫黄泉とする。平成4年から村営になった大衆浴場「元湯」は毎分250リットルの湯量を誇る。水上村は桜の里として知られ、市房ダム周辺に一万本の桜が並ぶ。

単純温泉硫黄泉