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池袋から二時間の渓谷
名栗温泉は埼玉県飯能市の下名栗にある。奥武蔵の山あい、名栗川の渓谷だ。
驚くのは近さで、池袋から飯能駅まで特急で約38分、そこから宿の送迎バスで約30分。合わせて2時間ほどで着く。宿は「都心から約1時間ながら豊かな自然が溢れる名栗の郷」と書いていて、冬でも比較的降雪が少ない地域だと付け加えている。
温泉地といっても宿は一軒、大松閣だけだ。埼玉県の観光サイトはこれを「四季を身近に感じる渓谷の一軒宿」と紹介している。
百年の冷鉱泉
湯について宿が使う言い方が印象的だ。「過去から現在へと100年の間、受け継いできた柔らかな冷鉱泉」。
冷鉱泉なので温めて使う。楽天トラベルの施設情報ではアルカリ性低張性鉱泉としている。自家源泉から配湯しているため、浴槽に沈殿物や浮遊物が生じることがある——と宿は先に断っていて、それは温度変化で温泉成分が固まってできた「湯の花」だと説明している。
濁りや浮遊物を嫌う客に向けて、あらかじめ理由を書いておく。こういう説明を出す宿は信用できる。
銀河と天の川
展望大浴場は翠明館の最上階、5階にある。山々を眼前に見る位置で、露天風呂が付く。
浴槽の名前が凝っていて、露天は女性が「銀河(GINGA)」、男性が「天の川(AMANOGAWA)」。内風呂は女性が「織姫(ORIHIME)」、男性が「牽牛(KENGYU)」。七夕の見立てだ。
大浴場には大きな湯船のほかに小ぶりの湯船が併設されていて、こちらには源泉である冷鉱泉がそのまま注がれている。加温した湯と源泉を入り比べられる。
泉温は40度前後とやや温めに設定されていて、宿は「気持ちを鎮める働きをするリラックスの自律神経『副交感神経』が優位に立ちますよう」と理由を書いている。内風呂には手すりが付く。
木・土・岩
もうひとつの楽しみが、正面玄関を出てすぐの中庭にある離れ家「桧香庵(ひこうあん)」だ。ここに貸切風呂が三つある。
「木風呂」は落ち着いた間接照明と曲線の天井、大きな出窓が印象的な桧の湯。「土風呂」は土をイメージした信楽焼の浴槽で、洞窟をイメージした内装。宿はこれを最もシックな浴場と呼び、夫婦やカップルに人気だとしている。「岩風呂」は庭から掘り出された大岩をそのまま活かしたもので、一棟独立した温泉棟になっている。家族連れに人気だという。
宿泊者はこの三つのうちいずれか一つを無料で50分貸切にできる。予約は当日受付。
日帰りは食事とセット
大松閣の日帰りは、入浴だけの立ち寄りではなく食事と個室がセットになったプランだ。4種類ある。
満喫プランは11時から21時の10時間滞在で、昼食・夕食・個室・大浴場・貸切風呂50分。夕食プランは15時から21時。昼食5時間プランは11時から16時。昼食3.5時間プランは11時から14時30分。上の三つには貸切風呂50分のサービスが付く。送迎バスの時刻もプランごとに決まっている。
入浴だけしたいなら、同じ飯能市名栗にある日帰り温泉「さわらびの湯」が別にある。
名栗で何をするか
名栗湖(有間ダム)が近く、そこから棒ノ折山へ登る道がある。沢を詰める登山道で、関東の低山では人気のコースだ。
2020年には北欧文化をテーマにした複合施設「ノーラ名栗」ができて、フィンランド式のアウトドアサウナやグランピング、北欧風バーベキューが楽しめる。大松閣自身もグランピング棟と別邸ハミングを新設している。
渓谷の一軒宿という古い形と、アウトドア施設という新しい形が同じ谷に共存している。それが今の名栗だ。
夏はホタル、秋は紅葉
埼玉県の観光サイトは、春には花、夏は清流やホタル、秋は紅葉、そして冬はひときわ温泉が身に染みる、と季節を並べている。
都心から2時間。日帰りでも一泊でも成立する距離に、こういう谷がある。
名栗温泉の日帰り入浴
- 名栗湖(有間ダム)と棒ノ折山
- さわらびの湯(日帰り温泉)
- ノーラ名栗(アウトドアサウナとグランピング)
送迎バスは予約制で本数が決まっています。到着時刻を先に決めてから予定を組んでください。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・夏
- 所在地Location
- 埼玉県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- 西武池袋線 飯能駅(宿の無料送迎バス約30分・要予約/路線バス約45分)/圏央道 狭山日高IC・青梅IC
- 東京からFrom Tokyo
- 約2時間(池袋から飯能まで特急約38分)
- 大阪からFrom Osaka
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
名栗温泉のよくある質問
Q名栗温泉の泉質は?
大松閣は「過去から現在へと100年の間、受け継いできた柔らかな冷鉱泉」と書いています。楽天トラベルの施設情報ではアルカリ性低張性鉱泉としています。自家源泉から配湯しているため浴槽に沈殿物や浮遊物が生じることがあり、それは温度変化で温泉成分が固まった「湯の花」だと宿は説明しています。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Q名栗温泉の宿は?
大松閣の一軒です。奥むさし飯能観光協会は、客室19室に加えてグランピング2棟と別邸ハミング1棟が新設されたと紹介しています。露天風呂付きの展望大浴場が二つと、離れ家「桧香庵」に木風呂・土風呂・岩風呂の貸切風呂が三つあります。
Q日帰りで入れますか?
大松閣は食事付きの日帰りプランを4種類用意しています。満喫プラン(11時から21時)、夕食プラン(15時から21時)、昼食5時間プラン(11時から16時)、昼食3.5時間プラン(11時から14時30分)で、いずれも個室と大浴場が使え、上の三つは貸切風呂50分のサービスが付きます。入浴だけの立ち寄りではなく、食事と個室が組み合わさった形です。
Q近くに日帰り温泉はありますか?
あります。同じ飯能市名栗にある「さわらびの湯」は、地元の西川材を使った日帰り天然温泉です。肌の弱い人や子どもにも優しい滑らかな泉質だと埼玉県の観光サイトは紹介しています。名栗温泉とは別の施設です。
Q名栗温泉へのアクセスは?
西武池袋線の飯能駅から大松閣の無料送迎バスで約30分です(要予約)。飯能駅南口発で午前10時30分・11時45分、午後15時・16時30分の便があります。路線バスなら約45分、車なら飯能駅から約30分。池袋から飯能まで特急で約38分なので、都心からは合計2時間ほどです。
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UPDATED 2026.09.23



