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一軒しかない
花山温泉には宿が一軒しかない。この薬師の湯がその一軒であり、同時に温泉そのものでもある。
住所は和歌山県和歌山市鳴神574。JR和歌山駅からタクシーで10分、阪和道の和歌山ICからは5分。運営は花山開発株式会社で、施設は開湯を昭和43年としている。
総部屋数は12室。泊まれる部屋はあるが、建物の主役は大浴場のほうだ。地元の人が朝から通い、観光客が途中で寄り、その一部が泊まる。そういう使われ方をしている。
朝八時から開いている
入浴時間は8時から22時、最終受付21時。定休日は木曜日(祝日の場合は営業)と和歌山県温泉協会は載せている。
温泉旅館の日帰り入浴が昼過ぎからの数時間に限られることが多いなかで、朝8時に開く温泉は少ない。和歌山に前泊して朝風呂に入り、そのまま南紀へ走る——という使い方ができるのは、この営業時間があってのことだ。
駐車場は60台。車で来ることが前提の施設である。
高温の湯と、冷泉の湯
館内の浴場は、温度で分かれている。
施設が挙げているのは、高温の風呂と低温の風呂を交互に入る「高温の湯・冷泉の湯」、露天風呂、サウナ、超音波の気泡風呂、寝湯。和歌山県温泉協会の施設情報では、大浴場あり、露天風呂あり、家族風呂なし。
源泉は26度しかない。だから沸かした湯と、湧いたままの湯を並べて置く。この構成が、そのまま入り方の指示になっている。熱い湯で温めて、冷たい源泉に沈み、また熱い湯へ戻る。
和歌山県温泉協会も「温度差のある浴槽に交互に入る温冷入浴法でさらに温泉効果が期待できます」と書いている。ただし温度差の大きい入り方は体に負担がかかるので、血圧や心臓に不安があるなら先に医師に確かめてほしい。
加水はしていない
湯の扱いについて、和歌山県温泉協会の施設情報には項目ごとの記載がある。
温泉の利用状況は掛け流し。加水の状況はなし。加温の状況は一部加温。新湯との入替状況は毎日換水。浴槽の消毒状況はあり。
加水をしていないという点が、この施設ではとくに意味を持つ。泉質分類は中性高張性低温泉で、体液より濃い湯だ。薄めればその濃さが落ちる。落とさずに使っている。
いっぽう消毒はしている、とも書かれている。まったく手を加えない湯ではない。そのうえで濃さは保っている、という理解が実態に近い。
温泉とカイロプラクティック
この施設には、温泉旅館としては珍しいものが併設されている。カイロプラクティックの施術所だ。
施設自身が「温泉とカイロプラクティックを融合したはじめての施設」と紹介し、美容カイロやスポーツカイロを通して小顔、姿勢美、ダイエット効果などが期待できると書いている。骨を触らなくてもできるケアもあるという。
ここは宿の言葉として読んでおきたい。何がどう効くかは人によるし、体の不調を抱えているなら医師の判断が先である。ただ、湯に浸かったあとに体を整えて帰るという流れを、ひとつの建物のなかで完結させている構えは、他ではあまり見ない。
泊まるという選択
日帰りで済ませられる施設ではある。実際、多くの人がそうしている。
それでも泊まる意味があるとすれば、この濃さの湯に夜と朝の二回入れることだ。高張性の湯は長湯に向かない。一回あたりを短くして、回数を増やすほうが体に優しい。泊まればそれができる。
温泉街の情緒を求める人には向かない。窓の外は住宅地で、浴衣で歩く通りもない。湯そのものだけを目当てに来る人のための宿である。
花山温泉 薬師の湯のよくある質問
Q日帰りで入れますか
入れます。和歌山県温泉協会は日帰り入浴ありとし、入浴時間を8時から22時、最終受付21時、定休日を木曜日(祝日の場合は営業)と載せています。宿泊者のためだけの風呂ではなく、地元の人が日常的に通う施設でもあります。
Qお湯の使い方はどうなっていますか
和歌山県温泉協会の施設情報では、温泉の利用状況が掛け流し、加水の状況がなし、加温の状況が一部加温、新湯との入替が毎日換水、浴槽の消毒はありと記載されています。加水はせず、消毒はしている、という形です。源泉温度は26度なので、加温した浴槽と源泉そのままの浴槽が分けて用意されています。
Qどんな風呂がありますか
施設は、高温の風呂と低温の風呂を交互に入る「高温の湯・冷泉の湯」、露天風呂、サウナ、超音波の気泡風呂、寝湯があると案内しています。和歌山県温泉協会の記載では大浴場あり、露天風呂あり、家族風呂なしです。
Q部屋数はどのくらいですか
12室です。温泉街のなかの大型旅館ではなく、日帰り入浴を主体にしながら宿泊も受ける構えの施設です。駐車場は60台と和歌山県温泉協会は載せています。
Qカイロプラクティックがあると聞きましたが
施設は「温泉とカイロプラクティックを融合したはじめての施設」と自ら紹介しており、美容カイロやスポーツカイロの施術を受けられるとしています。温泉旅館としては珍しい組み合わせです。体の不調について何を期待できるかは人によるので、持病があれば先に医師に相談してください。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

岩井温泉 浪漫伝承の宿 明石家
鳥取県創業400年と宿は書いている創業400年と宿が書く岩井温泉の18室の宿。約48度の源泉を何も足さずに湯船へ入れる。総ヒノキの男女別浴室、佐治石を使った庭園露天風呂、貸切露天風呂「森の方舟」と貸切サウナがある。岩美駅から送迎あり。

武田尾温泉 紅葉舘 別庭 あざれ
兵庫県武田尾温泉の12室の宿。武庫川の渓谷沿いに全室一戸建ての離れが並び、どの部屋にも源泉かけ流しの半露天風呂が付く。大浴場「かわせみの湯」「やませみの湯」にも源泉かけ流しの露天風呂がある。泊食分離で、食事は茶寮「心」。武田尾駅から徒歩5分。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
