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最北の温泉郷で百年
川島旅館は北海道天塩郡豊富町。日本最北の温泉郷、豊富温泉にある全15室の宿だ。
宿の自己紹介が簡潔でいい。「豊富温泉 開湯100年。100年続く静かな名湯。世界でも珍しい原油を含む源泉かけ流しの宿」。温泉の歴史と宿の歴史が同じ長さということになる。
稚内空港から車で1時間、札幌からは5時間近く。ここまで来る理由がはっきりしている人が泊まる宿である。
石油を掘って出た湯
豊富温泉の成り立ちを、宿はこう説明する。大正の末期に拓かれた歴史ある温泉で、石油の試掘を行っていたときの際に天然ガスと温泉が噴出したところから発祥している——。
だから湯に油が混じる。アルカリ性でわずかに黄濁していて、弱い石油臭がある。宿は「日によって油の濃さが変わるのも楽しみのひとつです」と書いている。
泉質は含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性高張性温泉)、泉温35.0度。高張性なので成分が濃い。宿は、浸透圧が高く温泉成分が体にしみこみやすく、湯に溶け込んでいるオイルが蒸発を防ぐラップ効果をはたすと説明している。
効き方は人によるから、気になることがあれば医師に確かめてから入りたい。
重曹とオイル
湯の中身についての説明が具体的だ。
宿によれば、温泉成分の大半が重曹成分で、家庭用のバスタブに重曹1キロ相当の濃度で含まれている。重曹は皮膚の余分な脂肪や分泌物を乳化して洗い流すので、厚くなった古い角質を取り除く。新陳代謝を促すメタケイ酸も含まれている。
もうひとつの主成分であるナトリウム塩化物は体を芯から温め、発汗を促す。オイル成分との相乗効果で湯冷めしにくい、と。
数万ともいわれる成分が、2万年以上のあいだ大地の中で堆積した植物遺骸から熟成された天然のオイル——というのが宿の言い方である。
露天と貸切露天
風呂は大浴場の内風呂と、石造りの露天風呂。そして時間で借りられる貸切露天風呂がある。
貸切露天は宿泊者だけでなく日帰りの人も使える。そしてデラックスルームからは、貸切露天風呂に直接入れる造りになっている。油の浮いた黄色い湯を人目を気にせず独り占めできる、というのはこの宿ならではだ。
湯治の宿でもある
豊富温泉には、皮膚の療養で長期滞在する人が来る。
宿はその人たち向けの入浴方法も書いている。多くても1日3回くらいまで、1回の入浴は45分から1時間程度。体調の変化を見ながら、入りすぎて疲れから悪化しないように注意する。皮膚科医は2〜3週間の滞在を目安としている——。
こうした案内を宿が出しているということ自体が、この温泉地の性格を表している。ただし効き方は人による。療養が目的なら、行く前に主治医に相談してほしい。
日帰りでも入れる
日帰り入浴は13時から20時(最終入場19時30分)。混雑時は人数制限をすることがある。
温泉街の中心には町営の「ふれあいセンター」もあり、そちらには源泉をそのまま引いた湯治客用の浴場がある。二つを回ってみると、同じ豊富温泉でも印象が変わるはずだ。
選ぶ理由
油の浮いた湯に入れる場所は、世界でも数えるほどしかない。その一つがここで、しかも源泉かけ流しで、貸切の露天まである。
15室と小さいので、静かに過ごせる。宿はバターやプリンも作っていて、豊富町が酪農の町であることが食事にも出る。サロベツ原野と利尻富士を見に行く旅の拠点としても使える。
とよとみ温泉 川島旅館のよくある質問
Q温泉の泉質は?
宿は泉質を含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性高張性温泉)、泉温を35.0度と案内しています。一般適応症は筋肉や関節の慢性的な痛み、胃腸機能の低下、軽症高血圧、病後回復期、疲労回復など。泉質別適応症はきりきず、抹消循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症です。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Qなぜ油が浮いているのですか?
宿は、豊富温泉は大正の末期に拓かれた温泉で、石油の試掘を行っていたときに天然ガスと温泉が噴出したところから発祥していると書いています。湯はアルカリ性でわずかに黄濁し、弱い石油臭があるのも特徴だとしています。日によって油の濃さが変わるとも書いています。
Qお風呂の構成は?
大浴場の内風呂と石造りの露天風呂、そして時間で借りられる貸切露天風呂です。宿は、デラックスルームからは貸切露天風呂に直接入ることができると案内しています。
Q日帰り入浴はできますか?
できます。宿の案内では13時から20時(最終入場19時30分)。混雑時は利用人数の制限をする場合があるとしています。町営の日帰り施設「ふれあいセンター」も温泉街の中心にあります。
Q皮膚の療養で滞在できますか?
宿は、古くから「どんな傷も温泉で治る」と言われ、近年はアトピーや乾癬など皮膚疾患に悩む人が多く訪れると書いています。入浴方法として、多くても1日3回程度、1回45分から1時間、皮膚科医は2〜3週間の滞在を目安としていると紹介し、入りすぎて疲れから悪化しないよう注意するようにとも書いています。効き方は人によるので、療養が目的なら主治医に相談してください。
Qアクセスと送迎は?
JR宗谷本線の豊富駅から車で10分またはバスで15分、バス停「豊富温泉」から徒歩1分です。豊富駅からの送迎は3日前までの予約が必要と宿は案内しています。駐車場は宿の裏側にある公共の駐車場を使います。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

岩井温泉 浪漫伝承の宿 明石家
鳥取県創業400年と宿は書いている創業400年と宿が書く岩井温泉の18室の宿。約48度の源泉を何も足さずに湯船へ入れる。総ヒノキの男女別浴室、佐治石を使った庭園露天風呂、貸切露天風呂「森の方舟」と貸切サウナがある。岩美駅から送迎あり。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

壁湯天然洞窟温泉旅館 福元屋
大分県大分県玖珠郡九重町大字町田62-1、壁湯温泉の一軒宿。町田川の岸の岩壁にできた洞窟が、そのまま浴槽になっている。宿は300年以上前から自噴していると書く。日本秘湯を守る会の会員で、登録情報では泉質は単純温泉、源泉温度39度、湧出量は毎分1370リットル、加温は貸切湯のみ一部。浴場は五つ。客室は8室から9室の小さな宿で、日帰り入浴も受ける。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
