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明治三十五年から
新清館は大分県玖珠郡九重町田野。筌の口温泉の一軒宿である。
宿は「明治35年から創業をはじめ」と書いている。1902年だ。
九重町観光協会によれば、筌の口温泉に旅館が建ち始めたのは明治の中期である。大分牧場の創設、千丁牟田開拓、硫黄鉱山の創業といった仕事で人が集まり、それに応じて宿ができた。新清館はその流れのなかで始まった宿だ。
総部屋数は14室。駐車場は25台で無料、予約不要。
黄金に綾なす湯
この宿の看板は露天風呂である。
宿の文を引く。「明治35年から創業をはじめ、いまもなお涸れることなくお湯が湧きつづける、雑木林に囲まれた広大な露天風呂は黄金に綾なし、心地よく旅の疲れを癒してくれます」。
黄金色になる理由は湯に含まれる鉄分だ。湧き出たときは透明でも、空気に触れて酸化すると黄色から茶色に変わる。
九重町は筌の口温泉について「炭酸泉で黄褐色に濁りがあるのが特徴です」と書いている。九重町観光協会は「炭酸泉で少し濁りがありますが、胃腸病に特効があると評判です」とする。
宿が登録している泉質は炭酸水素塩泉、ナトリウム・カルシウム塩化物泉、芒硝泉。三つ並んでいる。
かけ流しかどうかは書いていない。「涸れることなくお湯が湧きつづける」は湯量の話であって、浴槽の扱いの話ではない。気になるなら予約前に聞いたほうがいい。
雑木林のなかの露天
露天風呂は雑木林に囲まれている。周りに建物がない。
利用時間は7時から23時まで。内風呂は24時間。
この露天は日帰り入浴も受けている。昼間は外から人が来るので、宿泊者が落ち着いて入るなら朝か夜になる。宿泊客の感想にも「日帰りが終わってから露天に行くのが吉」という一文があった。
九重町には十一の温泉地があるが、筌の口の湯はそのなかでも色が濃い。宝泉寺の単純温泉や寒の地獄の硫黄冷泉とはまったく違う。
川端康成が来た土地
筌の口温泉には、文学の記録がひとつある。
九重町観光協会は「昭和27年、文豪川端康成がこの地を訪れ、後に九重を主舞台とした小説『波千鳥』を残されました」と書いている。
「波千鳥」は「千羽鶴」の続編にあたる作品だ。
1952年といえば、九重がまだ観光地として整備される前である。硫黄鉱山と牧場の土地だった。その時期に訪れて、この土地を舞台に書いた。
共同浴場が休む
筌の口には地元の管理組合が運営する共同温泉がある。この温泉地のもうひとつの顔だ。
ただし、九重町観光協会が2026年9月に休館の告知を出している。「筌の口共同浴場は改修工事のため、2026年10月1日〜2027年3月末まで(予定)休館いたします」。
共同浴場と宿の露天を両方はしごする、という回り方はしばらくできない。再開の日程は観光協会のサイトで知らせるとしている。
そのぶん、この宿の露天の存在が大きくなる。
滝と渓谷が近い
宿の周りには景勝地がある。
九重夢大吊橋までは車で5分ほど。高さ173メートル、長さ390メートルの歩行者専用の橋で、渡ると途中から震動の滝が見える。
九酔渓は鳴子川が刻んだ渓谷で、秋は紅葉で知られる。
くじゅう連山を歩くなら、登山基地の長者原まで車で15分ほど。そこからやまなみハイウェイに出れば、北へ走れば湯布院、南へ走れば阿蘇に着く。
宿泊客の感想に「温泉は評判通りに素晴らしい、驚いたのはその食事が素晴らしい」という一文があった。天然湧水を使った料理が自慢だと宿は登録している。
着くまで
JR久大本線の豊後中村駅から車で30分。バスなら牧の戸方面行きで筌の口温泉下車、徒歩300メートルほど。
車なら大分自動車道の九重ICから20分ほど。
チェックインは15時から21時まで、チェックアウトは10時。最終チェックインが21時と遅めなので、くじゅうを歩いてから入る組み立てができる。
バスの本数は多くない。公共交通で行くなら時刻表を先に見ておきたい。
旅館 新清館のよくある質問
Qどんな湯ですか
黄金色に濁る炭酸泉です。宿は「明治35年から創業をはじめ、いまもなお涸れることなくお湯が湧きつづける、雑木林に囲まれた広大な露天風呂は黄金に綾なし」と楽天トラベルに登録しています。九重町は筌の口温泉について「炭酸泉で黄褐色に濁りがあるのが特徴です」と書いています。鉄分が空気に触れて酸化すると、この色になります。
Qかけ流しですか
宿はかけ流しかどうかを明記していません。「いまもなお涸れることなくお湯が湧きつづける」とは書いていますが、湯の扱いについての記載ではありません。気になる人は予約前に宿へ直接聞いてください。
Qお風呂の時間を教えてください
露天風呂は7時から23時まで、内風呂は24時間と宿は登録しています。露天は日帰り入浴も受けているので、宿泊者はその時間を外すと落ち着いて入れます。
Q何室ありますか
14室です。筌の口温泉の一軒宿で、駐車場は25台、無料、予約不要。チェックインは15時から21時、チェックアウトは10時です。
Q共同浴場には行けますか
近くに地元の管理組合が運営する共同温泉がありますが、九重町観光協会は改修工事のため2026年10月1日から2027年3月末まで(予定)休館すると告知しています。再開の日程は観光協会のサイトで知らせるとしています。
Qアクセスを教えてください
JR久大本線の豊後中村駅から車で30分。バスなら牧の戸方面行きで筌の口温泉下車、徒歩300メートルほど。大分自動車道の九重ICからは車で20分と宿は登録しています。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

岩井温泉 浪漫伝承の宿 明石家
鳥取県創業400年と宿は書いている創業400年と宿が書く岩井温泉の18室の宿。約48度の源泉を何も足さずに湯船へ入れる。総ヒノキの男女別浴室、佐治石を使った庭園露天風呂、貸切露天風呂「森の方舟」と貸切サウナがある。岩美駅から送迎あり。

小谷温泉奥の湯 雨飾荘
長野県秘湯として知られる小谷温泉からさらに山道を進んだ、標高900メートルの山間に建つ一軒宿。毎分240リットルの湯量を誇るナトリウム炭酸水素塩泉を、男女別の内湯と露天風呂にかけ流す(湯温調節のため雨飾山の湧水で加水する場合がある)。露天風呂からは目前に迫る山容と星空を見る。和室5、和洋室7、洋室1の13室。徒歩3分にブナ原生林の中の村営露天風呂がある。雨飾山の登山口で、南小谷駅から村営バス40分。日帰り入浴はしていない。

湯の鶴温泉 あさひ荘
熊本県熊本県水俣市湯出1559-2、湯の鶴温泉にある全15室の宿。風呂は岩風呂、展望露天風呂、個室風呂が5部屋。宿は「泉質は無色透明の単純硫黄泉で、入浴すると肌のつるつる感がございます」と書き、展望風呂から桜と紅葉が眺められるとする。新水俣駅から車で約15分、水俣駅から湯の鶴温泉行きのバスで約25分。駐車場は6台。
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