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八甲田の山中に一軒
谷地温泉は青森県十和田市法量谷地1。八甲田の山の中に、宿が一軒だけ建っている。
宿は自分の建物をこう書く。「山の中の一軒宿といった風情の古びた木造の建物」。飾らない言い方だが、行けばその通りである。周りには高山植物が自生する谷地湿原が広がる。
湯が開かれたのは400年以上前と伝わり、日本三秘湯に名を連ねている。
ぬるい湯から熱い湯へ
湯は二つある。性格がまるで違う。
一方が下の湯で、38度。湯船の底がそのまま源泉になっていて、そこから直接湧く。色はなく透明で、霊泉と呼ばれてきた。泉質の表記は単純硫黄温泉「硫化水素型」(低張性弱酸性温泉)。宿はこれを、ポコポコと湧き出る柔らかいお湯と書いている。
上の湯は42度。硫黄の湯花で白濁していて、熱湯と呼ばれる。泉質は単純温泉(低張性弱酸性低温泉)。
38度は体温に近い。長く浸かっても疲れないので、まず下の湯でじっくり温め、そのあと上の湯で仕上げる。この順番が谷地の入り方として知られている。
効能は下の湯が神経痛・関節炎・疲労回復など、上の湯が神経痛・不眠症・アトピー性皮膚炎・慢性疾患など。効き方は人によるから、体のことで気になる点があれば入る前に医師に確かめておきたい。
源氏の間
部屋の設えは昭和のまま。トイレも洗面所も共同で使う。一人旅から6名までに対応する部屋があり、総数は38室である。
東館の「源氏の間」は、瀬戸内寂聴が『源氏物語』第九巻を執筆した部屋として知られる。山の中の一軒宿でそういう仕事がされた、という事実がこの宿の静けさを物語っている。
館内の水はすべて八甲田の湧き水を使っていると宿は書き、名水をぜひ試してほしいとしている。
岩魚を食べる
名物は岩魚料理である。南八甲田の高田大岳の山麓から湧く天然水で育った岩魚を使い、焼いても刺身にしても出す。
岩魚の骨酒、地元産の採れたて山菜やキノコを使った季節の田舎料理もある。食事処は「ぶなしずく」という名前で、窓の外を野生のテンが通ることがある。
雪が五メートル
冬の積雪は酸ヶ湯より多い5メートルだと宿は書く。八甲田は日本でも指折りの豪雪地帯で、この宿はそのただ中にある。
澄み渡った空気に星がまたたく。厳しい冬もまた谷地温泉の魅力ある一面だと宿は言う。ただし11月1日から4月末日は火・水・木曜が休館になるので、行く日は選ぶ必要がある。
着くまで
公共交通ならJR青森駅からJRバスで2時間ほど揺られる。青森空港からは車で1時間。要予約の無料バスも走っていて、夏は青森駅と新青森駅から、冬は八戸駅からの発着になる。
駐車場は60台で無料、予約はいらない。冬は積雪と通行規制があるので、青森県内の交通規制情報を見てから向かいたい。奥入瀬渓流と十和田湖へは車で30分ほどである。
谷地温泉のよくある質問
Q温泉の泉質は?
宿によると下の湯は単純硫黄温泉「硫化水素型」(低張性弱酸性温泉)で38度、足元から湧く無色透明の湯。上の湯は単純温泉(低張性弱酸性低温泉)で42度、硫黄の湯花で白濁しています。効能は下の湯が神経痛・関節炎・疲労回復など、上の湯が神経痛・不眠症・アトピー性皮膚炎・慢性疾患などです。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Q足元自噴とはどういう意味ですか?
湯船の底そのものが源泉で、そこから湯が湧いている状態です。宿は下の湯を、浴槽の底から直接自噴する38度の湯、ポコポコと湧き出る柔らかいお湯と書き、「昔ながらの足下自噴の源泉かけ流し泉」としています。
Q日帰り入浴はできますか?
できます。10時から15時(最終受付14時30分)、大人(中学生以上)800円、子供450円、未就学児無料です。11月1日から4月末日は火・水・木曜が休館になるので、公式サイトの営業日カレンダーを確かめてください。
Q客室はどうなっていますか?
昭和レトロな雰囲気の客室で、トイレと洗面所は共同です。一人から最大6名まで対応する部屋があります。東館の「源氏の間」は瀬戸内寂聴が『源氏物語』第九巻を執筆した部屋として知られています。総部屋数は38室と楽天トラベルの施設情報にあります。
Qアクセスは?
JR青森駅からJRバスで約120分、青森空港から車で60分です。要予約の無料バスがあり、夏季は青森駅と新青森駅から、冬季は八戸駅から出ています。駐車場は60台で無料。冬は積雪が多いので青森県内の交通規制情報を確かめてください。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

岩井温泉 浪漫伝承の宿 明石家
鳥取県創業400年と宿は書いている創業400年と宿が書く岩井温泉の18室の宿。約48度の源泉を何も足さずに湯船へ入れる。総ヒノキの男女別浴室、佐治石を使った庭園露天風呂、貸切露天風呂「森の方舟」と貸切サウナがある。岩美駅から送迎あり。

武田尾温泉 紅葉舘 別庭 あざれ
兵庫県武田尾温泉の12室の宿。武庫川の渓谷沿いに全室一戸建ての離れが並び、どの部屋にも源泉かけ流しの半露天風呂が付く。大浴場「かわせみの湯」「やませみの湯」にも源泉かけ流しの露天風呂がある。泊食分離で、食事は茶寮「心」。武田尾駅から徒歩5分。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
