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部屋に風呂がある。それだけで旅の形が変わります。大浴場の時間を気にせず、人目もなく、何度でも入れます。
ただし「露天風呂付き客室」という言葉が指すものは一つではありません。ここを知らずに予約すると、着いてから違和感が出ます。
三種類ある
露天風呂付き客室 — 部屋のベランダやテラスに、屋外の浴槽があるもの。外気に触れながら入れます。最も高くなるのはこの形です。
半露天風呂付き客室 — 屋根や壁の一部があり、窓が大きく開く形。天候の影響を受けにくく、そのぶん外気の感触は弱くなります。冬に雪が落ちてくる、といった体験にはなりません。
内風呂付き客室(温泉) — 屋内の浴槽に温泉が引かれているもの。露天ではありませんが、部屋で温泉に入れるという点は同じです。
予約サイトの条件では、この三つがまとめて表示されることがあります。写真を見て、屋根と壁の有無を確かめるのが確実です。
温泉かどうかは別の話
見落とされやすいのがここです。
部屋の風呂が温泉とは限りません。沸かした湯や水道水を使っている場合があります。宿によっては、部屋の風呂だけ温泉ではないという構成もあります。
「露天風呂付き客室」と「温泉が出る客室風呂」は別の条件です。湯そのものを目的にするなら、部屋の風呂の泉質まで確認してください。
加温や循環をしているかも宿ごとに違います。源泉かけ流しを謳っている場合でも、それが大浴場だけなのか部屋の風呂も含むのかは、書き方によっては読み取れません。
部屋の風呂だけで終わらせない
部屋に風呂があると、そこで完結してしまいがちです。
しかしその宿の大浴場や露天風呂に入らないまま帰ることになります。多くの宿では、湯量も浴槽の広さも大浴場のほうが上です。景色も違います。
部屋の風呂は「いつでも入れる」ことが価値で、「一番いい湯」とは限りません。両方に入る前提で時間を配分してください。
この形が向く温泉地
湯そのものが強い温泉地では、部屋の風呂という選択が効きにくくなります。
草津や蔵王のような強酸性泉、万座や酸ヶ湯のような濃い硫黄泉は、共同の大きな浴槽で入るように出来ています。部屋の小さな浴槽で長く入る湯ではありません。
逆に、刺激の少ない湯の温泉地では相性がよくなります。仙石原や強羅では宿によって引いている湯が違い、白濁の硫黄泉に部屋で入れる宿があります。白浜は海に面した立地で、部屋から海が見える構成が成り立ちます。由布院は盆地の朝霧が名物なので、朝に部屋の風呂から外を見るという使い方ができます。
湯の川は函館空港から車で5分、鬼怒川は浅草から乗り換えなしで2時間。移動を軽くしたい行程にも組み込めます。
予約前に確かめること
- 屋外か半露天か内風呂か。写真で屋根と壁を見る
- 部屋の風呂が温泉か。沸かし湯の場合がある
- 湯の入れ替えの方式。かけ流しか、溜めて使うか
- 大浴場に入る時間を確保できる行程か
- 眺めがあるか。囲いで外が見えない造りもある
費用の考え方
露天風呂付き客室は、同じ宿の他の部屋より確実に高くなります。
その差額を、大浴場のある普通の部屋に泊まって別の温泉地へもう一泊、という使い方に回すこともできます。どちらが良いという話ではありません。
一晩の過ごし方に費やすか、行く場所の数に費やすか。旅の目的で決まります。





