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由布院は、大型ホテルが林立する温泉地とは対照的な発展をしてきた。歓楽街をつくらず、田園風景と小規模な宿を残す方向に町ぐるみで舵を切った結果、いまの姿がある。
源泉数は別府に次いで全国2位。湯量は豊富だが、それを大規模施設に集約せず、宿ごとに引いているのが特徴である。
朝が本番の温泉地
由布院は、日中と朝でまったく違う町になる。
湯の坪街道は駅から金鱗湖へ続く通りで、土産物店と飲食店が並ぶ。日中は人が多く、歩くのに時間がかかる。
同じ道を、店が開く前の時間帯に歩くと別の場所になる。人がいない。田園と由布岳が視界に入る。
秋から冬の冷え込んだ朝には、盆地に霧がたまる。由布岳の頂だけが霧の上に出る。金鱗湖は湖底から温泉と湧水が同時に湧いているため、水温が高く、湖面からも霧が立ちのぼる。
この光景は日が高くなると消える。見るには前夜から泊まっているしかない。由布院が宿泊型の温泉地である理由の一つがここにある。
湯の強さで選ぶ町ではない
由布院の湯は単純温泉が中心である。刺激が少なく、肌当たりがやわらかい。
草津や登別のように成分で押してくる湯ではないので、「効きそうな湯」を求めて来ると肩透かしを食う。
かわりに、量に恵まれている。源泉数は別府に次いで全国2位で、多くの宿が自家源泉を持つ。歓楽街をつくらず、湯を大規模施設に集約せず、宿ごとに引いてきた結果である。
由布院を選ぶ理由は、湯の強さよりも宿と風景の質にある。何を求めて行くのかを先に決めておくと、期待がずれない。
別府と続けて訪ねる
由布院と別府は一時間前後の距離にある。高速バスかJR久大本線で移動できる。
別府は源泉数も湧出量も日本一で、共同浴場が街のあちこちにある。泉質も多様で、地獄めぐりという見せ場がある。町の性格としては、動きが速く、湯が強い。
由布院はその逆である。静かで、湯が穏やかで、宿の中で過ごす時間が長い。
続けて訪ねると、九州の温泉の幅が体感できる。別府で共同浴場と地獄めぐり、由布院で静かな一泊、という配分が組みやすい。博多から特急ゆふいんの森が直通しているため、福岡発の行程にも組み込める。
歩き方
JR久大本線の由布院駅が温泉街の入口にあたる。駅から金鱗湖までは湯の坪街道を通っておよそ徒歩20分から30分。土産物店と飲食店が並ぶ通りで、日中は人が多い。
静けさを求めるなら、朝がいい。街道の店が開く前の時間帯であれば、同じ道がまったく違う顔を見せる。
観光辻馬車やレンタサイクルもある。盆地は平坦なので自転車が使いやすい。
由布院温泉の日帰り入浴
- 宿の立ち寄り湯
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・冬
- 所在地Location
- 大分県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR久大本線 由布院駅
- 東京からFrom Tokyo
- 約3時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約2時間30分
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
由布院温泉のよくある質問
Q由布院温泉は日帰りでも楽しめますか?
楽しめます。日帰り入浴を受け入れている宿や立ち寄り湯があり、由布院駅から金鱗湖までの湯の坪街道は徒歩で歩ける距離です。ただし由布院の魅力は朝霧と夜の静けさにあるため、宿泊のほうが得られるものは大きくなります。
Q由布院と別府はどう違いますか?
性格が正反対です。別府は源泉の数と湧出量で圧倒する大規模温泉地で、共同浴場や地獄めぐりなど賑やかな要素が多くあります。由布院は由布岳の裾野に広がる盆地の田園地帯にあり、小規模な宿が中心で、静けさと景観を売りにしています。両者は一時間前後の距離なので、続けて訪ねる行程が組めます。
Q金鱗湖の朝霧はいつ見られますか?
秋から冬の、晴れて冷え込んだ日の早朝です。湖底から温泉と湧水が同時に湧いているため水温が高く、外気との温度差で霧が立ちます。日が高くなると消えるので、見るには前夜から泊まっている必要があります。
Q由布院は車がなくても回れますか?
回れます。JR久大本線の由布院駅が温泉街の入口にあり、駅から金鱗湖までは徒歩で行けます。観光辻馬車やレンタサイクルもあります。博多からは特急ゆふいんの森が直通しています。
Q由布院温泉の湯はどんな泉質ですか?
単純温泉が中心で、刺激が少なくやわらかい湯です。草津のような強い個性で押してくる湯ではありません。源泉の数と湧出量は全国でも上位にあり、量に恵まれた温泉地です。肌の弱い方や長く浸かりたい方に向いています。
由布院温泉の宿

亀の井別荘
1921年(大正10年)由布院の別荘として建てられ、のちに旅館となった宿。由布院が歓楽街化を避けて今の姿を選んだ、その中心にあった。

由布院温泉 玉の湯
雑木林のなかに離れが点在する宿。亀の井別荘とともに、由布院が大型化を選ばなかった時代の中心にあった。
UPDATED 2026.08.13


