鉄輪温泉と明礬温泉、別府八湯の坂の上と下
同じ別府の山手にある二つの地区。坂を上がると明礬、下りると鉄輪。バスで10分ほどしか離れていないのに、湯の色も、街の作りも、名物もまるで違う。

鉄輪温泉
大分県
別府八湯のひとつ。建治2年(1276年)に一遍上人が地獄を鎮めて湯治場を開いたと伝わる、別府でいちばん湯治場の空気が濃い地区。路地のあちこちから蒸気が上がり、側溝からも湯気が立つ。この景観は2012年に「別府の湯けむり・温泉地景観」として国の重要文化的景観に選ばれた。98度前後の蒸気で食材を蒸す地獄蒸しと、石菖を敷いた石室に横たわる鉄輪むし湯が名物。自炊して長く泊まる貸間の形も残る。別府駅からバスで20〜30分。

明礬温泉
大分県
別府八湯のうち最も高い場所にある地区で、伽藍岳の中腹の斜面に湯の花小屋が並ぶ。江戸時代に明礬を作っていたことが地名の由来で、噴気と青粘土から湯の花の結晶を採る製法は2006年3月15日に国の重要無形民俗文化財「別府明礬温泉の湯の花製造技術」に指定された。湯は青みを帯びた乳白色の硫黄泉。1875年創業の岡本屋旅館は酸性・含硫黄-単純温泉を自噴源泉から加水も加温もせずかけ流す。高台から別府湾を見下ろせる。別府駅からバスで30分。
数字で比べる
| 項目 | 鉄輪温泉 | 明礬温泉 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 大分県 | 大分県 |
| 泉質 | 塩化物泉・単純温泉 | 硫黄泉・酸性泉 |
| 東京から | 約3時間 | 約3時間 |
| 大阪から | 約2時間30分 | 約2時間30分 |
| 最寄り | JR日豊本線 別府駅(亀の井バス約20〜30分、鉄輪下車)/大分道 別府IC(車約5分) | JR日豊本線 別府駅(バス約30分)/大分道 別府IC(車約7分) |
| 日帰りで入れる湯 | 鉄輪むし湯/地獄蒸し工房 鉄輪/血の池地獄・龍巻地獄 | 湯の花小屋(みょうばん湯の里)/別府明礬橋/鶴見岳・別府ロープウェイ |
| 掲載している宿 | 2軒 | 2軒 |
所要時間は主要な経路の目安です。「—」は当サイトで確認できていない項目です。
性格の違い
湯
鉄輪温泉ナトリウム-塩化物泉。無色で熱い
明礬温泉酸性・含硫黄-単純温泉。青みを帯びた乳白色
名物
鉄輪温泉地獄蒸しと石菖の蒸し湯。700年の湯治場
明礬温泉湯の花小屋。国の重要無形民俗文化財
街の姿
鉄輪温泉路地から蒸気。国の重要文化的景観
明礬温泉斜面に藁葺きの小屋。別府湾を見下ろす
泊まり方
鉄輪温泉貸間で自炊して長く。小さな宿が多い
明礬温泉高台の宿で白い湯に浸かる
どちらを選ぶか
両方行くならバスは明礬を通って鉄輪へ下りる。上から下へ順に回れば、一日で二つの湯に入れる。
それぞれの宿
- 旅館みゆき屋大分県別府市鉄輪東、湯けむりの立つ路地にある全12室の宿。館内のいたるところに骨董のコレクションが飾られ、昭和の風情を残す。二つの貸切露天風呂と内湯の三つの湯はすべて源泉かけ流し。内湯には蒸し湯が付き、鉄輪では地下からの蒸気を使うのが一般的なところを、この宿は温泉そのものを流して湯から立ち上る蒸気で蒸し湯を作っている。冬はザボンなどのみかん湯になる。別府駅からバスで20〜30分、バス停からすぐ。
- かんなわ ゆの香鉄輪の10室の宿。約60度で注がれる掛け流しの湯が41〜42度で湯船を満たす。pH4.0、メタケイ酸109mg/kg と宿は数値を出す。無料の貸切風呂が2つ。看板猫が5匹いる。バス停「鉄輪」から徒歩0分。
- 別府 御宿 ゑびす屋明礬の9室の宿。併設の温浴施設「湯屋えびす」に硫黄泉と単純泉の2種類があり、硫黄泉で洗って単純泉でリンスする入り方を宿は勧める。家族露天風呂5室は宿泊者は無料。明礬バス停から徒歩3分。
- 岡本屋旅館大分県別府市明礬、1875年(明治8年)創業の全15室の宿。150年にわたって明礬の湯とともに歩んできたと公式サイトは書く。泉質は硫黄泉、酸性・含硫黄-単純温泉(硫化水素型)で、青磁にも喩えられる青みを帯びた乳白色の湯。自噴する源泉を加水も加温もせず100パーセントかけ流している。男湯は大露天風呂・岩風呂・大浴場、女湯は露天風呂・檜風呂・岩風呂。庭園の露天からは季節の花が見え、冬はザボンの湯になる。立ち寄り入浴は行っていない。
よくある質問
Qどちらが別府駅から近いですか?
鉄輪です。バスで20〜30分、明礬はさらに上がって約30分になります。
Q日帰りで湯の花小屋を見られますか?
見学できる施設が明礬にあります。小屋の中に入って製法の説明を受けられ、湯の花も買えます。