甲子温泉と板室温泉、静かな湯治の湯を比べる
那須連山を挟んで南北にある二つ。甲子温泉は阿武隈川の上流の一軒宿で、立って入る大岩風呂が看板。板室温泉は那珂川の上流にある静かな温泉地で、「下野の薬湯」と呼ばれてきた。どちらも派手さがない。

甲子温泉
福島県
福島県西白河郡西郷村、阿武隈川の上流の谷にある一軒宿の温泉。白河藩主の松平定信が愛した湯として知られ、定信の別荘だった建物が今も離れとして使われ、西郷村の重要文化財になっている。看板は大岩風呂で、縦5メートル、横15メートル、深さ最大1.2メートル。鳥居の形の湯口から44〜45度の湯が流れ込み、岩盤の足元からは31〜34度の湯がじんわり自噴する。1号源泉も2号源泉も加水・加温なしの源泉かけ流し。日本秘湯を守る会の会員宿。

板室温泉
栃木県
那須連山の西端、清流那珂川の上流沿いにある山あいの静かな温泉地。康平2年(1059年)に那須三郎宗重が鹿狩りで山奥に入り見つけたと伝わり、効能の高さから「下野の薬湯」と呼ばれる。37度から45度のアルカリ性単純温泉で、昭和46年に国民保養温泉地に指定された。湯治客が納めた杖が温泉神社に並び「杖いらずの湯」とも。綱につかまって立ったまま深い浴槽に浸かる「綱の湯」がこの土地の入り方で、日光国立公園の標高550メートルにある。
数字で比べる
| 項目 | 甲子温泉 | 板室温泉 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 福島県 | 栃木県 |
| 泉質 | 単純温泉・硫酸塩泉 | 単純温泉 |
| 東京から | 約2時間30分 | 約2時間 |
| 大阪から | 約6時間 | — |
| 最寄り | JR新白河駅(宿の無料送迎バス14時発)/東北道 白河IC(車約40分) | 東北新幹線 那須塩原駅(車約30分) |
| 日帰りで入れる湯 | 甲子大橋・雪割橋/南湖公園(松平定信が造った公園)/白河小峰城 | 板室健康のゆグリーングリーン(市営日帰り温泉、綱の湯と露天風呂)/板室温泉神社/板室自然遊学センター |
| 掲載している宿 | 1軒 | 2軒 |
所要時間は主要な経路の目安です。「—」は当サイトで確認できていない項目です。
性格の違い
湯
甲子温泉1号源泉は単純温泉、2号源泉は硫酸塩温泉。加水加温なし
板室温泉アルカリ性単純温泉。ぬるめでやわらかい
風呂
甲子温泉深さ1.2メートルの大岩風呂。足元から自噴
板室温泉宿ごとの内湯。ゆっくり浸かる湯治の形
歴史
甲子温泉白河藩主の松平定信が愛した。別荘が離れとして残る
板室温泉1059年発見と伝わる。下野の薬湯
行き方
甲子温泉新白河駅から宿の送迎バス(14時)
板室温泉那須塩原駅からバス約35分
どちらを選ぶか
両方行くならどちらも東北道沿い。白河ICと那須ICは隣同士なので、二泊で静かな湯を続けられる。
それぞれの宿
- 大黒屋創業475年を掲げる「保養とアートの宿」。40度前後のぬるめのアルカリ性単純泉を源泉かけ流しで、那珂川のせせらぎを聞く露天の湯、陽光を浴びるたいようの湯、ひのきの湯の三つ。現代美術作家・菅木志雄の倉庫美術館を併設し、毎月展覧会を開く。客室は梅の館・松の館・竹の館の31室で全室南向き、食事は部屋でごま・豆・昆布を土台にした料理を出す。那須塩原駅から予約制の相乗り送迎タクシーで30分。
- 奥那須・大正村 幸乃湯温泉板室温泉の41室の宿。源泉100%かけ流しを掲げ、畳を敷いた大浴場、かやぶきの全天候型露天風呂、高さ4メートルのうたせ湯「大滝の湯」などがある。日帰り入浴も湯治プランも一人旅プランもある。那須塩原駅から無料バスで約25分。
よくある質問
Q大岩風呂は混浴ですか?
混浴です。ただし女性専用の時間帯が朝5時から7時と夜19時から21時に設けられています。
Qどちらも秘湯を守る会の宿ですか?
甲子温泉の旅館大黒屋と板室温泉の大黒屋は、どちらも日本秘湯を守る会の会員宿です。名前は同じですが別の宿です。