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中庭に源泉がある
ホテル河内屋は静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂。青野川沿いの温泉地にある。
この宿の特徴は、源泉が敷地のなかにあることだ。公式サイトは温泉を「天然温泉(敷地内源泉)」とし、源泉の深さを26メートルとしている。
26メートルというのは浅い。下賀茂温泉には深いものから浅いものまで多くの井戸があり、宿ごとに深さが違う。
源泉温度は90度まで。日本温泉協会の施設情報では81.1度と記録されている。測る時期や場所で振れるのだろうが、いずれにせよそのままでは入れない温度だ。
水を足さずに冷ます
熱すぎる湯をどうするか。伊豆の高温泉の宿はどこもこの問題を抱えている。
いちばん簡単なのは水を足すことだ。だがそれをすると温泉が薄まる。
河内屋は2011年の初夏に別の方法を入れた。「湯雨竹(ゆめたけ)」という竹製の冷却装置である。
公式サイトの説明を引く。「90℃と高温でそのままでは入浴することができない源泉のお湯を、温泉の”泉質”や”鮮度”を損なうことなく加水なしで冷ますことができる竹製装置。源泉のお湯をヒノキの樋に入れてあふれ、こぼれ出たお湯は竹枝を伝って水滴状に。『物干し型ユニット』の段数を調節することで温度も調節できます」。
湯を水滴にして空気に触れさせる。段数を増やせばもっと冷える。電気も薬剤も使わない。
そして宿はこう書いている。「今まで源泉が熱すぎてお水を入れて温度調整していた毎日がうそのよう。夢だった100%源泉かけ流しが実現しました」。
以前は加水していた、と自分で書いている。何を変えたのかがはっきりわかる書き方だ。
四つの湯船
浴場は男女それぞれに二つずつある。
殿方大浴場は「賀茂」と「宇治」。宇治が露天で、伊豆石を使っている。
婦人方大浴場は「桂」と「貴船」。貴船が露天で、こちらも伊豆石を基調にしている。桂は南向きで手すりが付く。
利用は15時から翌朝9時30分まで。22時に男女が入れ替わるので、一泊すれば四つとも入れる。
日本温泉協会の施設情報では露天風呂数2。
塩が強い湯
下賀茂温泉の泉質は塩化物泉で、宿はナトリウム・カルシウム塩化物泉と表示している。
公式サイトは「塩分がとても強い温泉です」と書く。塩分の強い湯は肌に膜を作り、熱を逃しにくくする。湯冷めしにくい。
一方で、塩が強いぶん肌への当たりもある。長湯には向かない性質の湯だ。
宿のサイトには効能についてかなり踏み込んだ記述がある。効き方は人によるので、そこは宿の説明として読んでほしい。体のことで気になることがあれば医師に確かめたい。
手すりと、ひとり泊
日本温泉協会の施設情報を見ると、この宿は間口が広い。
日帰入浴可、時間は14時から20時。素泊まり可。1名宿泊可。
婦人方大浴場の「桂」には手すりがある、と公式サイトは書いている。細かいことだが、書いてあると判断材料になる。
客室数は日本温泉協会が24室、楽天トラベルが22室と登録している。数字に少し差がある。
伊豆の南端に泊まる
下賀茂温泉は伊豆半島の最南端、南伊豆町にある。青野川沿いの静かな温泉地で、大きな温泉街はない。
早春には青野川沿いに河津桜と菜の花が咲き、この時期だけ町が混む。それ以外は人が少ない。
弓ヶ浜までは車で10分ほど、石廊崎へも20分ほど。海へ出る拠点になる。
食事は金目鯛の煮付けや伊勢海老といった伊豆の魚が中心だと宿は登録している。
着くまで
伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの下賀茂行きで約25分。送迎バスがある。
車なら東名高速の沼津IC、新東名の長泉沼津ICから約90キロ。伊豆半島を縦断する距離なので、時間には余裕を見ておきたい。駐車場は40台で無料。
チェックインは15時から18時まで、チェックアウトは10時。
桜の時期は町全体が混む。二月から三月に泊まるなら、早めに押さえたい。
ホテル河内屋のよくある質問
Q湯雨竹とは何ですか
源泉を加水せずに冷ます竹製の装置です。公式サイトはこう説明しています。「90℃と高温でそのままでは入浴することができない源泉のお湯を、温泉の”泉質”や”鮮度”を損なうことなく加水なしで冷ますことができる竹製装置。源泉のお湯をヒノキの樋に入れてあふれ、こぼれ出たお湯は竹枝を伝って水滴状に。『物干し型ユニット』の段数を調節することで温度も調節できます」。2011年初夏に導入したとしています。
Qかけ流しですか
宿は100パーセント源泉かけ流しとしています。以前は水を足して温度を調整していたが、湯雨竹の導入でそれをやめたと公式サイトに書いています。加水なしで冷ますという点がこの宿の要です。
Q源泉はどこにありますか
敷地内の中庭です。公式サイトは温泉を「天然温泉(敷地内源泉)」とし、源泉温度は90度まで、源泉の深さは26メートルとしています。日本温泉協会の施設情報では泉温81.1度。浴槽のすぐ近くに源泉があることになります。
Qお風呂の構成を教えてください
大浴場が男女それぞれにあり、どちらにも露天が付きます。殿方大浴場は伊豆石を使った露天「宇治」と大浴場「賀茂」、婦人方大浴場は伊豆石を基調にした露天「貴船」と手すりのある大浴場「桂」。利用は15時から9時30分までで、22時に男女入れ替えになります。
Q日帰りやひとり泊はできますか
できます。日本温泉協会の施設情報では日帰入浴可で時間は14時から20時、素泊まり可、1名宿泊可となっています。
Qアクセスを教えてください
伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの下賀茂行きで約25分の一帯です。車なら東名高速の沼津IC、新東名の長泉沼津ICから約90キロ。駐車場は40台で無料。送迎バスがあります。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

鉛温泉 藤三旅館
岩手県1786年立ったまま入る深さ1.25メートルの「白猿の湯」を持つ宿。総けやき造りの本館に四つの浴場があり、宿は源泉5本を加熱も加水も循環もせずに使うと書く。旅館部と自炊の湯治部が同じ建物にあり、湯治の形が今も生きている。32室。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

壁湯天然洞窟温泉旅館 福元屋
大分県大分県玖珠郡九重町大字町田62-1、壁湯温泉の一軒宿。町田川の岸の岩壁にできた洞窟が、そのまま浴槽になっている。宿は300年以上前から自噴していると書く。日本秘湯を守る会の会員で、登録情報では泉質は単純温泉、源泉温度39度、湧出量は毎分1370リットル、加温は貸切湯のみ一部。浴場は五つ。客室は8室から9室の小さな宿で、日帰り入浴も受ける。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
