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伊豆のいちばん南
下賀茂温泉は静岡県賀茂郡南伊豆町。伊豆半島の最南端にある温泉地だ。
日本温泉協会の紹介は短い。「伊豆最南端に位置する温泉地。青野川沿いにあり、自然環境が良い。高温の温泉が豊富に自噴している」。
静岡県温泉協会も「伊豆半島の最南端、青野川沿いの静かな温泉地」と書く。
伊豆の東海岸を南下すると、熱川、稲取、今井浜、河津、下田と温泉地が続く。下田からさらに西へ回り込んだ先が南伊豆町で、下賀茂はその中心にある。
海沿いではなく、川沿いだ。青野川という川に沿って宿が並んでいる。
熱すぎる湯
下賀茂温泉の特徴は、湯が熱いことである。
宿によっては源泉温度が90度前後ある。日本温泉協会の施設情報では、ある宿の泉温を81.1度としている。
90度は、そのままでは絶対に入れない。各宿が冷ます工夫をしている。かつては水を足すのが普通だったが、それをすると温泉が薄まる。
加水せずに冷ます方法を入れた宿もある。竹の枝を伝わせて湯を水滴にし、空気に触れさせて温度を下げる装置だ。高温泉の多い土地では、こうした仕組みが実際に使われている。
熱い湯が豊富に自噴する、というのは資源としては恵まれている。ただし扱いには手間がかかる。
メロンを育てる熱
高温泉のもうひとつの使い道が農業だ。
静岡県温泉協会は下賀茂温泉について「高温の温泉熱を利用したメロンや花の栽培も行っている」と書いている。
温室の加温に温泉の熱を使う。燃料を焚かずに温度を保てるので、この土地では古くから行われてきた。
温泉が農業の基盤になっている温泉地は全国にいくつかあるが、メロンまで作っている例は多くない。町を歩くと温室が目につく。
湯けむりが上がる景色のなかに、ビニールハウスが混じっている。それが下賀茂の風景だ。
二月の桜と菜の花
下賀茂がいちばん賑わうのは冬の終わりである。
静岡県温泉協会は「早咲きの河津桜と菜の花を見にツアー客が大勢訪れる」と書く。
青野川沿いに河津桜の並木があり、その足元に菜の花が咲く。ピンクと黄色が同時に並ぶ景色は、この土地でしか見られない組み合わせだ。
例年2月から3月。開花は年によって前後する。まつりの期間は道も宿も混むので、早めに押さえたほうがいい。
河津町の桜並木は川の両岸に続く長い並木だが、下賀茂は菜の花との取り合わせで知られている。同じ河津桜でも、見え方が違う。
静かな温泉地
下賀茂には、大きな温泉街がない。
青野川沿いに宿が点在し、あいだに温室と民家が混じる。土産物屋の通りも、ネオンもない。
静岡県温泉協会が「静かな温泉地」と書くとおりだ。桜の時期を外せば、人はあまりいない。
伊豆の温泉地としては、観光地化がいちばん進んでいない部類に入る。熱海や伊東とは町の作りが違う。
湯そのものと、季節の花と、海と山。それだけで組み立てる場所である。
海へ出る
下賀茂は川沿いにあるが、海はすぐ近い。
弓ヶ浜までは車で10分ほど。白い砂の弧を描く浜で、遠浅で波が穏やかだ。
伊豆半島の南端である石廊崎へも車で20分ほど。断崖の上に灯台と神社が立っている。
西へ回れば妻良や子浦といった小さな漁港があり、夏はダイビングや磯遊びの人が来る。
下賀茂に泊まって、日中は海へ出る。そういう組み立てが素直だ。
着くまで
伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの下賀茂行きで約25分、終点で降りる。
車なら東名高速の沼津ICから国道414号・136号経由で約80キロ、120分ほどと日本温泉協会は案内している。伊豆半島を縦断する道なので、時間には余裕を見ておきたい。
新東名の長泉沼津ICからも同じくらいの距離だ。
東京から電車で3時間30分ほど。伊豆の温泉地のなかではいちばん遠い部類に入るが、そのぶん人が少ない。
下賀茂温泉の日帰り入浴
- 弓ヶ浜
- 石廊崎
- みなみの桜と菜の花まつりの会場
南伊豆町は伊豆半島の最南端にあたる。海と川の両方が近い。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
冬・春
- 所在地Location
- 静岡県
- 泉質Spring Quality
- 塩化物泉
- 最寄駅Nearest Station
- 伊豆急行 伊豆急下田駅(東海バス下賀茂行き約25分、終点下車)/東名高速 沼津IC(車約120分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約3時間30分
- 大阪からFrom Osaka
- 約6時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
下賀茂温泉のよくある質問
Q下賀茂温泉はどこにありますか
静岡県賀茂郡南伊豆町、伊豆半島の最南端です。日本温泉協会は「伊豆最南端に位置する温泉地。青野川沿いにあり、自然環境が良い。高温の温泉が豊富に自噴している」と書いています。伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの下賀茂行きで約25分、終点で降ります。
Q湯が熱いと聞きました
熱いです。宿によっては源泉温度が90度前後あります。日本温泉協会の施設情報では、ある宿の泉温を81.1度としています。そのままでは入れないので、各宿が冷ます工夫をしています。加水せずに冷ます竹製の装置を入れている宿もあります。
Q泉質を教えてください
日本温泉協会は塩化物泉、静岡県温泉協会はナトリウム-塩化物泉としています。宿によってはナトリウム・カルシウム塩化物泉と表示しています。塩分が強いので体が温まりやすく、湯冷めしにくい湯です。泉質別適応症として、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症が挙げられています。
Qメロンを作っているというのは本当ですか
本当です。静岡県温泉協会は下賀茂温泉について「高温の温泉熱を利用したメロンや花の栽培も行っている」と書いています。温室の加温に温泉の熱を使う方式で、高温泉が豊富な土地ならではの使い方です。
Q桜はいつ見られますか
例年2月から3月です。静岡県温泉協会は「早咲きの河津桜と菜の花を見にツアー客が大勢訪れる」と書いています。青野川沿いの並木で、ピンクの桜と黄色い菜の花が同時に見られるのがこの土地の特徴です。開花は年によって前後するので、南伊豆町の案内を見てから日を決めてください。
Q海は近いですか
近いです。弓ヶ浜までは車で10分ほど。下賀茂温泉は川沿いの内陸にありますが、南伊豆町の海岸線はすぐそこです。石廊崎や妻良、子浦へも車で回れます。
ほかの温泉地と比べる
下賀茂温泉の宿

源泉一途 南伊豆
下賀茂温泉の39室の宿。「九条」「大福」二つの自家源泉から最高71.4度、毎分約230リットルが湧くと宿は書く。二つの大浴場と10か所の貸切風呂を持つ。2026年6月に「源泉一途 南伊豆」として開業した。下田駅から車で15分、毎日無料送迎あり。

ホテル河内屋
静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂、敷地内の中庭に自家源泉を持つ宿。源泉は90度近くあるが、2011年に竹製の冷却装置「湯雨竹」を入れて加水せずに冷ます方式にし、100パーセント源泉かけ流しを実現したと公式サイトは書く。大浴場は男女それぞれに露天が付き、22時に入れ替わる。日本温泉協会の施設情報では日帰入浴可、素泊まり可、1名宿泊可。伊豆急下田駅から車で約30分。
UPDATED 2026.09.25


