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札幌の市街地から車で一時間。ビルが途切れ、豊平川が渓谷を刻みはじめたあたりに温泉街がある。行政上はまだ札幌市内である。
川のすぐ横で湯に入る
露天風呂が豊平川に面している。
湯に浸かると、目の高さのすぐ先を水が流れている。川の音が絶えず聞こえる。雨の翌日は水量が増えて音が変わり、渇水期には岩が現れる。同じ湯船なのに、来るたびに景色が違う。
定山渓の湯はナトリウム-塩化物泉である。塩分を含むので肌に膜ができ、湯上がりに熱が逃げにくい。北海道の冬、露天風呂から上がっても体が冷めないのはこの性質による。
宿は75度の源泉をかけ流しにしていると書いている。加水や循環についての記載は見当たらない。
日帰り入浴も受け入れている。
札幌の奥座敷
大都市に隣接しながら、渓谷に入った瞬間に景色が変わる。この距離感がこの温泉地の性格を決めている。
札幌に滞在しながら半日だけ温泉に行く、という使い方ができる温泉地は多くない。新千歳空港から札幌経由で向かえば、北海道旅行の初日や最終日にも組み込める。
温泉街には無料の足湯や手湯が点在し、かっぱ伝説にちなんだ像があちこちに置かれている。探しながら歩くと子ども連れでも退屈しない。
秋に来る
定山渓の見どころは秋に集中する。
例年10月上旬から中旬、渓谷全体が色づく。市街地より標高が高いため、札幌の紅葉より早い。二見吊橋から見下ろす渓谷と、少し足を延ばした豊平峡ダム周辺が主な観賞地になる。
この宿を選ぶなら
札幌からの近さを生かしたい方に向く。札幌駅前から直通バスが出ているので車がなくても不自由しない。
翌日に豊平峡ダムへ、あるいは中山峠を越えて洞爺・ニセコ方面へ抜ける行程が組める。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

二岐温泉 大丸あすなろ荘
福島県江戸時代から大丸屋として旅籠を営む二岐山の麓、二岐川沿いに建つ日本秘湯を守る会の会員宿。江戸時代から大丸屋として旅籠を営んできた老舗で、六つの源泉をすべてかけ流しで使う。名物は川床の岩盤の亀裂から湯が自噴し、水流で削られた三つの甌穴の底から湧く「自噴泉甌穴岩風呂」。川面に手が届きそうな渓流露天風呂と、露天風呂付きの客室6室を含む全24室。日帰り入浴は11時から14時30分。新白河駅から1日1便の予約制バスが出る。

武田尾温泉 紅葉舘 別庭 あざれ
兵庫県武田尾温泉の12室の宿。武庫川の渓谷沿いに全室一戸建ての離れが並び、どの部屋にも源泉かけ流しの半露天風呂が付く。大浴場「かわせみの湯」「やませみの湯」にも源泉かけ流しの露天風呂がある。泊食分離で、食事は茶寮「心」。武田尾駅から徒歩5分。

奥道後 壱湯の守
愛媛県本館は建築家・根津耕一郎の1967年の作品石手川の渓谷に沿って横長に建つ、奥道後温泉の一軒宿。pH9.4のアルカリ性単純硫黄泉を38度から42度に加温してかけ流し、男女各7種の浴槽、約千畳の大露天風呂「翠明の湯」から杉立山を見る。趣向の違う五つの貸切露天風呂、1階の川床露天風呂付き特別客室は源泉100%かけ流し。根津耕一郎設計の1967年の本館は2020年に耐震工事を終え、150メートルのガラス張りのロビーから渓谷を見る。会席とビュッフェ。日帰り入浴は15時から20時。道後温泉駅から宿泊者は無料送迎。
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