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湖の北岸に、温泉街がある
松江しんじ湖温泉は島根県松江市、宍道湖の北側の湖畔に面している。
温泉地としての条件は特殊だ。県庁所在地の市街地であり、国宝の城が歩いて行ける距離にあり、目の前に日本で七番目に大きい湖がある。山の中の湯治場とは成り立ちがまるで違う。
松江しんじ湖温泉旅館協同組合は「宍道湖の北側の湖畔に面した温泉街に、八つの宿が並んでいます」と書く。湖に沿って宿が並び、そのあいだに足湯と地蔵がある、という構えである。
地下千二百五十メートルから、七十七度
湯の出方が、この温泉地の性格をよく表している。
松江観光協会はこう書いている。「効能豊富な高温(77度)の天然温泉が湧き出します」「地下1,250m以上から湧き出す湯元」。
自然に湧いているのではない。深く掘って当てた湯だ。だから古い開湯伝説はなく、温泉街としての歴史も長くない。
かわりに、湯は熱く、量がある。松江観光協会は、豊富な湯が町なかの足湯施設にも使われていると書いている。
成分については、皆美館が公表しているものが詳しい。源泉名は松江しんじ湖温泉、泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉、無色透明で微塩味、弱い硫化水素臭。泉温は約77度。
出雲大社へ行く電車の、始発駅
温泉街の端に、一畑電車の松江しんじ湖温泉駅がある。
この駅が出雲大社方面へ向かう電車の始発駅だ。島根県公式観光サイトは「出雲大社へも最寄りの松江しんじ湖温泉駅から向かうことができます(一畑電車で約60分)」と書いている。
温泉街に泊まって、朝の電車で出雲大社へ向かい、夕方に戻る。この組み立てができるのが、この温泉地の実用的な価値である。
駅には足湯が併設されている。電車やバスの待ち時間に使えると松江観光協会は書くが、月・火・木・土の6時から10時頃までは清掃のため使えない。
足湯が二つと、地蔵が一体
もう一つの足湯は温泉街のなかにある。松江観光協会は「双子のだんだん大黒が出迎えてくれます」と書く。利用時間は9時から21時。
湯元にはお湯かけ地蔵が立っている。旅館協同組合の説明を引く。「可愛らしい赤頭巾と、前掛けが特徴です。地下1,250m以上から湧き出す温泉の恵みに感謝して建てられました」。
お湯をかけて手を合わせると、幸せ、子孫繁栄、家族の健康維持・回復に御利益があるといわれる。お地蔵様の後ろでは温泉卵も作れるが、卵とネットは持参が要る。
温泉街を歩くと、宍道湖七珍をかたどったレリーフにも出会う。宍道湖を代表する七つの湖の幸だ。全部見つけるつもりで歩くと、温泉街の端から端まで自然に回ることになる。
小泉八雲が愛した眺め
宍道湖の眺めについては、松江観光協会が名前を挙げている。「四季折々に変化する宍道湖の眺望は文豪小泉八雲がこよなく愛した」。
小泉八雲——ラフカディオ・ハーンは、明治のはじめに松江で英語教師をしていた。この町の風景を書き残し、その記述が今も松江の観光の芯になっている。
宍道湖の夕日は、松江でもっとも有名な景色だ。湖の西に日が沈むので、北岸の温泉街からは横から見る形になる。湖岸に出て、嫁ヶ島の向こうに落ちる日を待つ。それだけで夕方の予定が埋まる。
城と湖のあいだに泊まる
国宝松江城は、温泉街から歩ける距離にある。堀川めぐりの舟も出ている。小泉八雲記念館と武家屋敷も城の北側に並ぶ。
つまり、この温泉地に泊まるというのは、松江の市街地に泊まるということだ。夜に出歩けるし、朝は城の開門に合わせて動ける。
温泉情緒を求めて行く場所ではない。浴衣で歩く石畳の通りもなければ、外湯めぐりもない。そのかわり、湯のある宿から城と湖と出雲大社に手が届く。
山陰の旅を組み立てるとき、どこを拠点にするかで迷うことがある。松江しんじ湖温泉は、その答えのひとつとしてよくできている。
松江しんじ湖温泉の日帰り入浴
- 国宝松江城
- 宍道湖の夕日
- 小泉八雲記念館
- 出雲大社
出雲大社へは松江しんじ湖温泉駅から一畑電車で約60分。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
77℃高温泉
2060100℃
春・秋・冬
- 所在地Location
- 島根県
- 泉質Spring Quality
- 硫酸塩泉・塩化物泉
- 最寄駅Nearest Station
- 一畑電車 松江しんじ湖温泉駅。JR松江駅から車で約10分
- 東京からFrom Tokyo
- 羽田から出雲縁結び空港か米子鬼太郎空港へ飛び、そこから車かバス。
- 大阪からFrom Osaka
- 新幹線で岡山へ出て、特急やくもでJR松江駅へ。そこから車かバスで約10分。
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
松江しんじ湖温泉のよくある質問
Q泉質と源泉温度を教えてください
松江観光協会は「効能豊富な高温(77度)の天然温泉」「地下1,250m以上から湧き出す湯元」と書いています。皆美館が公表している成分は、源泉名が松江しんじ湖温泉、泉質がナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉(無色透明微塩味、弱硫化水素臭)、泉温は約77度です。日本温泉協会の温泉地情報では泉質を硫酸塩泉としています。
Q足湯はありますか
二か所あります。松江観光協会によると、一畑電車の松江しんじ湖温泉駅に併設された足湯と、温泉街のなかにある「双子のだんだん大黒」の足湯です。駅の足湯は月・火・木・土の6時から10時頃まで清掃のため使えず、だんだん大黒の足湯は9時から21時と案内されています。
Q宿はいくつありますか
松江しんじ湖温泉旅館協同組合は「宍道湖の北側の湖畔に面した温泉街に、八つの宿が並んでいます」と書いています。湖に面した立地を活かした宿が多く、部屋や浴場から宍道湖を見られるところがあります。
Qお湯かけ地蔵とは何ですか
湯元に立つお地蔵様です。旅館協同組合は「可愛らしい赤頭巾と、前掛けが特徴です。地下1,250m以上から湧き出す温泉の恵みに感謝して建てられました」と書き、お湯をかけて手を合わせると幸せ、子孫繁栄、家族の健康維持・回復に御利益があるといわれるとしています。お地蔵様の後ろでは温泉卵も作れますが、卵とネットは持参が要ります。
Q松江観光の拠点になりますか
なります。島根県公式観光サイトは「国宝松江城や松江市街地へのアクセスが良く松江観光に便利なのはもちろん、出雲大社へも最寄りの松江しんじ湖温泉駅から向かうことができます(一畑電車で約60分)」と書いています。温泉地としてより、松江と出雲を回る拠点として使われることが多い温泉街です。
ほかの温泉地と比べる
松江しんじ湖温泉の宿

松江しんじ湖温泉 皆美館
明治21年(1888年)5月、皆美清太郎が「皆美」の屋号で開いたと宿は書いている島根県松江市末次本町14、宍道湖の湖畔に建つ全19室の老舗旅館。明治21年の創業で、芥川龍之介、川端康成、小泉八雲、志賀直哉ら多くの文人が滞在した。昭和2年に島崎藤村が泊まった部屋は「藤村の間」として当時のまま保存されている。樹齢300年の松と宍道湖を借景にした庭園を持つ。4階のレイクビュースイートルーム全4室には宍道湖を一望できる展望温泉風呂がある。家伝の「鯛めし」で知られる。

松江しんじ湖温泉 なにわ一水
宍道湖畔の23室の宿。巨大な天然岩石をつらねた渓谷風の露天風呂があり、築山の庭を眺められる。松江駅から車で約10分。
UPDATED 2026.09.24

