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茅葺きの下に、湯がある
分家は福島県岩瀬郡天栄村湯本居平7。二岐山の麓、岩瀬湯本温泉の集落にある。
この宿を説明するのに、まず屋根の話から入らざるを得ない。茅葺きである。
宿は「茅葺き屋根に守られた築150年古民家の宿」と書く。創業は天保12年、西暦でいえば1841年。江戸時代の後期だ。
茅葺きの屋根は、定期的に葺き替えないと保たない。手間も費用もかかる。だから全国で数が減り続けている。それを宿として維持しているというのは、それ自体がひとつの選択である。
総ひのきの風呂
建物が古いぶん、風呂は木でできている。
宿は「ひのき風呂の香りと掛け流しの塩化物泉の効果で心身共に癒やされる時間」と書き、楽天トラベルには「茅ぶき屋根に守られた、築130年の古民家のお風呂は、男女別の総ひのき風呂」と登録している。
建物の年数は公式が築150年、楽天の紹介文が築130年と分かれる。記載の食い違いはあるが、百年を超えているという点は変わらない。
総ひのき、というのは浴槽だけでなく周りも木でできているという意味だ。湯の熱で木が温まり、香りが立つ。石やタイルの風呂とは、入ったときの感触がまるで違う。
掛け流しの塩化物泉
湯は塩化物泉。宿は掛け流しと書いている。加水や循環についての記載は見当たらない。
塩化物泉の特徴について、宿はこう書く。「湯上がり後が更にポカポカするのが特徴」。
塩の成分が体の表面に薄い膜を作り、熱が逃げるのを抑える。東北の山あいで、冬の湯治に使われてきた湯である。
効能について宿は神経痛、冷え性、糖尿病などを挙げているが、これは宿の言葉として受け取っておきたい。効き方は人によるし、持病があれば医師に確かめるのが先だ。
四室、あるいは五室
客室について、公式サイトは「趣の異なる4室の客室」としている。楽天トラベルの施設情報では5室。
どちらにせよ、数室の宿である。古民家をそのまま使っているので、部屋ごとに間取りも天井の高さも違う。「趣の異なる」というのは、造りが揃っていないということでもある。
大きな宿の均質な部屋とは逆の性質だ。どの部屋になるかで泊まり心地が変わる。
里山のものを出す
食事について、宿は里山の食材を使うと案内している。楽天トラベルの紹介文にも「里山の御馳走は四季の味覚満載」とある。
山菜、きのこ、川の魚。二岐山の麓の集落で採れるものが、そのまま膳に乗る。
茅葺きの家で、ひのきの風呂に入り、山のものを食べて寝る。建物と湯と食事が同じ土地の産物で揃っている宿は、実は多くない。
行き方に段取りが要る
公共交通で行く場合、少し準備がいる。
宿はJR新白河駅から「湯ったりヤーコン号」というバスで50分と案内しているが、これは要予約である。当日ふらりと乗れるものではない。
車なら東北自動車道の白河ICか須賀川ICから約50分。駐車場は宿前に2台、国道沿いに8台の計10台分で、先着順。
山あいなので、冬は雪が積もる。茅葺きの屋根に雪が乗った姿は冬にしか見られないが、たどり着くための時間も冬にしか要らない分だけ余計にかかる。
岩瀬湯本温泉 ひのき風呂の宿 分家のよくある質問
Q建物はいつのものですか
宿は「天保12年創業築150年の古民家」「茅葺き屋根に守られた築150年古民家の宿」と書いています。天保12年は1841年です。茅葺き屋根の建物が宿としてそのまま使われている例は、全国でも数が減っています。
Qお湯はかけ流しですか
宿は「ひのき風呂の香りと掛け流しの塩化物泉の効果で心身共に癒やされる時間」と書いています。加水や循環についての記載は見当たりません。楽天トラベルの紹介文にも「肌触りのいい木の湯船から流れ出ているお湯は、塩化物泉で、湯上がり後が更にポカポカするのが特徴」とあります。
Qお風呂はどんな造りですか
男女別の総ひのき風呂です。宿は「茅ぶき屋根に守られた、築130年の古民家のお風呂は、男女別の総ひのき風呂」と楽天トラベルに登録しています。建物の年数は公式サイトが築150年、楽天の紹介文が築130年と記載が分かれますが、いずれにせよ百年を超える古民家です。
Q何室ありますか
公式サイトは「趣の異なる4室の客室」としています。楽天トラベルの施設情報では5室となっており、記載が分かれます。いずれにせよ数室の小さな宿です。
Qどうやって行きますか
宿は東北自動車道の白河ICまたは須賀川ICから車で50分、JR新白河駅から「湯ったりヤーコン号」という予約制のバスで50分と案内しています。駐車場は宿前2台と国道沿い8台の計10台分で、先着順です。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

甲子温泉 旅館大黒屋
福島県福島県西白河郡西郷村、阿武隈川の上流の谷に建つ全16室の一軒宿。日本秘湯を守る会の会員で、日光国立公園の中にある。白河藩主の松平定信が愛した湯で、定信の別荘だった建物を離れとして使い、西郷村の重要文化財として守られている。看板の大岩風呂は縦5メートル、横15メートル、深さ最大1.2メートル。鳥居の湯口から44〜45度の湯が流れ、岩盤の足元からは31〜34度の湯が自噴する。二本の源泉とも加水・加温なしの源泉かけ流し。

青根温泉 湯元不忘閣
宮城県慶長年間に湯別当として始まり、当主は21代続くと日本秘湯を守る会に登録している宮城県柴田郡川崎町青根温泉1-1。伊達政宗が訪れた際に「この地忘れまじ」と名付けたと伝わる、仙台藩一門の湯治湯。川崎町は本館・離れ・門・蔵など計7棟が国の登録有形文化財と書く。土蔵の中に造られた蔵湯、木造建築と石風呂が調和する大湯など六つの湯屋があり、蔵湯と半露天の亥之輔の湯は貸切で使える。泉質は単純温泉、加水・加温なしの源泉かけ流し。全14室。日帰り入浴は受けていない。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
