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Tsuta Onsen — 蔦温泉

蔦温泉旅館

つたおんせんりょかん1909年(明治42年)に湯治場から旅館へ

南八甲田のブナの森に一軒だけ建つ、千年の秘湯を掲げる宿。源泉の上に浴槽を置き、湯船の底板から空気に触れていない湯が湧く「源泉湧き流し」の湯を「久安の湯」と「泉響の湯」で使う。1918年築の木造本館を今も玄関と客室に使い、大町桂月が本籍を移して没した宿として資料館を持つ。2022年に源泉かけ流しの半露天風呂付きの離れが3棟開いた。全35室。

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南八甲田のブナの森の中に一軒だけ建つ。蔦温泉という温泉地は、この宿そのものである。

底板から湧く

宿の温泉は日本でも珍しい「源泉湧き流し」の湯である。源泉の上に浴槽があり、湯船の底板から空気に触れていない源泉が湧き出すと宿は案内している。ぷくぷくと泡が上がる。

「久安の湯」は平安時代に開かれた源泉が足元から湧く湯で、1990年に改築した。昔は旅館棟専用の混浴風呂だったため浴場が一つしかなく、女性は10時から12時と21時30分から翌朝9時、男性は13時から21時と時間で分ける。こぢんまりとして古びた佇まいが好評だと宿は書く。

「泉響の湯」は、文豪井上靖が蔦の雰囲気を「泉響颯颯」と詠んだことから名づけられた。浴槽から梁までの高さが最も高いところで12メートル。その空間に泉のせせらぎのような響きを奏でる湯で、不思議な開放感があると宿は述べている。10時から翌朝9時まで入れる。

湯は45.4度のナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉で、自然に自噴する自家源泉である。宿は温度調節のために蔦の森の湧水を入れていることを隠さず書いている。二つの浴場については、かけ流しではなく湧き流しという言葉を使っている。貸切風呂は50分の有料で、当日帳場で申し込む。電話では受けない。

1918年の本館

1918年に完成した木造二階建ての本館を、今も正面玄関と客室としてそのまま使っている。1960年に本館裏の高台に木造二階建ての別館を建て、本館二階の裏手から60段余りの階段状の連絡路で結んだ。四階建て相当の高さで、三階建ての西館の屋根を見下ろす。1989年に西本館を解体して鉄筋コンクリート三階建ての西館を新築し、渡り廊下で本館とつなぎ、エレベーターを備えた。

1967年の映画「乱れ雲」で本館の一室が撮影場所になり、今もそのまま客室として使われている。全館禁煙で、部屋の風呂は離れ3棟と西館特別室4室だけ。特別室の風呂は温泉ではない。食事はすべてレストランで、部屋食はない。

桂月の宿

明治の文人大町桂月は1908年に初めて蔦温泉に泊まり、十和田湖から奥入瀬渓流沿いに歩いて着いた。1921年に13年ぶりに訪れ、1923年の冬に児玉花外とともに冬籠りをした。この年、十和田湖を中心とする国立公園設置の請願書を出している。1925年、桂月は蔦温泉に本籍を移し、6月10日に56歳で没した。

本館の改修に伴い、没後90年の2015年に大町桂月資料館が開いた。桂月の足跡と宿が持つ掛け軸を紹介し、7時から21時、無料で見られる。

松葉啓の離れ

2022年10月、和の設計者松葉啓が手がけた半露天風呂付きの離れが3棟開いた。月寛、薬鶴、瓢箪。蔦温泉の源泉を使った源泉かけ流しの半露天風呂と、床暖房とエアコン、ウッドデッキが付く。薬鶴と瓢箪には高圧酸素ドーム、月寛にはメディテーションルームがあると宿は案内している。離れの客には専用の料理が出る。

着くまで

東京から東北新幹線で新青森駅へ約3時間、青森駅からJRバスで約2時間。新青森駅から車なら約1時間30分。七戸十和田駅から無料送迎があり、迎えは15時と16時に駅の南口を出て、送りは9時30分(冬は9時)と10時30分に宿を出る。宿泊日の3日前までに予約する。

青森側から八甲田を越える国道103号は、酸ヶ湯と谷地の間が11月下旬から4月初めまで閉じる。冬は十和田市側から入ることになり、宿は10月以降の冬用タイヤの装着を呼びかけている。

この宿を選ぶなら

足元から湧く湯と、大正の木造本館に泊まりたい方に向く。本館と別館は階段が多い。設備を求めるなら西館か離れを選ぶ。蔦沼の紅葉は早朝が見頃で、泊まった人だけが人の来る前に歩ける。

FAQ

蔦温泉旅館のよくある質問

Q蔦温泉旅館の湯は足元から湧くのですか?
A

はい。源泉の上に浴槽があり、湯船の底板から空気に触れていない源泉が湧き出す「源泉湧き流し」の湯と宿は案内しています。自家源泉の自然自噴で、泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉、泉温45.4度。温度調節のため蔦の森の湧水を入れていると宿は明記しています。

Q蔦温泉旅館の浴場は?
A

「久安の湯」と「泉響の湯」の2つと宿は案内しています。久安の湯は昔の旅館棟専用の混浴風呂で浴場が一つしかなく、女性は10時から12時と21時30分から翌朝9時、男性は13時から21時です。泉響の湯は男女別で10時から翌朝9時まで、浴槽から梁まで最も高いところで12メートルあります。貸切風呂は50分の有料で、当日現地で受け付けます。

Q蔦温泉旅館の建物は古いのですか?
A

1918年に完成した木造二階建ての本館を、今も正面玄関と客室としてそのまま使っていると宿は案内しています。1960年に本館裏の高台に木造二階建ての別館を建て、60段余りの階段状の連絡路で結んでいます。1989年に西館を鉄筋コンクリート三階建てで新築し、エレベーターがあります。全館禁煙です。

Q蔦温泉旅館の離れとは?
A

2022年10月に、和の設計者松葉啓が手がけた半露天風呂付きの離れが3棟開いたと宿は案内しています。月寛、薬鶴、瓢箪の3棟で、蔦温泉の源泉を使った源泉かけ流しの半露天風呂と、床暖房、ウッドデッキが付きます。西館特別室4室にも風呂が付きますが、そちらは温泉ではありません。

Q蔦温泉旅館で日帰り入浴はできますか?
A

できます。10時から15時で受付は14時30分まで、混み具合によっては早く終わることがあると宿は案内しています。撮影などで使えない日があります。

Q蔦温泉旅館へのアクセスは?
A

東京から東北新幹線で新青森駅へ約3時間、青森駅からJRバスで約2時間、新青森駅から車なら約1時間30分と宿は案内しています。七戸十和田駅から無料送迎があり、迎えは15時と16時、送りは9時30分と10時30分で、宿泊日の3日前までに予約します。10月以降は冬用タイヤを装着するよう宿は呼びかけています。

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