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蔦温泉は青森県十和田市、南八甲田のブナの森の中にある。宿は一軒だけで、奥入瀬渓流の入口に近い。周囲に蔦沼をはじめとする沼が点在し、蔦の森の自然研究路が巡る。
久安の湯
久安3年(1147年)にはすでにこの地に湯治小屋があったことが文献に残ると宿は案内している。名は木に絡む蔦が豊富にあったことに由来する説が有力だが、諸説あって真相は不明だという。
1897年に奥瀬村の小笠原四郎らが経営を始め、1909年に共同管理の湯治場から旅館に変わった。1918年に木造二階建ての本館が完成し、今も正面玄関と客室としてそのまま使われている。
底から湧く
宿の温泉は日本でも珍しい「源泉湧き流し」の湯である。源泉の上に浴槽があり、湯船の底板から空気に触れていない源泉が湧き出す。ぷくぷくと泡が上がる。
浴場は二つ。「久安の湯」は昔の旅館棟専用の混浴風呂で浴場が一つしかなく、男女が時間で入れ替わる。こぢんまりとして古びた佇まいだと宿は書く。「泉響の湯」は文豪井上靖が蔦の雰囲気を「泉響颯颯」と詠んだことから名づけられ、浴槽から梁までの高さが最も高いところで12メートルある。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉で、泉温45.4度。自家源泉の自然自噴で、温度調節のため蔦の森の湧水を入れていると宿は明記している。
桂月が骨を埋めた
明治の文人大町桂月は1908年、十和田湖から奥入瀬渓流沿いに歩いて蔦温泉に着き、初めて泊まった。その秋に雑誌に発表した紀行文が十和田の名を全国に知らしめたと宿は書いている。
1923年の冬、桂月は蔦で冬籠りをした。翌年末にも最後の冬籠りをし、1925年に蔦温泉に本籍を移して6月10日に56歳で没した。墓前には「極楽へ越ゆる峠の一休み 蔦の出湯に身をば清めて」の辞世の句が刻まれている。本館に資料館があり、桂月の足跡と宿が持つ掛け軸を展示する。
1967年の映画「乱れ雲」で本館の一室が撮影に使われ、今もそのまま客室である。1969年に新婚旅行で泊まった作詞家岡本おさみが別館の客室のイメージから詩を書き、それが吉田拓郎の「旅の宿」になったと宿は記している。
蔦沼
宿の裏手に蔦沼がある。春の芽吹き、初夏の蛍、満天の星が水面に映る夜。秋は早朝の朝日が真っ赤に染まった紅葉を照らし、湖面に映る景色で知られる。来るたびにご褒美がもらえる場所だと宿は呼んでいる。
蔦の森の自然研究路は1967年に整備され、沼を巡って歩ける。蛍は7月上旬から下旬に見られる。
着くまで
東京から東北新幹線で新青森駅へ約3時間。青森駅からJRバスで約2時間、または新青森駅から車で約1時間30分。七戸十和田駅から無料送迎があり、宿泊日の3日前までに予約する。迎えは15時と16時、送りは9時30分と10時30分に宿を出る。
冬は国道103号の酸ヶ湯と谷地の間が11月下旬から4月初めまで通行止めになる。青森側から八甲田を越える道が閉じ、十和田市側から入る形になる。10月以降は冬用タイヤを装着するよう宿は呼びかけている。
歩き方
宿に泊まり、朝に蔦沼を歩き、湯に入る。それだけの場所である。
奥入瀬渓流へは車で20分ほど、十和田湖へは40分ほど。酸ヶ湯温泉へは八甲田を越えて40分ほどで、冬以外なら八甲田の二つの湯を続けて回れる。
蔦温泉の日帰り入浴
- 蔦温泉旅館の日帰り入浴(10:00〜15:00)
- 蔦沼
- 蔦の森の自然研究路
奥入瀬渓流や八甲田の帰りに寄れます。紅葉の蔦沼は早朝に人が集まるので、泊まって朝に歩く形が向いています。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
45.4℃高温泉
2060100℃
秋・夏
- 所在地Location
- 青森県
- 泉質Spring Quality
- 硫酸塩泉・炭酸水素塩泉・塩化物泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR青森駅(JRバス約2時間)/東北新幹線 七戸十和田駅(宿の送迎)
- 東京からFrom Tokyo
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
蔦温泉のよくある質問
Q蔦温泉の歴史は?
久安3年(1147年)にはすでにこの地に湯治小屋があったことが文献に残ると宿は案内しています。名は木に絡む蔦が豊富にあったことに由来する説が有力ですが、真相は不明としています。1897年に奥瀬村の小笠原四郎らが経営を始め、1909年に共同管理の湯治場から旅館になり、1918年に今も使う木造二階建ての本館が完成しました。
Q蔦温泉の湯はどんな湯ですか?
源泉の上に浴槽があり、湯船の底板から空気に触れていない源泉が湧き出す「源泉湧き流し」の湯と宿は案内しています。自家源泉の自然自噴で、泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉、泉温45.4度。温度調節のため蔦の森の湧水を入れていると宿は明記しています。
Q大町桂月と蔦温泉の関係は?
明治の文人大町桂月は1908年に十和田湖から奥入瀬渓流沿いに歩いて蔦温泉に初めて泊まり、紀行文で十和田の名を全国に知らしめたと宿は書いています。1923年と1924年に蔦で冬籠りをし、1925年に蔦温泉に本籍を移して56歳で没しました。墓前に辞世の句が刻まれ、本館に資料館があります。
Q蔦温泉で日帰り入浴はできますか?
できます。10時から15時で受付は14時30分まで、混み具合によっては早く終わることがあると宿は案内しています。貸切風呂は当日現地で受け付ける予約制で、電話予約は受けていません。
Q蔦温泉へのアクセスは?
東京から東北新幹線で新青森駅へ約3時間、青森駅からJRバスで約2時間、または新青森駅から車で約1時間30分と宿は案内しています。七戸十和田駅から無料送迎があり、宿泊日の3日前までに予約します。冬は国道103号の酸ヶ湯と谷地の間が通行止めになるので、経路が変わります。
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UPDATED 2026.09.17


