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祖谷温泉では、湯に入るまでにケーブルカーに乗る。
宿は谷の上にあり、湯は谷底にある。高低差はおよそ170メートル。専用のケーブルカーで5分ほどかけて下りると、川のすぐ横に露天風呂がある。
下りていく湯
この構造は演出ではない。源泉が谷底で湧いているから、そこまで下りるしかなかった。
湯船に浸かると、目の高さのすぐ先を水が流れている。両側は切り立った斜面で、空が細く見える。人工の音がまったくしない。
湯は硫黄を含み、ほのかに香りが立つ。泉温は高くないため、長く浸かっていられる。
上がってまたケーブルカーで戻る。往復の時間まで含めて、この宿の湯である。
平家の落人伝説
祖谷は、平家の落人が隠れ住んだと伝えられる土地である。
壇ノ浦で敗れた平家の一族が山深く分け入り、ここに定住したという。真偽を確かめる術はないが、この地形を見れば、なぜそういう話が生まれたのかは分かる。
谷が深く、道が細い。四国山地の内側にあって、外から入りにくい。近代に道路が通るまで、事実として隔絶されていた。
かずら橋
祖谷を代表する景色がかずら橋である。
シラクチカズラという蔓で編まれた吊り橋で、国の重要有形民俗文化財に指定されている。踏板のあいだが開いており、歩くと下の川面が見える。揺れる。
蔓は数年ごとに架け替えられる。素材が生き物なので、永久に保つことができない。作り直し続けることで残っている橋である。
祖谷温泉から車で20分ほど。夜間に照明が入る期間がある。
大歩危・小歩危
吉野川がつくる渓谷が、祖谷への入口にあたる。
大歩危と小歩危は、川が結晶片岩を削ってできた峡谷である。名前は「大股で歩いても危ない」「小股でも危ない」に由来するという説がある。
遊覧船が出ており、水面から岩壁を見上げられる。JR土讃線がこの渓谷沿いを走るので、列車の窓からも見える。
行きにくいということ
祖谷は、思い立って行ける場所ではない。
大歩危駅からバスがあるが本数は限られる。道は狭く曲がりくねっており、対向車とのすれ違いに気を使う区間がある。運転に慣れていないと負担がある。
冬は積雪と凍結がある。道路状況の確認が要る。
その行きにくさが、この土地の静けさを保ってきた。谷底の湯に浸かって聞こえるのが川の音だけ、という状態は、簡単に行ける場所では成立しない。
歩き方
JR土讃線の大歩危駅からバスで30分ほど。大阪からおよそ4時間、東京からは6時間ほどかかる。
高松空港や徳島空港から車で入る経路もある。四国は鉄道が海沿いを回る形になっているため、内陸を横断するなら車のほうが自由になる。
一泊二日なら、初日に大歩危からかずら橋を経て祖谷温泉へ、翌日に谷を出て高松か徳島へ抜けるという配分が組める。紅葉は例年11月上旬から中旬。
祖谷温泉の日帰り入浴
- 宿の日帰り入浴
山中の一軒宿です。受付時間が限られ、道路状況の確認も要ります。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋
- 所在地Location
- 徳島県
- 泉質Spring Quality
- 硫黄泉・単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR土讃線 大歩危駅(バス約30分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約6時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約4時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
祖谷温泉のよくある質問
Q祖谷温泉の露天風呂にはどうやって行くのですか?
宿から谷底まで、専用のケーブルカーで下ります。高低差はおよそ170メートル、片道5分ほどです。降りた先の吉野川支流のすぐ横に露天風呂があります。この構造のために、行くこと自体が体験になっています。
Q祖谷温泉は日帰りでも入れますか?
日帰り入浴を受け入れています。ただし受付時間が限られており、混雑期は待つことがあります。山中にあり公共交通の便が少ないため、訪れる前に営業状況と行き方を確認してください。
Qかずら橋は近いですか?
祖谷のかずら橋までは車で20分ほどです。シラクチカズラで編まれた吊り橋で、国の重要有形民俗文化財に指定されています。踏板のあいだが開いており、下の川面が見えます。定期的に架け替えられています。
Q車がないと行けませんか?
大歩危駅からバスがありますが本数は限られます。祖谷渓は道が狭く曲がりくねっており、運転に慣れていない場合は負担があります。バスの時刻を先に確認するか、宿の送迎の有無を問い合わせるのが確実です。
ほかの温泉地と比べる
祖谷温泉の宿

和の宿 ホテル祖谷温泉
谷底の露天風呂へ専用のケーブルカーで下りる宿。高低差はおよそ170メートルあり、行き方そのものが体験になっている。

新祖谷温泉 ホテルかずら橋
祖谷の22室のホテル。泉質は単純硫黄泉。大歩危駅から路線バスで20分(タクシー15分)、井川池田ICから大歩危経由で50分。
UPDATED 2026.08.19


