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谷の底に建っている
福島屋は山形県米沢市大字大沢字滑川15。滑川温泉の一軒宿であり、滑川温泉そのものでもある。
建っているのは松川の谷の底だ。周りに集落はない。車で国道13号から板谷を経由し、山道を詰めた先にある。
総部屋数は25室、宿泊定員は60名と日本温泉協会の施設情報にはある。山の一軒宿としては小さくない。湯治場として長く使われてきた宿は、たいてい部屋数が多い。
半年しか開かない
この宿を語るとき、いちばん先に来る事実がある。冬は閉じる。
宿の告知をそのまま引く。「滑川温泉福島屋までは除雪が入らないため、冬季間休業いたします。2026年度の営業は4月26日から11月4日までを予定しております」。
除雪車が入らない道の先にあるから、雪が降れば到達できない。日本秘湯を守る会の会員宿一覧にも期間営業とあり、営業休止期間は11月5日から、再開は降雪状況によると書かれている。
半年で一年分を商う宿である。予約が取りにくいのは、そのためでもある。
三本の源泉を、そのまま
宿が公式サイトの冒頭に置いている言葉は短い。「加水・加温・循環なし。3本の自家源泉をそのまま楽しむ山の一軒宿」。
三本というのが要点だ。ひとつの源泉を分けて使っているのではなく、性格の違う湯が三本ある。日本秘湯を守る会が源泉温度を40.4度から53.6度と幅で載せているのは、そういう事情による。
湧出量は毎分150リットル。この量があれば、四つの浴槽を掛け流しで満たしても足りる。
湯は青白く濁る、と日本秘湯を守る会は書いている。日本温泉協会の施設情報では色を青色としている。硫黄を含む湯が空気に触れて沈んだ色だ。
四つの浴槽
浴場の構成は、日本秘湯を守る会の記載が詳しい。
内湯が二つ。女性用が一つと、混浴の大浴場が一つ。露天が二つで、岩風呂と檜風呂。岩風呂には1日2回、女性専用の時間が設けられているとされている。
日本温泉協会の施設情報では、露天風呂数2、貸切浴場数1と登録されている。露天風呂付き客室は0。
四つのうち二つが屋根のない浴槽だというのは、部屋数25室の宿としては多いほうだ。川のすぐ横に湯を張っているので、露天にいるあいだ水音が途切れない。日本温泉協会の紹介文も、この露天から見る新緑と紅葉の美しさを挙げている。
日帰りでも入れる
日本秘湯を守る会は日帰り入浴を可とし、日本温泉協会の施設情報は日帰入浴時間を9時から16時としている。
ただし営業期間内に限られるうえ、山道の先である。ふらりと寄れる場所ではないので、日帰りで行くなら半日の予定を組んでおきたい。
宿の前には吊橋があり、これを渡ると滑川大滝への登山道に合流できる。滝の展望台までは登り30分ほど。湯と滝を一日でまとめる人も多い。
ひとりで山に入る
日本秘湯を守る会の会員宿一覧には、1名利用が可とある。日本温泉協会の施設情報にも1名宿泊、素泊まりの記載がある。
山の一軒宿は、ひとり客を断る宿も少なくない。ここは受ける。青い湯に浸かって、渓流の音を聞いて、何もせずに一日を終える。それを一人でやるために来る人がいる。
予約の経路に注意がある
宿は公式サイトで、予約について強い注意を出している。
自ら管理している予約経路は、公式サイト、じゃらん、楽天、るるぶ、日本秘湯を守る会、booking.comの六つ。それ以外のサイトに載っている情報は宿が把握できず、実際と違う記載があっても削除や訂正ができないという。
山の奥の宿だからこそ、着いてから「聞いていた話と違う」では取り返しがつかない。予約するなら、宿が管理していると明示している経路からにしたい。
滑川温泉 福島屋のよくある質問
Qお湯に手は加えていますか
宿は公式サイトで「加水・加温・循環なし。3本の自家源泉をそのまま楽しむ山の一軒宿」と書いています。日本秘湯を守る会は源泉温度を40.4度から53.6度、湧出量を毎分150リットルとしており、湧いた湯をそのまま浴槽に落としても入れる温度になります。日本温泉協会の施設情報にも掛け流し浴槽ありとあります。
Qお風呂はいくつありますか
日本秘湯を守る会の記載では、内湯が2つ(女性用1、混浴大浴場1)、露天風呂が2つ(岩風呂と檜風呂)です。岩風呂には1日2回、女性専用の時間があるとされています。日本温泉協会の施設情報では露天風呂数2、貸切浴場数1と登録されています。
Q冬は泊まれますか
泊まれません。宿は「滑川温泉福島屋までは除雪が入らないため、冬季間休業いたします」と告知しています。2026年度の営業は4月26日から11月4日までの予定で、天候により変わることがあるとしています。日本秘湯を守る会の会員宿一覧にも期間営業とあり、営業休止期間は11月5日からとなっています。
Qひとりでも泊まれますか
泊まれます。日本秘湯を守る会の会員宿一覧には1名利用が可とあり、日本温泉協会の施設情報にも1名宿泊、素泊まりの記載があります。山の一軒宿としては受け入れの幅が広いほうです。
Q予約はどこからできますか
宿は公式サイトで、自ら管理している予約経路をじゃらん、楽天、るるぶ、日本秘湯を守る会、booking.com、そして公式サイトと明示しています。それ以外のサイトに載っている情報は宿が把握していないため、記載内容の食い違いに対応できない場合があると注意を出しています。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

鉛温泉 藤三旅館
岩手県1786年立ったまま入る深さ1.25メートルの「白猿の湯」を持つ宿。総けやき造りの本館に四つの浴場があり、宿は源泉5本を加熱も加水も循環もせずに使うと書く。旅館部と自炊の湯治部が同じ建物にあり、湯治の形が今も生きている。32室。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

壁湯天然洞窟温泉旅館 福元屋
大分県大分県玖珠郡九重町大字町田62-1、壁湯温泉の一軒宿。町田川の岸の岩壁にできた洞窟が、そのまま浴槽になっている。宿は300年以上前から自噴していると書く。日本秘湯を守る会の会員で、登録情報では泉質は単純温泉、源泉温度39度、湧出量は毎分1370リットル、加温は貸切湯のみ一部。浴場は五つ。客室は8室から9室の小さな宿で、日帰り入浴も受ける。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
