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奥津の湯は川底から湧く。この宿の浴槽は、その湧き口の上に据えられている。
鍵湯
宿の名物は鍵湯と呼ばれる岩風呂である。
浴槽の底から湯が湧いている。引いてきた湯ではなく、足元から上がってくる湯に浸かることになる。奥津温泉が「川底から湧く湯」として知られる、その性格を浴槽の形にしたものといえる。
鍵湯という名は、かつて藩主がこの湯を独占するために鍵をかけさせたという言い伝えによる。それが本当かどうかは分からないが、囲い込みたくなるほどの湯だったということは伝わっている。
湯の使い方について、宿は「一切の加水・加温や循環もなく」、毎分247リットルが足元から自噴していると温泉のページに明記している。泉質はアルカリ性単純泉、pH9.3、泉温42.6度と記されている。浴室は男女とも内湯のみで露天風呂はない。貸切専用の浴室があり、24時間いつでも使えると宿は述べている。
昭和初期の木造建築
建物は昭和2年(1927年)に建てられ、2018年に国の登録有形文化財に登録されたと宿は述べている。
木造の旅館建築で、廊下や窓の造りに建てられた当時の形が残る。設備は現代の宿と同じではないが、その建物に泊まること自体が目的になる宿である。
宿の規模は小さい。駐車場は10台分。大人だけを受け入れる宿として営業している。子ども連れでは泊まれない。
足踏み洗濯の町
奥津には足踏み洗濯という風習が伝わる。
川べりの湯だまりで、足で衣類を踏んで洗う。熊や狼を警戒して立ったまま洗ったのが始まりと伝えられる。今は観光用に実演される場面が多いが、川と湯が一体だったこの土地の暮らし方をそのまま示している。
宿から吉井川の渓谷を眺めれば、その川の底から湯が湧いているという事実が、鍵湯の意味を裏付けてくれる。
着くまで
JR津山駅からバスでおよそ60分。中国自動車道の院庄ICから国道179号を北へ25分ほど。
宿によれば、この地域は除雪が行き届いており、冬でも道路の心配は小さいという。それでも山あいなので、冬に車で向かうなら装備は整えておきたい。
美作三湯を続けて回る
岡山県北の湯郷、湯原、奥津は美作三湯と呼ばれる。
湯郷は関西から最も近く、湯原には河原の砂湯がある。奥津は川底から湧く湯と足踏み洗濯。三つの性格がはっきり分かれているので、続けて訪ねると比較になる。奥津はそのなかで最も山深く、最も静かな一つである。
この宿を選ぶなら
建物と、足元から湧く湯を目的にする方に向く。
大人限定で部屋数も少ないため、静かに過ごしたい方には条件が揃っている。設備の新しさや広い施設を求めるなら合わない。
奥津温泉 奥津荘のよくある質問
Q奥津荘は子ども連れでも泊まれますか?
泊まれません。宿は大人だけを受け入れる宿として営業しています。予約サイトの施設ページにもその旨が書かれています。
Q奥津荘の鍵湯とは何ですか?
浴槽の底から湯が湧いている岩風呂です。引いてきた湯ではなく、足元から上がってくる湯に浸かります。名の由来は、かつて藩主がこの湯を独占するために鍵をかけさせたという言い伝えによります。
Q奥津荘の湯はかけ流しですか?
宿は「一切の加水・加温や循環もなく」、毎分247リットルが足元から自噴していると温泉のページで述べています。泉質はアルカリ性単純泉でpH9.3、泉温42.6度と記しています。浴室は内湯のみで、貸切専用の浴室は24時間いつでも使えるとしています。
Q冬に車で行けますか?
宿によれば、この地域は除雪が行き届いており、冬でも道路の心配は小さいとのことです。それでも山あいなので、冬用の装備は整えておくと安心です。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

岩井温泉 岩井屋
鳥取県創業150年創業150年、昔ながらの木造三階建て、全館畳敷きの13室の旅籠。1300年続く山陰最古といわれる岩井の湯を、蛇口の水まですべて源泉かけ流しで使う。名物の「源泉長寿の湯」は直立しても胸まで浸かる深い浴槽で、湯底に敷いた松板の真下から湧く湯をそのまま使う。竹垣に囲まれた露天「背戸の湯」、大浴場「祝いの湯」、貸切「よいまち草」。日本秘湯を守る会の会員宿で、日帰り入浴を受ける。
千人風呂 金谷旅館
静岡県河内温泉の一軒宿で11室。1867年(慶応3年)の創業で、大正4年に建てられた総檜の大浴場「千人風呂」を持つ。奥行約20メートル、幅5メートル、最深部約1メートル。すべての風呂が自家源泉かけ流しで24時間入れる。蓮台寺駅から徒歩3分。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
