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共同浴場の、すぐ横
まるほん旅館は群馬県吾妻郡中之条町大字上沢渡甲2301。沢渡温泉の共同浴場と建物が接している。
宿はこう書いている。「当館のすぐ横にある、沢渡温泉共同浴場」。宿の風呂に入り、浴衣のまま出て、共同浴場に入り、また戻る。そういう動き方ができる立地だ。
総部屋数は10室。沢渡温泉組合は創業400年の老舗旅館として紹介している。
床まで檜の、湯小屋
この宿の中心にあるのは「湯小屋」と呼ばれる浴場だ。
木造りの廊下を渡り、階段を降りたところにある。宿の説明を引く。「床、壁、天井すべて檜造りの湯小屋があります。浴槽の床にはモザイクタイルが敷かれ、昭和のレトロ感と温泉情緒が漂う昔ながらの混浴温泉」。
浴槽は二つ。臼と木升をかたどった湯口から湯が溢れる。檜は浴槽に使う宿は多いが、床まで檜という例はそう多くない。濡れた檜の上を歩く感触が、そのまま記憶に残る。
混浴だが、19時30分から21時と、6時から7時は女性専用になる。
金賞を取った婦人風呂
もうひとつが婦人風呂である。こちらは造りがまったく違う。
檜が上品な曲線を描く天井の先に天窓があり、そこから落ちた光が湯船を照らす。浅く作った部分では寝風呂ができる。二階には湯上り処があって、窓から季節の景色が見えると宿は書いている。
この婦人風呂は、一般社団法人日本商環境デザイン協会が主催するJCDデザインアワード2016で金賞を受けた。昭和のレトロな湯小屋と、賞を取った現代建築の浴場が、同じ宿のなかに並んでいる。
男性は19時30分から21時、6時から7時に入れる。
青森ヒバの貸切露天
三つめが貸切の露天風呂だ。浴槽は青森ヒバ。ヒノキ科の木で、檜より香りが強い。
宿は「木の温もりとほのかに漂う硫黄の香りが温泉気分を盛り上げます」と書き、天気がよければ星を見ながら入れるとしている。
湯小屋、婦人風呂、貸切露天、そして共同浴場。四つの浴場を一泊で回れることになる。同じ源泉が、四つの器でどう変わるかを試せる宿だ。
湯は源泉から直接
宿は湯の引き方をはっきり書いている。「自慢はなんといっても、源泉から直接引いた、かけ流しの総檜風呂」。
楽天トラベルの紹介文にも「源泉から近い当館では、湧出したばかりの新鮮な湯を完全かけ流しでお楽しみいただけます」とある。加水や循環についての記載は見当たらない。
沢渡の湯は無色透明の硫酸塩泉で、肌ざわりがやわらかい。宿はその湯を「一浴玉の肌」と呼び、公式サイトの中心に据えている。
六畳の部屋に、ひとりで
客室は昔ながらの和室。宿は「お一人様からご利用いただける6畳タイプ」と「2〜3名様でゆったりお過ごしいただける8畳タイプ」があると案内している。
ひとり客を明示的に受けている点は、この規模の温泉宿では珍しい。四つの風呂を順番に回り、田舎料理を食べて寝る。それだけのために一人で行く旅が成立する。
部屋には液晶テレビ、湯沸しポット、冷蔵庫、冷暖房、金庫、ドライヤー、洗面台。浴衣とタオル類、歯磨きセットは備え付けで、カミソリはフロントで受け取る。
選ぶ理由
沢渡温泉には八軒の宿がある。そのなかでまるほんを選ぶ理由は、風呂の数と種類だ。
昭和の湯小屋、受賞した婦人風呂、ヒバの貸切露天。性格の違う三つの浴場を、同じかけ流しの湯で持っている宿は珍しい。共同浴場が隣というおまけまで付く。
チェックインは15時から18時、チェックアウトは10時と宿は案内している。18時までに入らなければならないので、草津や四万を回ってから来るなら、逆算して動きたい。
沢渡温泉 まるほん旅館のよくある質問
Qお湯はかけ流しですか
宿は「源泉から直接引いた、かけ流しの総檜風呂」と書き、楽天トラベルの紹介文でも「湧出したばかりの新鮮な湯を完全かけ流しでお楽しみいただけます」と案内しています。加水や循環の記載は見当たりません。泉質は沢渡温泉組合がカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉と載せている湯です。
Q風呂は何種類ありますか
宿の風呂は三つです。床も壁も天井も檜で造った混浴の湯小屋、天窓から光が落ちる婦人風呂、青森ヒバの浴槽を使った貸切露天風呂。これに加えて、隣接する沢渡温泉共同浴場も宿泊者は無料で使えると宿は案内しています。
Q混浴とのことですが、女性専用の時間はありますか
あります。宿は湯小屋の女性専用時間を19時30分から21時、および6時から7時としています。逆に婦人風呂には男性専用時間があり、同じく19時30分から21時、6時から7時と案内されています。時間は変わることがあるので、当日フロントで確かめてください。
Qひとりでも泊まれますか
泊まれます。宿は客室について「お一人様からご利用いただける6畳タイプ、ご夫婦やカップルなど、2〜3名様でゆったりお過ごしいただける8畳タイプがございます」と書いています。総部屋数は10室です。
Q婦人風呂が受賞したというのは何の賞ですか
一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD)が主催するJCDデザインアワード2016の金賞です。宿の公式サイトに受賞の記載があります。檜の天井が曲線を描き、天窓から差し込む光が湯船に落ちる造りで、浅く作った部分では寝風呂もできると宿は説明しています。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

青根温泉 湯元不忘閣
宮城県慶長年間に湯別当として始まり、当主は21代続くと日本秘湯を守る会に登録している宮城県柴田郡川崎町青根温泉1-1。伊達政宗が訪れた際に「この地忘れまじ」と名付けたと伝わる、仙台藩一門の湯治湯。川崎町は本館・離れ・門・蔵など計7棟が国の登録有形文化財と書く。土蔵の中に造られた蔵湯、木造建築と石風呂が調和する大湯など六つの湯屋があり、蔵湯と半露天の亥之輔の湯は貸切で使える。泉質は単純温泉、加水・加温なしの源泉かけ流し。全14室。日帰り入浴は受けていない。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

壁湯天然洞窟温泉旅館 福元屋
大分県大分県玖珠郡九重町大字町田62-1、壁湯温泉の一軒宿。町田川の岸の岩壁にできた洞窟が、そのまま浴槽になっている。宿は300年以上前から自噴していると書く。日本秘湯を守る会の会員で、登録情報では泉質は単純温泉、源泉温度39度、湧出量は毎分1370リットル、加温は貸切湯のみ一部。浴場は五つ。客室は8室から9室の小さな宿で、日帰り入浴も受ける。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
