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道後温泉は、記録に残る温泉地としては国内最古級にあたる。『万葉集』『日本書紀』に登場し、聖徳太子が訪れたという伝承も残る。
その湯が、いまも街の中心で日常的に使われている。歴史的な価値と現役の施設が同じ場所にあるのが道後の特異な点である。
この温泉地の湯
アルカリ性単純温泉。pH9前後で、肌がなめらかに感じられる。加温も加水もせず、自然に湧く湯をそのまま使っている源泉が多い。
刺激が少ないので、湯めぐりをしても疲れが出にくい。草津のように成分で押してくる湯ではなく、長く浸かっていられる。日本最古級の湯が今も自噴で足りているという事実そのものが、この温泉地の価値の中心にある。
三つの外湯
道後には性格の違う三つの外湯がある。
飛鳥乃湯泉は平成に建てられた外湯である。飛鳥時代の建築様式を再現し、愛媛の伝統工芸を各所に用いている。新しいがよくできていて、本館とは別の満足がある。
椿の湯は地元の方が日常的に使う簡素な浴場だ。観光の装飾がないぶん、この街で湯がどう使われているかがよく見える。
文学の土地
正岡子規もこの地の人で、松山は近代日本文学の一つの起点になっている。子規堂や坂の上の雲ミュージアムが市内にあり、湯とあわせて回れる。
道後温泉駅前には坊っちゃん列車が停まっていることがある。かつて松山を走った蒸気機関車を復元したもので、今も市内を走っている。
本館に入れないことがある
道後温泉本館は、行けば必ず入れる浴場ではない。
1894年に建てられた木造三層楼で、国の重要文化財に指定されながら公衆浴場として営業を続けている。そのため長期の保存修理工事が行われてきた。工事の進み方によって、営業する浴室が変わる。混雑で待つこともある。
本館だけを目当てにすると、当日入れないという事態が起こりうる。訪問前に営業状況と入浴できる浴室を確認しておきたい。
ただし道後には外湯が三つある。飛鳥乃湯泉は平成に建てられた外湯で、飛鳥時代の建築様式を再現し、愛媛の伝統工芸を各所に用いている。椿の湯は地元の方が日常的に使う簡素な浴場である。本館が難しくても、道後の湯には入れる。
夜に泊まる価値
道後は日帰りでも成立する温泉地だが、夜だけは別である。
本館は日が落ちると照明が入り、昼とはまったく違う姿になる。屋上の振鷺閣に据えられた刻太鼓は、いまも時を告げている。
道後ハイカラ通りの人出が引いたあとの時間帯は、街の規模が実感できる。狭い範囲に湯と商店と旅館が詰まっている町であることが、静かになって初めて分かる。
松山市街から路面電車一本という近さなので、市内に泊まって夜だけ道後へ来ることもできる。
松山とあわせて
道後だけを目的にすると半日で終わる。松山と組み合わせると一泊二日になる。
松山城は市街の中心の山上にあり、ロープウェイかリフトで上がれる。現存天守を持つ城で、道後から路面電車で行ける。
夏目漱石は松山中学に赴任し、その経験が『坊っちゃん』になった。作中で主人公が繰り返し通うのが道後の湯である。正岡子規もこの地の人で、子規堂や坂の上の雲ミュージアムが市内にある。
初日の午後に松山城へ上がり、夕方に道後へ入って外湯を二つ回る。この順にすると、湯で一日を締められる。
歩き方
松山空港からもJR松山駅からも、伊予鉄道の路面電車で道後温泉駅まで直通している。駅から本館までは道後ハイカラ通りを抜けて徒歩5分ほど。温泉街は徒歩で回りきれる規模で、車はむしろ邪魔になる。
半日なら、外湯を一つと商店街の散策。一泊するなら、初日の午後に松山城へ上がり、夕方に道後へ入って外湯を二つ回るとよい。夜の本館は照明が入って昼と違う姿になるため、泊まる価値がある。
道後温泉の日帰り入浴
- 道後温泉本館
- 飛鳥乃湯泉
- 椿の湯
本館は営業状況や利用できる浴室が変わることがあります。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
9.1アルカリ性
0 酸性7アルカリ性 14
春・秋
- 所在地Location
- 愛媛県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- 伊予鉄道 道後温泉駅
- 東京からFrom Tokyo
- 約2時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約3時間30分
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
道後温泉のよくある質問
Q道後温泉は日帰りでも入れますか?
入れます。道後温泉本館のほか、飛鳥乃湯泉、椿の湯という三つの外湯があり、いずれも日帰りで利用できます。松山市内から路面電車で行けるため、松山観光の合間に立ち寄る形が定番です。本館は営業状況や利用できる浴室が変わることがあるため、道後温泉事務所の案内を確認してください。
Q道後温泉本館と飛鳥乃湯泉はどう違いますか?
本館は明治27年築の木造建築で、国の重要文化財に指定されています。建物そのものが目的になる浴場です。飛鳥乃湯泉は平成に建てられた新しい外湯で、飛鳥時代の建築様式を再現し、愛媛の工芸を用いた特別浴室などを備えています。椿の湯は地元の方が日常的に使う簡素な浴場です。
Q道後温泉はどんな泉質ですか?
アルカリ性単純温泉です。刺激が少なく、肌をなめらかに感じさせる湯で、加温も加水もせず自然湧出の湯を使っています。刺激の強さで押す温泉ではないため、長く浸かりたい方や肌の弱い方にも向いています。
Q道後温泉へは車がなくても行けますか?
行けます。松山空港やJR松山駅から伊予鉄道の路面電車で道後温泉駅まで直通しています。駅から本館までは商店街を抜けて徒歩数分です。温泉街は徒歩で回れる規模なので、車はむしろ不要です。
Q松山城とあわせて回れますか?
回れます。道後温泉駅から路面電車で20分ほどの距離に松山城があり、ロープウェイかリフトで登ります。午前に松山城、午後に道後で湯と街歩き、という一日の組み立てが定番です。子規堂や坂の上の雲ミュージアムも同じ市内にあります。
道後温泉の宿

道後温泉 ふなや
江戸期道後温泉本館のすぐ近くに建つ老舗。夏目漱石や正岡子規が訪れたと伝わり、川の流れる庭園をもつ。

道後温泉 大和屋本店
1868年(慶応4年)慶応4年創業、道後温泉本館まで徒歩数十秒の老舗。館内に能舞台「千寿殿」を持ち、朝食に鯛めしを出す。松山空港から車で30分。
UPDATED 2026.08.13


