※ 本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます
七百年の湯治場
入来温泉は鹿児島県薩摩川内市の入来町、山あいにある。
宿はこの温泉の古さをこう書いている。当館の位置する入来温泉の歴史は古く、1371年の文献にも記述があります。およそ700年もの間、人々に親しまれてきた温泉郷です、と。
1371年は南北朝期である。薩摩で温泉の記録がこの時代まで遡る例は多くない。
剛ならず柔ならず
江戸期の薩摩藩が領内の名所をまとめた『三国名勝図会』(1843年)に、入来の湯が載っている。宿はその内容を現代語でこう紹介している。
藩内に温泉は多いが、霧島の湯は湯性が激しく病の治療に向かない。安楽湯は柔らかすぎて病の治療に向かない。しかし、入来の湯は剛ならず柔ならず、湯性温和で胃腸などの内臓虚弱に良い。病体にもさわらず、穏やかで、諸病を癒す。したがって、病客は僻遠の地をいとわず、湯治に来る者が絶えない、と。
霧島は強すぎる、安楽は弱すぎる、入来はちょうどいい。藩が編んだ本が、領内の温泉を比べてそう書いている。当時の湯治は長く浸かるものだったから、強すぎない湯が評価された。
宿が自らを「百薬の名湯」と呼ぶのは、この評価を受けてのことだろう。
黄金色の湯
泉質の表記は、見る資料によって少し違う。
一軒宿の公式サイトでは、源泉名が諏訪温泉、泉質が塩化物泉、湧出温度が45.7度となっている。楽天トラベルの施設情報ではナトリウム・鉄・炭酸水素塩化物泉と登録されている。宿の案内文では含重曹食塩泉という古い言い方も使われている。
共通しているのは、塩化物と炭酸水素塩を含むということである。炭酸水素塩は肌の角質をやわらげ、塩化物は湯冷めを防ぐ。両方を含むので、上がったあとに肌が滑らかになり、長く温かい。
鉄の表記があるのは色の説明になる。鉄を含む湯は空気に触れると酸化して色が付く。宿が湯を黄金色と書くのはそこから来ているのだろう。
飲用の効能も挙げられていて、宿は慢性便秘、慢性胃腸病、慢性消化器病などと書いている。効き方は人によるので、体のことで気になる点があれば医師に確かめておきたい。
島津の殿様と大久保利通
薩摩川内市観光物産協会は、古くから人々に親しまれてきた入来温泉を、島津の殿様や大久保利通公ゆかりの湯だと書いている。
薩摩を治めた島津氏と、明治維新の中心にいた大久保利通。どちらも鹿児島の歴史の中心にいる名前である。藩の本に湯治場として載る温泉だから、そういう人たちが来ていても不思議ではない。
なお薩摩川内市観光物産協会のサイトは機械的な読み取りを拒むため、この記事では検索結果に出た要約を引いた。
武家屋敷群の町
入来温泉のそばに、入来麓という集落がある。
中世からの古い町並みが残る地区で、2019年(令和元年)に「薩摩の武士が生きた町〜武家屋敷群「麓」を歩く〜」として日本遺産に登録された。
「麓」というのは、薩摩藩が領内に置いた武士の住む集落のことである。城の麓に武士をまとめて住まわせ、一つの村のようにした。鹿児島県内の各地に残っていて、入来麓はそのなかでもよく保存されている。
石垣と生垣の続く通りを歩くと、中世の武士の集落の形がそのまま分かる。背後には清色城跡がある。湯治に来た藩士が、この通りを歩いて湯へ向かったのだろう。
薩摩川内という市
薩摩川内市は鹿児島県の北西部にある。
九州新幹線の川内駅があり、鹿児島中央から十数分で着く。市内には甑島という離島もあり、川内川が市の中心を流れている。
入来はその市の東側、山に入った位置にある。霧島とは反対の方角で、『三国名勝図会』が比べた二つの湯は県の東と西に分かれている。
歩き方
JR鹿児島本線の川内駅から車で30分ほど。鹿児島空港からは川内行きのエアポートリムジンで1時間ほどである。
温泉街はないので、歩いて湯めぐりをする土地ではない。宿に泊まり、車で入来麓の武家屋敷群へ出る。それがこの温泉地の使い方になる。
周りに店は多くない。食事は宿で取ることになる。
入来温泉の日帰り入浴
- 日帰り入浴を受け入れている施設
- 入来麓武家屋敷群
- 清色城跡
川内駅から車で30分。武家屋敷群と組み合わせられます。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
45.7℃高温泉
2060100℃
秋・冬
- 所在地Location
- 鹿児島県
- 泉質Spring Quality
- 塩化物泉・炭酸水素塩泉・含鉄泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR鹿児島本線 川内駅(車約30分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約4時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約3時間30分
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
入来温泉のよくある質問
Q入来温泉はどこにありますか?
鹿児島県薩摩川内市の入来町です。JR鹿児島本線の川内駅から車で30分ほどの山あいにあります。
Q入来温泉はいつからありますか?
宿は、入来温泉の歴史は古く1371年の文献にも記述があり、およそ700年ものあいだ人々に親しまれてきた温泉郷だと書いています。江戸期の『三国名勝図会』(1843年)にも湯治場として載っています。
Q入来温泉の泉質は?
宿は源泉名を諏訪温泉、泉質を塩化物泉、源泉温度を45.7度としています。楽天トラベルの施設情報ではナトリウム・鉄・炭酸水素塩化物泉と登録され、宿の案内文では含重曹食塩泉とも書かれています。宿は湯の色を黄金色としています。
Q『三国名勝図会』にはどう書かれていますか?
宿は現代語でこう紹介しています。藩内に温泉は多いが、霧島の湯は湯性が激しく病の治療に向かない、安楽湯は柔らかすぎて病の治療に向かない、しかし入来の湯は剛ならず柔ならず、湯性温和で胃腸などの内臓虚弱に良い、と。病客は僻遠の地をいとわず湯治に来る者が絶えなかったと続きます。
Q入来麓武家屋敷群とは?
入来のほぼ中央部にある中世からの古い町並みです。2019年(令和元年)に「薩摩の武士が生きた町〜武家屋敷群「麓」を歩く〜」として日本遺産に登録されました。石垣と生垣の続く通りが残っています。
Q入来温泉へのアクセスは?
九州新幹線・JR鹿児島本線の川内駅から車で30分ほどです。鹿児島空港からは川内行きのエアポートリムジンで1時間ほど。鹿児島市街からは車で1時間ほどです。
ほかの温泉地と比べる
UPDATED 2026.10.03



