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城崎温泉駅を降りて、大谿川に沿って歩く。柳の並木と太鼓橋を過ぎたあたりに、木の門と塀が現れる。表通りに面しているのに、門の内側は静かになる。
街全体が宿である
城崎には有名な言い回しがある。駅は玄関、道は廊下、宿は客室、外湯は大浴場。
だから城崎の宿に泊まるということは、宿の中で完結しないということだ。夕食の後、下駄を借りて外に出る。
浴衣で外湯へ
宿では浴衣を選べる。下駄も貸し出される。
外に出ると、同じように浴衣の人が通りを歩いている。石畳に下駄の音が響く。柳の下を通って、七つある外湯のどれかへ向かう。
一の湯は歌舞伎座を模した外観で洞窟風呂を持つ。鴻の湯はコウノトリが傷を癒したという開湯伝説の地にある。御所の湯は庭を望む造りをしている。
宿泊者は「ゆめぱ」で外湯が無料になる。全部に入る必要はない。三つも回れば、この街の仕組みが体で分かる。
湯冷めしない
城崎の湯はナトリウム・カルシウム塩化物泉である。塩分を含むため保温性が高い。
外湯を出て次の湯へ歩くあいだ、浴衣一枚でも体が冷めない。外湯めぐりという文化と泉質がうまく噛み合っている。
着くまで
JR山陰本線の城崎温泉駅が温泉街の入口にあたる。駅を出れば、そこがもう大谿川沿いの通りである。
大阪から特急でおよそ2時間40分、京都からは2時間半ほど。東京からは新幹線と特急を乗り継いで4時間30分ほどかかる。
温泉街は駅から一本道で、端まで歩いても知れた距離である。宿の位置がどこであっても、外湯へは歩いて行ける。
外湯をどう回るか
七つの外湯すべてを回る必要はない。三つも入れば、この街の仕組みは体で分かる。
二泊して昼と夜で入り分けると、同じ湯でも印象が変わる。夜の通りは下駄の音が響き、昼とはまったく違う場所になる。
浴衣と下駄で外を歩くのは、この街の設計に沿った作法である。宿の内湯を小さく作り、そのぶん外湯に投資してきた結果が、この街並みを残した。
冬に行くなら
冬は蟹の季節である。兵庫県で水揚げされるズワイガニは津居山ガニ、柴山ガニなどと産地ごとに呼び分けられ、例年11月上旬に漁が解禁される。
この時期は宿の献立が変わり、料金も上がる。狙って行くなら早めに動くことになる。
蟹を目的にしないなら、外湯を回りやすいのはむしろそれ以外の季節である。冬の週末は外湯にも人が並ぶ。
2026年夏の改装と年齢の制限
2026年6月24日から8月28日まで、客室の改装と空調設備の更新のため全館休館したと宿は公式サイトで述べている。6室を和洋室に設え直し、全館に個別空調を入れたとしている。古い建物に泊まる不安の一つが夏冬の空調だが、この点は新しくなった。
2024年4月1日からは10歳以上の客に限ると公式サイトは案内している。小さな子ども連れなら、同じ西村屋のホテル招月庭を勧めている。
この宿を選ぶなら
城崎という街の使い方を体験したい方に向く。宿の中だけで過ごす旅には合わない。
11月上旬の解禁から3月頃までが松葉がにの季節で、この時期は予約が最も取りにくくなる。数か月前から動くほうが確実である。
城崎温泉 西村屋本館のよくある質問
Q西村屋本館は子ども連れでも泊まれますか?
2024年4月1日から10歳以上の客に限ると公式サイトは案内しています。小さな子ども連れなら、同じ西村屋のホテル招月庭を検討するよう宿は勧めています。
Q西村屋本館は改装しましたか?
2026年6月24日から8月28日まで客室改装と空調設備の更新で全館休館し、6室を和洋室に設え直して全館に個別空調を入れたと公式サイトは述べています。その後は営業を再開しています。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

白骨温泉 泡の湯
長野県白濁湯をたたえた大露天風呂で知られる山中の宿。湧出したままの温度で入れる、ぬるい源泉風呂を持つ。

法師温泉 長寿館
群馬県1875年(明治8年)創業三国峠の麓、法師温泉にただ一軒建つ宿。明治8年に岡村貢が湯小屋を整えて創業し、明治28年築の大浴場「法師乃湯」は浴槽の底の玉石の間から湯が湧く。本館・法師乃湯・別館の三棟が2006年に国の登録有形文化財となった。与謝野晶子、川端康成、若山牧水が滞在。フルムーンのポスターの湯。

玉造温泉 長楽園
島根県1868年(明治元年)創業「龍宮の湯」と呼ばれる広大な混浴大露天風呂を持つ。明治元年から続く、玉造を代表する老舗。
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
