薬研温泉と下風呂温泉、下北半島の山と海
同じ下北半島にありながら、片方は山の奥、片方は津軽海峡に面している。薬研は大畑川をさかのぼった渓谷の温泉郷で、湯は無色の単純泉。下風呂は本州最北の海辺の湯治場で、硫黄を含む湯が湧く。半島のなかで、これ以上対照的な二つはない。

薬研温泉
青森県
青森県むつ市大畑町、下北半島国定公園のなかにある温泉郷。むつ市は津軽海峡に注ぐ大畑川の上流約10キロの渓谷沿いにある薬研温泉と、さらに約2キロ上流の奥薬研温泉の二つからなると説明する。泉質は無色透明の弱アルカリ性単純泉。奥薬研にはかっぱ伝説が残り、市営の露天風呂「元祖かっぱの湯」と「夫婦かっぱの湯」がある。紅葉は10月下旬から11月上旬。

下風呂温泉
青森県
青森県下北郡風間浦村、津軽海峡に面した本州最北の温泉郷のひとつ。室町時代の記録にも残る湯治場で、厳寒の海から戻った漁師が体を温めてきた。大湯・新湯・浜湯という泉質の違う源泉があり、いずれも硫黄を含む。共同浴場の大湯と新湯は2020年11月30日に営業を終え、二つの源泉を引く「海峡の湯」に統合された。井上靖は小説『海峡』でこの湯を書いた。対岸には北海道が見え、冬は大間のマグロとあんこうの季節。
数字で比べる
| 項目 | 薬研温泉 | 下風呂温泉 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 青森県 | 青森県 |
| 泉質 | 単純温泉 | 硫黄泉・塩化物泉 |
| 東京から | 東北新幹線で八戸へ出て、下北半島の先端へ向かう。むつ市の中心から大畑川をさかのぼる。 | 約7時間 |
| 大阪から | — | 約9時間 |
| 最寄り | JR大湊線 下北駅からバスで旧大畑駅へ、そこから車 | JR大湊線 下北駅(佐井・大間方面バス約1時間・下風呂下車) |
| 日帰りで入れる湯 | 薬研渓流の遊歩道/元祖かっぱの湯/夫婦かっぱの湯/恐山 | 海峡の湯(共同浴場)/大間崎/仏ヶ浦 |
| 掲載している宿 | 1軒 | 2軒 |
所要時間は主要な経路の目安です。「—」は当サイトで確認できていない項目です。
性格の違い
湯
薬研温泉無色透明な弱アルカリ性の単純泉
下風呂温泉硫黄を含む源泉が複数。大湯・新湯・浜湯
景色
薬研温泉ヒバとブナの渓谷。遊歩道が通る
下風呂温泉津軽海峡。対岸に北海道が見える
季節
薬研温泉紅葉は10月下旬から11月上旬
下風呂温泉冬は大間のマグロとあんこう
日帰りの湯
薬研温泉元祖かっぱの湯と夫婦かっぱの湯
下風呂温泉二つの源泉を引く「海峡の湯」
どちらを選ぶか
両方行くならどちらもむつ市から先。下北半島を回るなら、山の湯と海の湯を一日ずつに分けて泊まると半島の広さがわかる。
それぞれの宿
- ホテルニュー下風呂青森県下北郡風間浦村下風呂、津軽海峡に面した全24室の宿。下風呂温泉にある大湯・新湯・浜湯の三つの源泉のうち、浜湯を自家源泉として持つ。海沿いでは珍しい乳白色の硫黄泉で、源泉温度は47度。宿は「24時間掛け流しなのでいつでも純粋な温泉に入っていただけます」と書く。大浴場は1階にあり、鉄平石を敷いた洗い場と畳の脱衣場。大きな窓から下風呂漁港が見える。湯量が少ないため浴槽は小さめだと宿は断っている。下北駅からバスで約1時間。
- 下風呂観光ホテル 三浦屋本州最北の下風呂温泉にある16室のホテル。宿は下風呂を室町時代の記録にも残る湯治場とし、泉質の異なる源泉が四か所あってすべて硫黄泉だと書く。風呂からは津軽海峡が見える。JR下北駅から車で50分。
よくある質問
Qかっぱの湯とは何ですか?
奥薬研温泉にある露天風呂の名前です。恐山を開いた慈覚大師が崖から落ちて苦しんでいたとき、かっぱが背負って湯に運んだという言い伝えから名付けられたと、むつ市は書いています。
Qどちらが行きやすいですか?
どちらも遠いですが、薬研はむつ市の中心から大畑川をさかのぼります。下風呂は風間浦村で、大間へ向かう海沿いの道の途中です。目的地を一つに絞るほうが無理がありません。