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雲仙は、日本で最初に国立公園に指定された地域のひとつである。標高700メートルほどの高原に温泉街があり、夏でも比較的涼しい。
温泉街のすぐ隣が「雲仙地獄」。白い噴気が地面のあちこちから上がり、硫黄の匂いが街まで届く。この距離の近さが雲仙の特徴になっている。
この温泉地の湯
酸性-含硫黄泉。pH2.3前後の強い酸性で、湯は白濁する。硫黄の香りもはっきりしている。地獄の直下から湧く湯なので、噴気地帯の性質がそのまま出ている。
刺激が強いため、肌の弱い方は湯上がりに真水で流したい。銀製品は硫黄で変色するので、入浴前に外しておくこと。
温泉街から少し離れた小地獄には別の湯があり、こちらも日帰りで入れる。同じ雲仙でも湯の印象が違う。
雲仙地獄
温泉街の中心に雲仙地獄がある。硫黄の蒸気が地表のいたるところから噴き出し、周囲の土は白く変色している。
木道の遊歩道が整備されており、噴気孔のあいだを歩いて回れる。一周はおよそ30分から1時間。入浴施設ではなく見学地だが、雲仙の湯がどこから来ているかを目で確かめる場所になっている。地熱で蒸した温泉たまごが売られており、地獄めぐりの定番になっている。ガスが出ているので、遊歩道から外れないこと。
この地獄には重い歴史がある。江戸初期、キリシタンの弾圧がここで行われた。高温の熱湯を用いた拷問と処刑の場であり、殉教した人々を悼む十字架が立っている。景勝地として歩くだけでは足りない場所である。
避暑地としての来歴
雲仙が国立公園に指定されたのは1934年である。日本で最初に指定された地域のひとつにあたる。
標高およそ700メートルの高原にあり、夏は涼しい。明治から昭和にかけて、上海や香港に暮らす外国人の避暑地として賑わった。当時建てられた洋風建築が今も残り、この温泉地の景観に独特の重なりを与えている。
温泉地でありながら、山岳の国立公園でもある。この二面性が雲仙の性格をつくっている。日本の温泉地としては珍しく、湯だけを目的に来る場所ではない。
夏に行く温泉地
標高700メートルという高さは、九州では大きな意味を持つ。
九州の夏は暑い。海沿いの温泉地では、日中に露天風呂へ入る気になりにくい。雲仙はそうならない。避暑地として発達した経緯があるので、夏の使い方が最初から想定されている。
例年5月中旬から下旬は、仁田峠から妙見岳にかけての斜面がミヤマキリシマで染まる。国の天然記念物に指定されており、この時期は道路が混雑する。
紅葉は例年10月下旬から11月上旬。標高があるぶん季節の進みが早く、冬には霧氷が見られることもある。
島原半島を回る
雲仙は島原半島の中央にある。どちらへ下りるかで、その先の行程が変わる。
東へ下れば島原に出る。島原城と武家屋敷が残り、湧水の町としても知られる。有明海をフェリーで渡れば熊本へ抜けられる。
西へ戻れば諫早、長崎方面になる。
仁田峠からロープウェイで妙見岳まで上がれば、島原半島と有明海まで見渡せる。正面に見える平成新山は、1990年代の噴火で新しくできた山である。この一帯が今も活動する火山であることを、目で確かめられる。
歩き方
長崎駅前や諫早駅からバスが運行している。山道を登るため所要時間は長く、本数も限られる。時刻表を先に確認したい。
温泉街は徒歩で回れる規模で、雲仙地獄も歩いて行ける。仁田峠へは車かバスになる。
雲仙温泉の日帰り入浴
- 公共の浴場
- 小地獄温泉館
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
2.3強酸性
0 酸性7アルカリ性 14
秋・冬
- 所在地Location
- 長崎県
- 泉質Spring Quality
- 酸性泉・硫黄泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR諫早駅(バス約1時間20分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約4時間30分
- 大阪からFrom Osaka
- 約4時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
雲仙温泉のよくある質問
Q雲仙温泉は日帰りでも入れますか?
入れます。公共の浴場や日帰り入浴を受け入れている宿があり、雲仙地獄は自由に歩けます。長崎市内や諫早からバスで行ける距離なので、日帰りの行程も成り立ちます。ただし標高700メートルの高原にあるため、山道の移動に時間がかかることは見込んでおいてください。
Q雲仙地獄は入浴できるのですか?
入浴施設ではなく、硫黄の蒸気が噴き出す様子を見学する場所です。木道の遊歩道が整備されており、白い蒸気と硫黄の匂いのなかを歩きます。ガスが出ているため遊歩道から外れないでください。入浴は別に温泉施設を利用します。
Q雲仙温泉はどんな泉質ですか?
硫黄泉と酸性泉で、白濁した湯に強い硫黄の香りがあります。酸性のため肌に刺激を感じることがあり、銀製品は変色するので外して入ってください。雲仙地獄の直下から湧く湯で、噴気地帯の性質がそのまま湯に出ています。
Q雲仙のミヤマキリシマはいつ咲きますか?
例年5月中旬から下旬にかけてです。仁田峠から妙見岳にかけての斜面がピンク色に染まります。国の天然記念物に指定されており、この時期は仁田峠へ向かう道路が混雑します。紅葉は例年10月下旬から11月上旬です。
Q雲仙温泉へは車がなくても行けますか?
行けます。長崎駅前や諫早駅からバスが運行しています。ただし山道を登るため所要時間は長く、本数も限られます。温泉街自体は徒歩で回れる規模で、雲仙地獄も歩いて行けます。仁田峠へはロープウェイを使いますが、そこまでの移動は車かバスになります。
ほかの温泉地と比べる
雲仙温泉の宿

雲仙温泉 民芸モダンの宿 雲仙福田屋
雲仙の40室の宿。露天風呂二か所、内湯二か所、貸切湯四か所のすべてが源泉かけ流しの白濁温泉だと宿は書く。泉質は硫黄泉。諫早ICおよびJR諫早駅から車で55分。

雲仙温泉 雲仙観光ホテル
1935年(昭和10年)開業外国人客のために建てられたクラシックホテル。国の登録有形文化財で、山小屋風の外観と重厚な内装を今に残す。
UPDATED 2026.08.27


