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吾妻連峰の中腹、高湯温泉の敷地に茅葺きの小屋が建っている。
玉子湯という湯小屋で、明治元年に建てられたものがそのまま残っている。
茅葺きの湯小屋
創業は1868年、明治元年である。宿の名も、この湯小屋の名から来ている。
小屋の中は木の浴槽が一つあるだけで、乳白色の湯が注がれている。硫黄の香りが強い。屋根が低く、外の光が入る隙間から明るさが差す。
百五十年以上前に建てられた湯小屋が、今も現役で使われている。建て替えていないので、当時の入浴がどういうものだったかがそのまま残っている。
敷地にはこのほか露天風呂もあり、山の斜面を見ながら入れる。
加水しない
高湯温泉の特徴は湯量にある。
自然湧出の湯を加水せずに使う宿が多く、この宿もその一つである。浴槽に注ぎ続けて溢れさせる方式は、湧く量に余裕がなければ成り立たない。
湯は酸性の硫黄泉で、乳白色に濁る。薄めていないぶん、濁りも香りもそのまま出る。
刺激があるので長湯は避けたい。湯上がりに真水で流すと負担が軽くなる。銀製品は硫黄で変色するため、外してから入ること。白いタオルが変色することがある。
山の中腹にいるということ
高湯は福島駅からバスで40分ほど、山道を上がった先にある。
温泉街と呼べるほどの規模はない。斜面に宿が点在しているだけで、夜に出歩く場所を探すより、宿で過ごす前提で組むほうが合っている。
宿の先には磐梯吾妻スカイラインが通っている。標高1,600メートル近くまで上がる山岳道路で、浄土平では火山の荒れた地形が広がる。冬季は閉鎖され、例年4月頃から11月頃までの開通になる。
冬は雪が深い。白濁した湯に雪が落ちてくる景色は見られるが、道路状況の確認が要る。
この宿を選ぶなら
湯小屋と湯そのものを目的にする方に向く。日帰り入浴も受け入れている。
福島市の周辺には性格のまったく違う三つの温泉地がある。飯坂は平地の熱い湯、土湯は吾妻連峰の入口、高湯は山の中腹の白濁湯。福島駅を起点にすれば、一泊二日で二つは回れる。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

鉛温泉 藤三旅館
岩手県1786年立ったまま入る深さ1.25メートルの「白猿の湯」を持つ宿。総けやき造りの本館に四つの浴場があり、宿は源泉5本を加熱も加水も循環もせずに使うと書く。旅館部と自炊の湯治部が同じ建物にあり、湯治の形が今も生きている。32室。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。

岩井温泉 岩井屋
鳥取県創業150年創業150年、昔ながらの木造三階建て、全館畳敷きの13室の旅籠。1300年続く山陰最古といわれる岩井の湯を、蛇口の水まですべて源泉かけ流しで使う。名物の「源泉長寿の湯」は直立しても胸まで浸かる深い浴槽で、湯底に敷いた松板の真下から湧く湯をそのまま使う。竹垣に囲まれた露天「背戸の湯」、大浴場「祝いの湯」、貸切「よいまち草」。日本秘湯を守る会の会員宿で、日帰り入浴を受ける。
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