温泉に何度も入ったあと、だるさや頭痛、食欲不振が出ることがあります。
湯あたりと呼ばれます。その場で起こるのぼせとは別のもので、入浴を重ねたあとに出てきます。
のぼせとは違う
のぼせは入浴中に起こります。
熱い湯に長く入ることで血圧や体温が急に変化し、めまいや立ちくらみが出ます。湯から上がって涼み、水分を取れば収まるのが普通です。
湯あたりは、何度か入浴を重ねたあとに出ます。一日目より二日目、二日目より三日目に出やすく、宿を出てから気づくこともあります。
強い湯ほど起こりやすい
刺激の強い湯ほど、体への負担も大きくなります。
草津温泉はpH2.1前後、蔵王温泉は1.3から1.6前後の強酸性泉です。玉川温泉は1.2前後で、源泉100パーセントの浴槽は数分で上がるのが前提になっています。
濃い硫黄泉も同様です。万座温泉は硫黄の含有量が国内最高水準とされ、標高1,800メートルという条件も加わります。
一方、アルカリ性単純温泉のように刺激の少ない湯では、同じ回数入っても負担は小さくなります。道後温泉で湯めぐりが成立するのは、この穏やかさによります。
湯めぐりで起きやすい
外湯めぐりのある温泉地では、つい数を回りたくなります。
渋温泉には九つの外湯があり、すべて回るのが習わしとされています。ただし源泉がそれぞれ違い、一晩で九つ回ると多くの人は湯あたりします。二泊するか、数を絞るほうが現実的です。
鳴子温泉郷は泉質の多様さで知られますが、性格の違う湯を続けて入るぶん、体は反応します。二、三か所が現実的な上限です。
避けるための入り方
湯治場に伝わる入り方が参考になります。
長く浸かるのではなく、短く入って上がり、間を置いてまた入る。三朝温泉のように効きの分かりにくい湯でも、この形が本来の使い方とされます。
- 一回の入浴を短くする。強い湯では数分で上がる
- 入浴と入浴のあいだに時間を置く
- 水分を取る。入浴中に汗をかいている
- 飲酒後は入らない
- 一日の回数を決めておく。四回も五回も入らない
- 湯上がりに真水で流す。酸性泉や硫黄泉では肌の負担も減る
連泊するなら
湯治は本来、長期滞在を前提とした入り方です。
酸ヶ湯や玉川温泉、花巻温泉郷の自炊部では、数日から数週間の滞在が想定されています。その場合も、一日に何度も長く入るのではなく、短い入浴を回数に分けます。
初日から飛ばすと二日目に出ます。滞在が長いほど、最初を控えめにする意味があります。
体調が優れないとき
発熱しているとき、体調が悪いときは入浴を避けてください。
温泉地は多くが山にあり、標高差と気温差も加わります。移動の疲れが残った状態で強い湯に入ると、負担が重なります。
到着してすぐ長く入るより、まず短く入って様子を見るほうが確実です。





