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Iwate — Onsen Area
花巻温泉郷(岩手県)の風景

Photo: 及川悟 / CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

Hanamaki Onsen

花巻温泉郷

はなまきおんせんきょう

豊沢川と台川の谷に十二の温泉地が点在する。宮沢賢治が歩いた土地であり、鉛温泉の立って入る白猿の湯が知られる。

Quality
単純温泉・硫酸塩泉・塩化物泉
Access
JR東北新幹線 新花巻駅(バス約30分)
From Tokyo
約3時間30分
From Osaka
約6時間30分

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花巻温泉郷は一つの温泉地ではない。豊沢川と台川の谷に、十二の温泉地が点在している。

花巻温泉、台温泉、鉛温泉、大沢温泉、志戸平温泉、渡り温泉——大型の宿が並ぶ地区もあれば、自炊部を残す湯治宿もある。同じ「花巻」でも、選ぶ地区で旅の形が変わる。

立って入る風呂

鉛温泉に白猿の湯という浴槽がある。深さおよそ1.25メートル。座って入ることができず、立ったまま浸かる。

足元の岩盤から湯が湧く岩風呂で、天井の高い吹き抜けの空間にある。この形の浴槽は全国でも珍しい。湯船の底から直接湯が上がってくるため、湯の鮮度が高い。

傷ついた白猿がこの湯で傷を癒していたという開湯伝説が、名の由来になっている。

湯治の形が残る

花巻温泉郷には、自炊部を持つ宿が今も残っている。

台所があり、長期滞在の客が自分で食事を作る。かつて東北の農村で当たり前だった湯治の形が、そのまま続いている。

観光地化した地区と、湯治宿の地区が同じ谷に共存している。この落差が花巻の面白さである。

宮沢賢治の土地

花巻は宮沢賢治の生まれ育った土地である。

宮沢賢治記念館、賢治が設計した花壇の残る羅須地人協会跡、童話村が市内にある。温泉郷から車で回れる距離だ。

賢治自身もこの一帯の湯を歩いている。作品の背景にある岩手の風土を、湯とあわせて辿ることができる。

この温泉地の湯

地区によって泉質が異なる。単純温泉、硫酸塩泉、塩化物泉。無色透明の湯が中心で、刺激は強くない。

自炊部という選択肢

花巻には、湯治のための部屋を今も残している宿がある。

自炊部は、旅館部とは料金も設えも違う。食事が付かず、台所を共同で使い、寝具や暖房が別料金という形が一般的である。設備は簡素で、部屋に何もないことも多い。

これは安く泊まる手段としてではなく、湯に長く入るための形として残ってきたものである。かつて東北の農閑期には、米を持ち込んで何週間も滞在する客がいた。大沢温泉などにその姿を見ることができる。

一泊でも泊まれるが、旅館の快適さを期待して入ると戸惑う。何を目的にその部屋を取るのかを、先に決めておくことになる。

どの地区を選ぶか

花巻温泉郷は十二の温泉地に分かれており、地区ごとに性格が違う。

花巻温泉や志戸平温泉には大型の宿が並び、設備が整っている。家族連れや、移動を減らしたい行程に向く。

鉛温泉には立って入る白猿の湯がある。深さおよそ1.25メートルの岩風呂で、湯船の底から直接湯が上がってくる。湯そのものを目的にするならここになる。

大沢温泉や台温泉には湯治宿の空気が残っている。大沢温泉は一軒宿が三つの館に分かれていて、食事の付く旅館と自炊の湯治屋のどちらにも泊まれる。

鉛温泉、大沢温泉、志戸平温泉については、それぞれ個別の記事を書いた。湯の引き方も宿の造りも地区ごとに違うので、泊まる前にそちらを見てほしい。

地区の間はバスか車での移動になる。歩ける距離ではないので、「花巻に泊まる」ではなく「どの地区に泊まる」を先に決めることになる。

賢治を辿る

宮沢賢治記念館、羅須地人協会跡、童話村。いずれも市内にあり、温泉郷から車で回れる。

賢治は農学校の教師として働きながら、この一帯を歩いていた。作品に出てくる風景の多くは、実在の場所を下敷きにしている。

湯だけを目的にすると、花巻は移動時間の長い温泉地になる。賢治の土地を回るという軸を足すと、一日の中身が変わる。平泉の中尊寺までは車で一時間ほど、遠野も同じ範囲にある。

歩き方

JR東北新幹線の新花巻駅からバスで30分ほど。東京から合計3時間30分ほどで着く。

地区の間はバスか車での移動になる。歩ける距離ではないので、どの地区に泊まるかを先に決めたい。

Day Trip

花巻温泉郷の日帰り入浴

  • 各地区の宿の日帰り入浴
  • 湯治宿の浴場

受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。

Data

温泉地カルテ

Best Season

秋

春夏秋冬
Benefits
神経痛筋肉痛冷え性疲労回復
所在地Location
岩手県
泉質Spring Quality
単純温泉・硫酸塩泉・塩化物泉
最寄駅Nearest Station
JR東北新幹線 新花巻駅(バス約30分)
東京からFrom Tokyo
約3時間30分
大阪からFrom Osaka
約6時間30分

※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。

FAQ

花巻温泉郷のよくある質問

Q花巻温泉郷は日帰りでも入れますか?
A

入れます。各地区に日帰り入浴を受け入れている宿があります。新花巻駅からバスで30分ほど、東京から新幹線でおよそ3時間で着きます。地区によって湯が異なるため、一日で二か所ほど回ると花巻の幅が体験できます。

Q花巻温泉郷にはいくつの温泉地がありますか?
A

十二の温泉地からなります。花巻温泉、台温泉、鉛温泉、大沢温泉、志戸平温泉、渡り温泉などが豊沢川と台川の谷に点在しています。大型の宿が並ぶ地区もあれば、自炊部を残す湯治宿もあり、性格が大きく分かれています。

Q白猿の湯とはどんな風呂ですか?
A

鉛温泉にある深さおよそ1.25メートルの湯船で、立ったまま入ります。足元の岩盤から湯が湧く岩風呂で、天井の高い吹き抜けの空間にあります。深さのため座って入ることができず、この形の浴槽は全国でも珍しいものです。

Q宮沢賢治ゆかりの場所はありますか?
A

花巻は宮沢賢治の生まれ育った土地です。宮沢賢治記念館、賢治が設計した花壇の残る羅須地人協会跡、童話村などが市内にあります。温泉郷から車で回れる距離にあり、湯とあわせた行程が組めます。

UPDATED 2026.10.03

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