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農家が始めた宿の村
湯坪温泉は大分県玖珠郡九重町湯坪。九重連山の麓にある。
九重町の公式サイトは、この温泉地の成り立ちをこう書いている。
「この地は、大岳地獄があり古くから自然の温泉が湧出していました。昭和50年代に地元農家が民宿を始め、現在約20軒の民宿があり『湯坪民宿村』と呼ばれています。採れたての新鮮野菜や山菜が豊富で、しかも安価な宿泊料金で温泉を楽しめます」。
旅館でもホテルでもなく、民宿である。しかも農家が始めた。
昭和50年代というと1975年から1984年。くじゅう連山の観光が伸びた時期にあたる。登山や高原の客を、地元の農家が自分の家で受けるようになった。
約20軒。それが集まって村になっている。
大岳地獄があった土地
九重町の文にある「大岳地獄」は、地面から蒸気が噴き出す場所のことだ。
九重町一帯は地熱の土地で、大岳には九州電力の地熱発電所がある。大分県は、この大岳発電所が昭和42年(1967年)に運転を始めた日本で最初の事業用地熱発電所だと紹介している。
つまり湯坪の湯は、掘り当てたものではなく、もともと出ていた。それを農家が使うようになったという順番だ。
地獄という言い方は、九重町の温泉地の名前にも残っている。寒の地獄温泉がそれだ。
安く泊まる温泉地
九重町が「安価な宿泊料金」とわざわざ書いているのは、この温泉地の性格をよく表している。
民宿なので、部屋数は少ない。数室という宿が多い。館内に土産物屋も宴会場もない。
代わりに、畑で採れたものが食卓に出る。山菜、野菜、地鶏。
くじゅうを歩く人、高原を回る人が、寝るためと湯のために泊まる。そういう使われ方をしてきた。
宿によっては露天から九重連山が見える。山のなかの集落なので、遮るものが少ない。
筋湯まで車で十分
湯坪の隣が筋湯温泉である。
筋湯には共同浴場「うたせ大浴場」があり、3メートルの高さから18本の湯が落ちる。肩や腰に当てて筋の凝りをほぐすので「筋湯」という名前になった。
車で10分ほど。湯坪に泊まって筋湯のうたせ湯に入る、という回り方ができる。
九重町には十一の温泉地がある。筋湯、宝泉寺、長者原、湯坪、龍門、壁湯、筌の口、寒の地獄、九酔渓、川底、水分。
湯坪はそのうち山の側、標高の高いほうに属する。
くじゅうに登る前の夜
長者原までは車で20分ほど。牧ノ戸峠へも近い。
長者原はくじゅう連山の登山基地で、タデ原湿原がある。ラムサール条約の登録湿地だ。
牧ノ戸峠は久住山への最短ルートの起点になる。標高1330メートルまで車で上がれるので、そこから登る人が多い。
くじゅうの山は朝が早い。前の晩に麓に泊まっておくと、登山口に朝いちばんで入れる。民宿が早い朝食に対応することもある。
静かさの種類
温泉地の静かさにはいくつか種類がある。
宿が一軒しかなくて静かな場所、大きな宿が離れて建っていて静かな場所、そして、小さな宿が集まっているのに賑やかにならない場所。
湯坪は三つめにあたる。二十軒あっても、それぞれが数室の民宿なので、集落全体で見ても客の数が知れている。
通りに店はない。夜は暗い。
九重町の温泉地のなかでも、いちばん生活の側に近い場所だと言っていい。
着くまで
やまなみハイウェイから筋湯経由で車20分ほど。JR久大本線の豊後中村駅からは車で40分ほど。
公共交通は限られる。豊後中村駅から筋湯方面のバスがあるが本数は少ないので、車で入るのが現実的だ。
大分自動車道の九重ICからは40分ほど。湯布院へも車で40分、黒川温泉へも30分ほどで、県境をまたいだ旅程が作れる。
冬は路面が凍ることがある。標高が高いので、平地より気温が低い。
湯坪温泉の日帰り入浴
- 筋湯温泉のうたせ大浴場
- 長者原と牧ノ戸峠
- 九重夢大吊橋
九重町は十一の温泉地を持つ。湯坪は山の側にあたる。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・夏
- 所在地Location
- 大分県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR久大本線 豊後中村駅(車約40分)/やまなみハイウェイから筋湯経由(車約20分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約4時間30分
- 大阪からFrom Osaka
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
湯坪温泉のよくある質問
Q湯坪温泉はどこにありますか
大分県玖珠郡九重町湯坪です。やまなみハイウェイから筋湯経由で車20分ほど。JR久大本線の豊後中村駅からは車で40分ほどです。九重夢温泉郷を構成する十一の温泉地のひとつで、隣が筋湯温泉になります。
Q民宿村とはどういう意味ですか
民宿が集まった集落という意味です。九重町はこう書いています。「この地は、大岳地獄があり古くから自然の温泉が湧出していました。昭和50年代に地元農家が民宿を始め、現在約20軒の民宿があり『湯坪民宿村』と呼ばれています」。旅館やホテルではなく、農家が始めた民宿が中心です。
Qどんな食事が出ますか
九重町は「採れたての新鮮野菜や山菜が豊富で、しかも安価な宿泊料金で温泉を楽しめます」と書いています。もともと農家が始めた宿なので、自分の畑のものが出ます。
Q泉質を教えてください
宿によって表示が違いますが、単純温泉としているところがあります。九重夢温泉郷全体では、筋湯のうたせ湯、宝泉寺の単純温泉、筌の口の黄褐色に濁る炭酸泉、寒の地獄の硫黄冷泉と性格が分かれます。泊まる宿の表示を見てください。
Q筋湯温泉は近いですか
近いです。車で10分ほど。筋湯温泉には3メートルの高さから18本の湯が落ちる共同浴場「うたせ大浴場」があります。湯坪に泊まって筋湯のうたせ湯に入る、という組み立てができます。
Qくじゅう連山に登れますか
登れます。登山基地の長者原までは車で20分ほど、牧ノ戸峠までも近い位置にあります。久住山や中岳へ登る人が前泊に使うことがあります。
ほかの温泉地と比べる
湯坪温泉の宿

湯坪温泉 懐古乃宿 萬作屋
九重の湯坪温泉にある8室の宿。浴室をすべて貸切の家族風呂にしていて、自由に入れる。そのうち一つは湯船に新鮮なバラの花を浮かべた「バラ湯」。チェックインから翌朝9時30分まで入れる。

湯坪温泉 民宿 路
大分県玖珠郡九重町湯坪、湯坪民宿村の6室の民宿。宿は露天風呂から九重連山を一望できるとし、内湯は桧風呂で数年ごとに新しい桧材を張り替えていると書く。泉質は単純温泉。やまなみハイウェイから筋湯経由で車20分。チェックインは21時まで受けている。
UPDATED 2026.09.29


