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十四度の温泉
寒の地獄温泉は大分県玖珠郡九重町田野。標高1100メートルの飯田高原にある。
この温泉の特異さは、温度にある。源泉は13度から14度。温泉ではあるが、冷たい。
名前がそれを言い表している。寒の地獄。地獄というのは温泉地でよく使われる言葉だが、ふつうは熱いから地獄と呼ぶ。ここは冷たいから地獄である。
宿は湧出量を毎分2,160リットルとしている。一昼夜で3,110,400リットル。それだけの冷泉が湧き続けている。
震えるまで入って、拭かずに暖まる
この湯には決まった入り方がある。宿が浴場に掲示している文章をそのまま引く。
「水着着用でそのまま入浴できます。最初の1~2分間は大変冷たく皮膚に刺激を感じますが、これは含有薬分の関係ですから3分くらい経ちますと刺激を感じなくなります。それからは各自の体力と忍耐で入浴時間はまちまちですが、ある程度時間が経ちますと中で震えが始まりますので、その時浴槽から上がり、身体を拭かないで別室の暖房室(ストーブ)・薪ストーブサウナ室で充分あぶりこみ暖をとってください。これは医学的にも大変効果のある療養法だといわれております」。
要点は二つある。震えが始まるまで入ること。そして、上がったら体を拭かずに暖まること。
拭かないというのは、湯の成分を肌に残すためだろう。濡れたまま火の前に座る。それを繰り返す。
効き方は人によるし、体への負担も小さくない。持病があるなら医師に確かめてからにしたい。
嘉永二年から
開湯について、宿は「江戸末期嘉永2年に開湯した歴史ある湯どころ、寒の地獄温泉」と書いている。
嘉永2年は1849年。ペリーが浦賀に来る4年前だ。公式サイトのトップには「おかげさまで開湯177年」とある。
冷たい湯を療養に使うという方法が、そのころから続いている。
温泉と冷泉を、交互に
冷泉だけではない。温めた湯の浴場もある。
宿は互久楽湯(桧湯、切石湯)を男女日替わりとし、家族湯(桧湯、岩湯、切石湯)は自由に入れるとしている。日本秘湯を守る会の登録では内湯6、露天0。
宿は「全国でも数少ない、一度に温泉と冷泉の交互入浴がお楽しみいただけます」と楽天トラベルに登録している。
熱い湯と冷たい湯を行き来する。サウナと水風呂の関係に似ているが、こちらは両方が温泉である。
夏の湯、だったもの
冷泉の利用には、もともと季節があった。
日本秘湯を守る会に登録された情報では、冷泉の利用は7月から9月と期間限定とされている。14度の湯に入るのは、夏でなければつらい。
それが変わったのが2023年だ。宿は同年夏にサウナをオープンし、楽天トラベルには「サウナオープンにより冷泉が1年中ご利用いただけるようになりました」と登録している。
冷泉に入って、薪ストーブのサウナで暖まる。この組み合わせなら冬でも成立する。二百年近く夏だけのものだった湯の使い方が、設備ひとつで通年になった。
単純硫化水素泉
泉質について、宿は単純硫化水素泉と掲示している。日本秘湯を守る会の登録では単純硫黄泉。
浴用の適応として宿が挙げているのは、水虫や皮膚病、慢性関節リウマチ、神経痛、神経炎、胃腸病、糖尿病、婦人病疾患、慢性金属中毒症、感冒予防、喘息。飲用についても慢性筋肉リウマチ、痛風、神経麻痺、気管支カタル、常習便秘を挙げている。
いずれも宿の掲示による。効き方は人によるので、そのまま受け取らず、気になることは医師に確かめてほしい。
飯田高原の宿として
標高1100メートル。周りは飯田高原だ。
長者原はくじゅう連山の登山口で、タデ原湿原はラムサール条約に登録されている。九重夢大吊橋も車の範囲にある。
同じ九重町には筋湯、壁湯、筌の口、宝泉寺といった温泉が並ぶ。そのなかで寒の地獄だけが冷泉である。
宿は水曜日を休館日としている。行く前に営業日と冷泉の扱いを確かめてから向かいたい。
寒の地獄温泉の日帰り入浴
- 長者原
- くじゅう連山の登山口
- 筋湯温泉
- 九重夢大吊橋
宿は水曜日を休館日としている。冷泉の利用期間は時期によって変わる。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
14℃冷鉱泉
2060100℃
夏・秋・冬
- 所在地Location
- 大分県
- 泉質Spring Quality
- 硫黄泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR久大本線 豊後中村駅からバスで約50分
- 東京からFrom Tokyo
- 福岡空港か大分空港から車。大分自動車道の九重ICから長者原方面へ約30分。
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
寒の地獄温泉のよくある質問
Q冷たい温泉なのですか
そうです。寒の地獄旅館は源泉の温度を13度から14度としています。夏でもかなり冷たく感じる温度です。宿は泉質を単純硫化水素泉、湧出量を毎分2,160リットルと掲示しています。温めた温泉の浴場もあるので、冷泉と温泉を交互に使えます。
Qどうやって入るのですか
宿が入り方を掲示しています。「水着着用でそのまま入浴できます。最初の1~2分間は大変冷たく皮膚に刺激を感じますが、これは含有薬分の関係ですから3分くらい経ちますと刺激を感じなくなります。それからは各自の体力と忍耐で入浴時間はまちまちですが、ある程度時間が経ちますと中で震えが始まりますので、その時浴槽から上がり、身体を拭かないで別室の暖房室(ストーブ)・薪ストーブサウナ室で充分あぶりこみ暖をとってください」。体を拭かないで暖まる、というところが要点です。
Q冷泉はいつ入れますか
もともとは夏の期間限定でした。日本秘湯を守る会に登録された情報では冷泉の利用は7月から9月とされています。ただし宿は2023年夏にサウナをオープンし、楽天トラベルには「サウナオープンにより冷泉が1年中ご利用いただけるようになりました」と登録しています。訪れる時期の扱いは宿に確かめてください。
Qいつからある温泉ですか
寒の地獄旅館は「江戸末期嘉永2年に開湯した歴史ある湯どころ」と書いています。嘉永2年は1849年です。公式サイトのトップには「おかげさまで開湯177年」とあります。
Qどんなお風呂がありますか
宿は互久楽湯(桧湯、切石湯)を男女日替わりとし、家族湯(桧湯、岩湯、切石湯)は自由に入れるとしています。これに冷泉と薪ストーブサウナが加わります。日本秘湯を守る会の登録では内湯6、露天0です。
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UPDATED 2026.09.25



