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海を観る寺の名前
観海寺温泉は大分県別府市、市街地の西側の斜面にある。別府八湯のひとつだ。
名前の由来は、この地にあった寺である。おおいた遺産はこう書いている。「観海寺の語源は、この地にある寺の名称。養老年代の718年、僧・仁聞が温泉を開き、観海寺を開基したと伝わる」。
仁聞は仁聞菩薩と呼ばれ、国東半島で28の寺院を開基し、六郷満山の開祖とされる人物だ。大分の古い寺の由緒には、たいていこの名前が出てくる。
海を観る寺、と書く。実際、ここからは別府湾が見える。
別府八湯でいちばん高い場所から
別府八湯温泉道(別府市観光協会内)は、観海寺温泉をこう紹介している。「鎌倉時代から多くの人が湯治に訪れた温泉郷。別府八湯で最も見晴らしが良く、晴れた日には四国も望める」。
おおいた遺産も「標高150メートルの高台、一望のもとに、という言葉が浮かぶ。別府市街地を越え別府湾、晴れた日には四国も見える眺望がすばらしい」と書く。
別府湾の向こうにあるのは四国の佐田岬半島だ。距離にして数十キロ。晴れて空気が澄んだ日に限る話ではあるが、見えるときは見える。
別府の温泉地の多くは平地か谷にある。ここだけが斜面の上にあって、街を見下ろす。
蒸気ではなく、眺めで知られる
別府というと、鉄輪の湯けむりや明礬の湯の花小屋を思い浮かべる人が多い。地面から蒸気が上がる景観だ。
観海寺にはそれがない。地形が違う。斜面の上で、湯は宿のなかにある。
代わりにあるのが眺めだ。風呂から別府市街と別府湾が見える、という作りの宿が並ぶ。夜になれば街の灯りが下に広がる。
同じ市内でも、八つの温泉郷は性格がはっきり違う。観海寺は、湯そのものよりも湯に入りながら何を見るかで選ばれてきた場所である。
大型ホテルの地区と、その先
おおいた遺産は、戦後の観海寺について「大型リゾートホテルが立地。別府観光をけん引してきた」と書く。
団体旅行の時代に、別府の顔だった地区だ。今も大きなホテルが斜面に並んでいる。
そのうえで、同じ文章はこう続く。「一方で、かって“秘湯”ともされてきたもう一つの顔がある。大型リゾートホテルの地区を抜けて、さらに急な坂を山中へ」。
観海寺は、ひとつの顔で説明できる温泉地ではない。下は大型ホテル、上は山の湯。その落差が、この温泉郷の特徴になっている。
温度が下がると青くなる湯
坂を上がった先にあるのが「いちのいで会館」である。
おおいた遺産の説明を引く。「別府湾が一望のところにコバルトブルーと言ったらいいか、青乳色の温泉」。泉質はナトリウム-塩化物泉。
青くなる仕組みについては、こう書かれている。「源泉は無色透明だが、湯の温度が下がると、化学反応を起こし、光にあたって青く見えるという」。
つまり、湧いた時点では透明である。温度が下がる過程で色がつく。だから条件によって見え方が変わる。
コバルトブルーの温泉は全国の温泉地でも珍しい、とおおいた遺産は書いている。
八湯のうち、山の側
別府八湯は、浜脇、別府、観海寺、堀田、明礬、鉄輪、柴石、亀川の八つだ。
海沿いから山へ向かって並んでいる。浜脇と亀川が海の側、明礬がいちばん高いところ。観海寺と堀田はその中間、山の斜面にあたる。
観海寺と堀田は別府ICから近い。車で別府に入るなら、高速を降りて最初に着くのがこのあたりになる。
別府八湯温泉道というスタンプラリーがあり、約150の施設が参加している。88の湯をめぐると名人を目指せる仕組みだ。観海寺の施設もそこに入っている。
着くまで
JR別府駅から車で7分ほど、バスなら15分ほど。大分道の別府ICからは車で10分ほど。
別府駅から歩いて上がるのは現実的ではない。斜面の温泉地なので、バスか車で上下する。
宿によっては別府駅からの送迎がある。坂が急なので、あるなら使ったほうがいい。
別府ロープウェイの乗り場が近く、鶴見岳へ上がれる。地獄めぐりは鉄輪と柴石にあるので、車で10分から20分ほど移動することになる。
観海寺温泉の日帰り入浴
- 別府ロープウェイと鶴見岳
- 別府地獄めぐり
- 別府公園
斜面の温泉地なので、歩いて回るより車かバスで上下するほうが楽だ。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・冬
- 所在地Location
- 大分県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉・塩化物泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR日豊本線 別府駅(バス約15分/車約7分)/大分道 別府IC(車約10分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約3時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約2時間30分
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
観海寺温泉のよくある質問
Q観海寺温泉はどこにありますか
大分県別府市、別府市街地の西側の斜面にあります。おおいた遺産は標高150メートルの高台としています。JR別府駅からバスで15分ほど、車なら7分ほど。大分道の別府ICからも近く、車で10分ほどです。
Qどうして観海寺という名前なのですか
この地にあった寺の名前です。おおいた遺産によれば、養老年代の718年に僧の仁聞が温泉を開き、観海寺を開基したと伝わります。仁聞は国東半島で28の寺院を開いたとされ、六郷満山の開祖とされる人物です。海を観る寺、という字のとおり、ここからは別府湾が見えます。
Q四国が見えるというのは本当ですか
別府八湯温泉道(別府市観光協会内)は「別府八湯で最も見晴らしが良く、晴れた日には四国も望める」と書いています。おおいた遺産も同じことを書いています。ただし晴れた日に限る話で、いつでも見えるわけではありません。
Q青い湯があると聞きました
坂を上がった先にある「いちのいで会館」の湯です。おおいた遺産は泉質をナトリウム-塩化物泉とし、「源泉は無色透明だが、湯の温度が下がると、化学反応を起こし、光にあたって青く見えるという」と説明しています。コバルトブルーの湯は全国でも珍しいとしています。天候や時間によって見え方は変わります。
Q別府八湯のなかでどういう位置づけですか
八つのうち、山の側にあって高いところにある温泉郷です。鉄輪や明礬のように蒸気が街を覆う景観はなく、湯けむりよりも眺めで知られます。別府八湯温泉道は「鎌倉時代から多くの人が湯治に訪れた温泉郷」と書いています。
ほかの温泉地と比べる
観海寺温泉の宿
旅亭 松葉屋
別府市観海寺町、別府市街と別府湾を見下ろす高台にある18室の宿。公式サイトは趣の異なる五つの湯処を源泉掛け流しで楽しめると書き、無色透明の湯は飲泉にも使えるとしている。五つのうち四つは貸切または家族風呂。本館「丘ノ想」の薬師の湯は中国福建省の山中で採った巨岩をくりぬいた石風呂で、松の紋様が彫られている。別府駅から車で7分。
別府観海寺温泉 美湯の宿 両築別邸
別府湾を見下ろす40室の宿。宿は7つの湯殿がすべて源泉掛け流し100%だと書く。露天風呂と家族風呂がある。別府駅から車で10分、無料送迎は前日12時までの予約が要る。
UPDATED 2026.09.25


