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市街地にある温泉地
松崎温泉は静岡県賀茂郡松崎町。伊豆半島の西海岸にある。
日本温泉協会の紹介は短い。「松崎町の市街地に位置する温泉地。ナマコ壁の建物が点在し、情緒深い」。
温泉街が独立してあるのではなく、町のなかに湯がある。松崎は西伊豆では大きいほうの町で、役場も学校も商店もここにある。
伊豆の温泉地には山あいのものと海沿いのものがあるが、松崎は「町にある」という点で少し違う。
なまこ壁の町
松崎を有名にしているのは湯ではなく壁である。
なまこ壁は、壁面に四角い平瓦を並べ、その継ぎ目を漆喰でかまぼこ型に盛り上げる工法だ。白い線が格子に走る見た目になる。
海風と塩から建物を守るための工法でもあった。松崎は港町で、廻船業で栄えた時期がある。その富がこの壁を町に残した。
明治中期から昭和初期にかけて建てられたものが中心で、今も町のあちこちに残っている。町はこれを重要な資源と位置づけて保存に取り組んでいる。
伊豆でなまこ壁といえば下田も知られるが、松崎は棟数がまとまっている。
漆喰で絵を描いた人
もうひとつ、松崎には左官の記憶がある。
入江長八。「伊豆の長八」と呼ばれた江戸後期の左官で、漆喰で絵を描く鏝絵(こてえ)を芸術にまで高めた人物とされる。
鏝は左官が壁を塗る道具だ。それで立体の絵を作り、色をつける。天井や壁面に龍や花鳥を描いた。
町には作品を集めた美術館があり、町なかの建物にも鏝絵が残っている。
壁の工法と、壁に描く技術。この町の名物は二つとも壁に関わっている。
硫酸塩泉の湯
泉質は硫酸塩泉。日本温泉協会は泉質別適応症として、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症を挙げている。
宿はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉と表示している。
同じ西伊豆でも、堂ヶ島はアルカリ性単純温泉、土肥は硫酸塩泉と塩化物泉。松崎は硫酸塩泉の側にあたる。
源泉の温度は高い。西伊豆は全体に高温泉が多い。
春に田んぼが花畑になる
松崎町には春の名物がある。
松崎町観光協会が「田んぼをつかった花畑」として案内しているもので、稲を植える前の田に花を咲かせる。例年4月から5月にかけて。
那賀川沿いの田んぼ一面に花が広がる。年によって作付けと時期が変わるので、狙って行くなら観光協会の案内を見てからにしたい。
桜もある。町は「松崎の桜」という案内を出していて、川沿いや山側にいくつか見どころがある。
海水浴場が四つ
松崎町の海岸線には海水浴場が四つある。松崎、岩地、石部、雲見。
岩地は白い砂が続く浜で、石部は棚田で知られる地区の下にある。雲見は富士山が正面に見える浜だ。
どれも小さく、伊豆の東海岸のように人が溢れることはない。
西伊豆は夕日が海に沈む側でもある。夏の夕方、浜に座って日が落ちるのを見る人がいる。
着くまで
伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの堂ヶ島行きで約50分、松崎で降りる。
車なら東名高速の沼津ICから国道1号・136号経由で約80キロ、120分ほどと日本温泉協会は案内している。新東名の長泉沼津ICからも同じくらいだ。
鉄道は下田で終わる。そこから先はバスか車になる。西伊豆へは沼津側から南下する道もあるが、どちらも時間がかかる。
堂ヶ島までは車で15分ほど。西伊豆の海沿いを南北に走る旅程なら、松崎は中継点として使いやすい位置にある。
松崎温泉の日帰り入浴
- なまこ壁の町並み
- 伊豆の長八美術館
- 岩地・石部・雲見の海水浴場
堂ヶ島まで車で15分ほど。西伊豆の海沿いを南北に走れる。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
春・冬
- 所在地Location
- 静岡県
- 泉質Spring Quality
- 硫酸塩泉
- 最寄駅Nearest Station
- 伊豆急行 伊豆急下田駅(東海バス堂ヶ島行き約50分、松崎下車 徒歩5〜10分)/東名高速 沼津IC(車約120分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約4時間
- 大阪からFrom Osaka
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
松崎温泉のよくある質問
Q松崎温泉はどこにありますか
静岡県賀茂郡松崎町、伊豆半島の西海岸です。日本温泉協会は「松崎町の市街地に位置する温泉地。ナマコ壁の建物が点在し、情緒深い」と書いています。伊豆急行の伊豆急下田駅から東海バスの堂ヶ島行きで約50分、松崎で降りて徒歩5分から10分です。
Qなまこ壁とは何ですか
壁に四角い平瓦を並べ、継ぎ目を漆喰でかまぼこ型に盛り上げる工法です。松崎町にはこの壁を持つ建物が明治中期から昭和初期のものを中心に数多く残り、町は重要な資源として保存に取り組んでいます。海風と塩から建物を守るための工法でもありました。
Q入江長八とは誰ですか
松崎町出身の左官です。「伊豆の長八」と呼ばれ、漆喰で絵を描く鏝絵(こてえ)を芸術の域に高めた人物とされます。町には作品を集めた美術館があり、町なかの建物にも鏝絵が残っています。
Q泉質を教えてください
日本温泉協会は硫酸塩泉とし、泉質別適応症としてきりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症を挙げています。宿はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉と表示しています。
Q日帰りで入れますか
入れます。松崎町観光協会は日帰り温泉として炉ばた館と伊豆まつざき荘(14時から20時)を挙げ、足湯として「伊豆文の足湯」(24時間)を案内しています。近くの大澤地区にも日帰り施設が二つあります。営業日が変わることがあるので、行く前に確かめてください。
Q田んぼの花畑とは何ですか
松崎町が春に田んぼを使って作る花畑です。松崎町観光協会が「田んぼをつかった花畑」として案内しています。例年4月から5月にかけて、稲を植える前の田にレンゲやポピーなどが咲きます。年によって時期と作付けが変わるので、観光協会の案内を見てください。
ほかの温泉地と比べる
松崎温泉の宿

公共の宿 伊豆まつざき荘
静岡県賀茂郡松崎町江奈、駿河湾に面して建つ42室の国民宿舎。大浴場は最上階の6階にあり、熱湯、ぬる湯、打たせ湯、かぶり湯と露天が並ぶ。チェックインから翌朝9時まで入れる。貸切風呂にはシャワー車椅子とシャワーチェアーが用意してある。宿は源泉掛け流しと登録している。日帰り入浴は14時から20時。伊豆急下田駅からバスで50分。

松崎温泉 御宿しんしま
明治13年に名工・入江長八が手掛けた漆喰こて絵が残る蔵座敷があると宿は書いている源泉100%の天然出湯を掛け流しで使う13室の宿。貸切露天風呂が二つあるが、営業は冬季1か所・夏季2か所。明治13年に入江長八が手掛けた漆喰こて絵の残る蔵座敷がある。伊豆半島ジオパークのジオガイドのいる宿。
UPDATED 2026.09.29

