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松本から新島々を経てバスで山に入る。谷が深くなり、人家が見えなくなったころに着く。白骨温泉は標高およそ1400メートル、乗鞍岳の東麓にある。
白い湯
泡の湯の大露天風呂は広い。乳白色の湯が湛えられ、周囲を山の斜面が囲んでいる。
この白さは人の手で作ったものではない。湧いた時点では無色透明で、空気に触れると成分が変化して少しずつ濁っていく。だから時間や気温によって濁り方が変わる。朝と夕方で色が違うことがある。
湯船の底が見えないので、足を探りながら進むことになる。それも含めてこの湯の入り方である。混浴だが、女性専用の時間帯や別の浴槽が設けられている。
ぬるい湯に長く入る
屋内には、源泉をそのままの温度で引いた浴槽がある。こちらはぬるい。
入った直後は物足りなく感じる。動かずにいると、肌に細かい泡がつきはじめる。炭酸を含んだ湯が体に付着していく。しばらくして立ち上がると、ぬるい湯だったはずなのに体の芯が温まっている。
熱い湯で一気に温まるのとは別の温まり方で、これを目当てに来る人がいる。
三日入れば三年
「三日入れば三年風邪をひかない」という言い伝えがこの地に残る。医学的な保証ではないが、湯治場として長く使われてきた歴史がその背景にある。
着くまで
松本から上高地方面へ向かう途中に位置する。松本駅からバスで一時間以上かかる山中で、日帰りだと移動が行程の大半を占める。
冬季は道路状況が厳しくなる。車で向かう場合はタイヤと通行規制の確認が要る。
周囲に人家はほとんどない。宿と野天風呂が谷に点在するだけで、夜になれば人工の光がなくなる。この静けさは、行きにくさと引き換えに得られるものである。
混浴に抵抗があるなら
白骨温泉の露天風呂は混浴の形をとっているものが多い。
ただし白濁した湯は底が見えない。入ると腰から下が見えなくなるので、心理的な負担は思うより小さい。逆に、足を探りながら入ることになるので段差には注意が要る。
女性専用の時間帯が設けられている湯もある。屋内の浴槽もあるので、露天に入らなくても白骨の湯は体験できる。運用は変わるので現地の案内に従いたい。
上高地・乗鞍とつなぐ
白骨は、そこだけを目的にすると往復の移動が長くなる。
上高地は同じ方向にある。梓川と穂高連峰を望む一帯で、マイカー規制があるためバスかタクシーで入る。乗鞍高原も近い。
白骨に泊まって翌朝に上高地へ入る、という行程が最も無駄がない。ただし上高地へ向かう道は冬季閉鎖される。季節によって組み方が変わる。
松本まで戻れば松本城がある。信州を回る行程の中に置きやすい位置である。
この宿を選ぶなら
山の中の静けさと、白濁湯そのものを目的にする方に向く。周囲に店はほとんどない。夜になれば人工の光がなくなる。
白骨は上高地へ向かうバス路線の途上にある。上高地を歩いた後にこの湯に浸かる行程が、最も理にかなっている。冬季は雪深く、営業形態が変わることがあるため、訪れる前に確認したい。
似た条件の宿
この宿と共通する条件を持つ、別の温泉地の宿です。並びは共通する条件の数で、順位ではありません。

法師温泉 長寿館
群馬県1875年(明治8年)創業三国峠の麓、法師温泉にただ一軒建つ宿。明治8年に岡村貢が湯小屋を整えて創業し、明治28年築の大浴場「法師乃湯」は浴槽の底の玉石の間から湯が湧く。本館・法師乃湯・別館の三棟が2006年に国の登録有形文化財となった。与謝野晶子、川端康成、若山牧水が滞在。フルムーンのポスターの湯。

鉛温泉 藤三旅館
岩手県1786年立ったまま入る深さ1.25メートルの「白猿の湯」を持つ宿。総けやき造りの本館に四つの浴場があり、宿は源泉5本を加熱も加水も循環もせずに使うと書く。旅館部と自炊の湯治部が同じ建物にあり、湯治の形が今も生きている。32室。

奥飛騨百姓座敷の宿 藤屋
岐阜県岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根、新平湯温泉のほぼ中央に建つ宿。築二百年の百姓座敷は移築ではなく、実際に百姓座敷として使っていた建物をそのまま使っていると公式サイトは書く。日本源泉湯宿を守る会に提出した調査表では加水も加温も循環もなしと開示している。源泉は一重ケ根温泉1号泉、湧出地の泉温130度を低温泉と混ぜて調整している。貸切露天が二つ、24時間無料。
白骨温泉をほかと比べる
※ 料金・空室・設備・営業状況は変わります。当サイトが掲載しているのは創業年や建築など変わりにくい情報のみです。 最新の情報は予約サイト、または公式サイトでご確認ください。
