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チェコの湯に似ている、という分析から
カルルス温泉は北海道登別市カルルス町。登別温泉から北西へ車で10分ほど、来馬岳とオロフレ山の麓を流れる登別川沿いに、宿が数軒あるだけの小さな温泉地である。
地名としては異様だ。北海道の山あいに、カタカナ四文字の外国語が地名として定着している。アイヌ語由来でもない。
明治期にこの湯の成分を分析したところ、チェコのカルルスバード——現在のカルロヴィ・ヴァリ——の泉質によく似ていることがわかった。ヨーロッパで名高いその温泉地に匹敵する湯に育てたい、という願いからカルルスの名を取った、というのが土地に伝わる由来である。北海道観光振興機構の公式観光サイトも「チェコの名湯カルルスバードに泉質が似ていることから名付けられた」と書いている。
温泉地の名前が、外国の温泉地への憧れからできている。そういう例は全国でもほとんどない。
北海道で最初の国民保養温泉地
カルルス温泉は1957年、北海道で初めて国民保養温泉地に指定された、と北海道公式観光サイトは書いている。
国民保養温泉地は、環境省が温泉の質と周りの環境の両方を見て指定する制度だ。湯がいいだけでは足りず、静かに滞在できる環境があることが要る。環境省が公開している国民保養温泉地計画の一覧にも、カルルス温泉国民保養温泉地計画の名前が載っている。
登別という巨大な観光温泉地の隣にありながら、指定を受けたのはカルルスのほうだった。観光地としての規模ではなく、湯治の場としての性格が見られた結果である。
無色透明で、無味無臭
泉質は単純温泉。北海道公式観光サイトは無色透明で無味無臭と書いている。浴用の適応症として挙げられているのは自律神経不安定症、不眠症、うつ状態。
単純温泉というのは成分が薄いという意味ではなく、特定の成分が規定量に届いていないという分類上の呼び名だ。刺激が弱いので長く入っていられる。逆に言えば、一度入って「効いた」と感じる種類の湯ではない。
何日か通って、体のほうが変わってくるのを待つ。湯治場として使われてきたのは、そういう湯だからである。
登別の湯と、何が違うか
車で10分の距離に登別温泉がある。地獄谷を抱え、硫黄泉をはじめ何種類もの湯が湧き、大型ホテルが並ぶ。北海道でもっとも有名な温泉地のひとつだ。
カルルスにはそれがない。湯は単純温泉が一種類、宿は数軒、土産物屋の通りもない。三方を山に囲まれて、登別川の音だけがする。
どちらが上という話ではない。登別は刺激の強い湯を短時間で何種類も試す場所で、カルルスは刺激の弱い湯に長く浸かる場所だ。用途が違う。
一泊ずつ両方に泊まる旅程を組めば、北海道の温泉の幅がそのまま体験できる。
冬のカルルス
山あいなので、冬は雪が深い。近くにカルルス温泉サンライバスキー場があり、北海道公式観光サイトは冬に樹氷とウインタースポーツが楽しめると書いている。
春から秋は登山とハイキングの拠点になる。来馬岳、オロフレ山、そしてオロフレ峠。峠からの眺めは、洞爺湖と太平洋を同時に見渡す。
ただ、冬の峠道は閉まることがある。車で入るなら冬タイヤと、遅れても困らない時間配分を。
泊まるか、通るか
新千歳空港から車で約70分、JR登別駅から約20分。空港から洞爺湖へ抜ける途中に寄れる位置にある。
日帰りで湯だけ浴びて通り過ぎることもできるが、この温泉地の性格は滞在に向いている。何もしない一日をここで過ごすために、宿は建っている。
登別の地獄谷を歩き、大湯沼川の天然足湯に足を入れ、クマ牧場を回って、夜はカルルスの静かな湯に戻る。にぎやかな場所を昼に使い、夜は山に引っ込む。この二つの温泉地が10分しか離れていないことの意味は、その組み方に出る。
カルルス温泉の日帰り入浴
- 登別地獄谷
- 大湯沼川天然足湯
- のぼりべつクマ牧場
- カルルス温泉サンライバスキー場
スキー場は冬季のみの営業。足湯や地獄谷の遊歩道は天候で閉まることがある。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
夏・秋・冬
- 所在地Location
- 北海道
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR登別駅から車で約20分
- 東京からFrom Tokyo
- 羽田空港から新千歳空港へ飛び、空港から車で約70分。登別温泉からは車で約10分。
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
カルルス温泉のよくある質問
Qカルルスという名前はどこから来たのですか
チェコの温泉地カルルスバード(現在のカルロヴィ・ヴァリ)に由来します。明治期にこの湯の成分を分析したところ、カルルスバードの泉質によく似ていることがわかり、その名にあやかって名づけられたと伝わります。北海道観光振興機構の公式観光サイトも「チェコの名湯カルルスバードに泉質が似ていることから名付けられた」と書いています。
Q泉質は何ですか
単純温泉です。北海道公式観光サイトは無色透明で無味無臭と書き、浴用の適応症として自律神経不安定症、不眠症、うつ状態を挙げています。派手な匂いや色はありませんが、刺激が少ないぶん長く入っていられる湯で、古くから湯治場として使われてきました。効き方は人によるので、気になることは医師に確かめてください。
Q国民保養温泉地とは何ですか
環境省が、温泉の質と周りの環境の両方を見て指定する制度です。カルルス温泉は1957年に北海道で初めて指定されたと北海道公式観光サイトは書いています。環境省が公開している国民保養温泉地計画の一覧にも、カルルス温泉国民保養温泉地計画が載っています。療養や保養に向いた温泉地として国が選んだ、という意味になります。
Q登別温泉とはどう違いますか
距離は車で10分ほどですが、性格はまったく違います。登別温泉は地獄谷を持つ大規模な温泉街で、硫黄泉をはじめ何種類もの湯が湧きます。カルルスは単純温泉が一種類、宿は数軒、温泉街と呼べる通りもありません。にぎやかな登別と、静かなカルルス。組み合わせると一日で両方の性格を味わえます。
Q冬でも行けますか
行けます。近くにカルルス温泉サンライバスキー場があり、冬はスキーや樹氷が目当ての客が来ます。ただし山あいの道なので、冬に車で入るなら冬タイヤと時間の余裕が要ります。JR登別駅から車で約20分、新千歳空港から約70分です。
ほかの温泉地と比べる
カルルス温泉の宿

カルルス温泉 森の湯 山静館
カルルス温泉の18室の宿。露天風呂「森の湯」は「空が見えなくては露天ではない」という考えで屋根をかけていない。男女とも源泉掛け流し100%と加水掛け流しの二つの浴槽があり、宿は加水から慣らすことを勧める。飲泉もできる。

登別カルルス温泉 湯元オロフレ荘
明治34年8月の開湯と宿は案内している北海道登別市カルルス町7番地、カルルス温泉の湯元の宿。全12室。日本旅館協会の施設情報は源泉掛け流し、泉質を単純泉と登録する。宿は自家源泉を持ち、300平方メートルの大浴場ではシャワーから出る湯も源泉100パーセントだと案内する。登別川のせせらぎに面した露天風呂があり、日帰り入浴も受ける。JR登別駅から車で20分、登別温泉からは10分。
UPDATED 2026.09.24


