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山奥、という意味の地名
芽登温泉は北海道足寄郡足寄町芽登2979。ヌカナン川の川辺にある一軒宿である。
宿は地名の由来を書いている。「芽登とはアイヌ語で山奥の意味」。
実際、山奥だ。宿は帯広駅から車で80分としている。公共交通で行く場合は、帯広駅からバスで上士幌交通ターミナルへ出て、そこからタクシーで40分。日本秘湯を守る会の登録情報には「足寄から32㌔」とある。
糠南ダムの下流、原生林に囲まれた場所に、宿が一軒だけ建っている。
十勝でいちばん古い
開湯の年について、記録に少し幅がある。
宿の公式サイトは「明治34年開湯以来100年以上にわたり湯治の湯として利用されてまいりました」と書く。日本秘湯を守る会の登録情報には「明治37年の開業以来」とある。開湯と開業では年が違うのかもしれない。
いずれにせよ明治期からの湯で、十勝地方でもっとも古い温泉とされている。北海道の温泉地としては相当に早い部類に入る。
熱交換器で冷ます
この温泉のいちばん技術的な特徴が、湯の温度の下げ方である。
宿の説明を引く。「自然湧出 源泉100% 掛け流し 源泉温度は62℃。熱交換器により源泉を40℃まで温度調整して浴槽に引湯しております」。
源泉が熱すぎるとき、多くの宿は水を足す。加水すれば成分が薄まる。芽登は熱交換器を使う。湯そのものには何も混ぜず、熱だけを抜く。
だから「加水なし・加温なし」が両立する。日本秘湯を守る会の登録情報にも「加水・加温なし」「自然湧出・加温無し・源泉かけ流し」とある。
泉質はアルカリ性単純温泉でpH9.5。宿は単純硫黄温泉とも書いている。pH9.5は相当にアルカリ性が強く、肌の角質がやわらかくなる数値だ。
巨岩の湯
浴場は宿の敷地のなかに複数ある。巨岩の湯、大露天風呂、小露天風呂、内湯。日本秘湯を守る会の登録では内湯4、露天3。
巨岩の湯は2015年に新設された大露天風呂で、ヌカナン川を望む。宿は「時間により男性専用・女性専用・混浴・貸切と利用いただけます」とし、混浴での利用には宿指定の湯浴み着を着用すると案内している。
内湯には高温と低温の浴槽があり、高温側はおよそ44度に設定されている。
シマフクロウのいる森
この温泉地の価値の半分は、周りの森にある。
宿は「野生動物が遊ぶ広葉樹林に囲まれ、運が良ければシマフクロウに会えるかも」と書く。シマフクロウは国の天然記念物で、北海道でも生息地は限られている。
「湯船からエゾシカの群れが見えることも」ともある。露天風呂から鹿が見える温泉は、北海道でもそう多くない。
夜になると、森の音しかしない。街の明かりが届かないので、星も見える。
足寄という町
足寄町は日本でもっとも面積の広い町のひとつだ。人口より面積の話が先に来るような土地である。
近くにはオンネトーがある。阿寒摩周国立公園のなかにある湖で、光の具合で水の色が変わる。螺湾ブキという巨大なフキの群生地もある。
足寄動物化石博物館には、この町で発見された古代の海獣アショロアの化石がある。
どれも車で回る距離だ。公共交通はほとんど当てにできない。
どう使うか
芽登温泉は、通りすがりに寄れる場所ではない。往復の時間を含めて半日から一日を使う。
だから、ここへ来るなら泊まるのがいい。日帰り入浴も受けているが、夜の森の音とシマフクロウの声は、泊まらないと得られない。
日本秘湯を守る会は日帰り入浴を11時から18時としている。1名利用も可。全7室の小さな宿である。
帯広から80分かけて山へ入り、pH9.5の湯に浸かって、鹿と星を見て帰る。十勝の旅にこの一泊を組み込めるかどうかで、旅の密度が変わる。
芽登温泉の日帰り入浴
- オンネトー
- 螺湾ブキの群生地
- 足寄動物化石博物館
宿までの道は山奥へ入る。冬は装備と時間の余裕が要る。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
60℃高温泉
2060100℃
9.5アルカリ性
0 酸性7アルカリ性 14
夏・秋・冬
- 所在地Location
- 北海道
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉・硫黄泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR帯広駅から車で約80分
- 東京からFrom Tokyo
- 羽田からとかち帯広空港へ飛び、そこから車。足寄の市街からは32キロほど山へ入る。
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
芽登温泉のよくある質問
Q泉質は何ですか
日本秘湯を守る会に登録された情報ではアルカリ性単純温泉、pH9.5、源泉温度60度、温泉使用量は毎分400リットル、加水・加温なしです。宿の公式サイトは「大雪山系から流れるヌカナン川の川辺に湧き出る毎分120ℓ、源泉温度60℃の単純硫黄温泉」とも書いており、記載に幅があります。いずれにせよ硫黄を含むアルカリ性の湯です。
Q加温していないのに熱くないのですか
源泉が熱いので、逆に冷ましています。宿は「源泉温度は62℃。熱交換器により源泉を40℃まで温度調整して浴槽に引湯しております」と書いています。水を足して薄めるのではなく、熱交換器で熱だけを抜く方式です。だから加水なしと加温なしが同時に成り立ちます。
Qいつからある温泉ですか
宿は「芽登温泉ホテルは、明治34年開湯以来100年以上にわたり湯治の湯として利用されてまいりました」と書いています。日本秘湯を守る会の登録情報には「明治37年の開業以来」とあり、開湯と開業で年が分かれます。いずれにせよ明治期からの湯で、十勝地方でもっとも古い温泉とされています。
Qシマフクロウが見られるのですか
宿は「野生動物が遊ぶ広葉樹林に囲まれ、運が良ければシマフクロウに会えるかも」と書いています。シマフクロウは国の天然記念物で、北海道の限られた場所にしかいません。必ず会えるわけではありませんが、夜に声が聞こえることはあるようです。湯船からエゾシカの群れが見えることもあると宿は書いています。
Q混浴の露天風呂があると聞きました
「巨岩の湯」という大露天風呂です。宿は「時間により男性専用・女性専用・混浴・貸切と利用いただけます」とし、混浴での利用には宿指定の湯浴み着(レンタル)を着用すると案内しています。時間によって使い方が変わるので、到着したらフロントで確かめてください。
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UPDATED 2026.09.24



