湯気が三本立つ温泉マーク。誰もが知っている記号ですが、どこから来たのかはあまり知られていません。
江戸の絵図
起源として知られているのは、江戸時代の絵図です。
1661年に描かれた群馬県の磯部温泉周辺の絵図に、温泉マークに似た記号があるとされます。磯部温泉はこれをもとに「温泉マーク発祥の地」を掲げています。
ただし、起源については他の説もあります。ドイツの温泉地の記号を明治期に取り入れたという説もあり、確定していません。江戸の絵図の記号が今のマークに直接つながったのかどうかも、はっきりとは分かっていません。
地図記号として
温泉マークは国土地理院が地図記号として定めています。
温泉の湧出地や温泉施設を示す記号で、地図で♨を見つければ、そこに温泉があるということです。温泉地を探すとき、地図記号は最も古い探し方の一つです。
変えるという話
2016年、この記号を変えるという話がありました。
訪日客に分かりやすい案内用図記号を検討するなかで、温泉マークを人が湯に入る絵柄に変える案が出ました。湯気の三本線は、温かい料理と見分けがつきにくいという理由でした。
反対の声もあり、最終的には従来のマークと新しい図記号を併用する形になっています。長く使われてきた記号は、それ自体が一つの文化になっていた、ということです。
温泉地で見かけるもの
温泉街を歩くと、看板や暖簾にこのマークが使われています。
湯気三本の絵柄は、日本の温泉地の景観の一部になっています。共同浴場の入口、宿の看板、土産物。意識して見ると、あちこちにあります。

