浴場に掲示されている分析書には、適応症と並んで禁忌症が書かれています。
適応症が「この湯が向く状態」なら、禁忌症は「この湯を避けるべき状態」です。対で見る欄になっています。
何が書かれているか
禁忌症は環境省の掲示基準に基づいて書かれています。
一般的な禁忌症として挙げられているのは、病気の活動期で特に熱があるとき、活動性の結核、進行した悪性腫瘍や高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような心臓や肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期などです。
これらは温泉の種類を問わず当てはまります。
泉質ごとの禁忌症
泉質によって、さらに加わるものがあります。
酸性泉や硫黄泉では、皮膚や粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症などが挙げられます。草津温泉や玉川温泉、酸ヶ湯温泉のような強い酸性泉では、肌への刺激がはっきりあるため、この欄を先に見ておく意味があります。
飲泉には入浴とは別に禁忌症が定められています。飲める湯でも、誰でも飲んでよいわけではありません。
どう受け取るか
禁忌症は「絶対に入ってはいけない」という宣告ではなく、注意を促す基準です。
ただし、該当するかもしれないと思ったときに自分で判断しないほうがよい。このサイトは医療の判断をする場所ではありません。持病がある方、体調に不安のある方は、入浴の前に主治医に確認してください。
湯あたりとの違い
禁忌症は入る前の状態についての基準です。
湯あたりは、入ったあとに出てくるだるさや頭痛です。健康な人でも強い湯に何度も入れば起こります。別の話なので、分けて考えたい。
掲示を読む習慣
浴場の入口で分析書を見る人は多くありません。
泉質と温度だけでなく、適応症と禁忌症の欄まで目を通す。それだけで、その湯にどう入るべきかの見当がつきます。数分で済むことです。
参考
環境省「温泉の保護と利用」(鉱泉分析法指針・掲示基準の掲載元)


