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戦後にできた温泉地
大町温泉郷は長野県大町市、北アルプスの麓にある。
古い温泉地ではない。大町市観光協会が経緯をはっきり書いている。
「大町温泉郷は、昭和30年代に温泉街としての歩みを始めました。昭和38年に葛温泉からの引湯が整備され、翌年には最初のホテルが開業。昭和46年には立山黒部アルペンルートの全面開通とともに、多くの宿泊施設が建ち並び、黒部ダム観光の玄関口として賑わいを見せるようになりました」。
1963年に引湯、1964年に最初のホテル、1971年にアルペンルート全通。十年たらずで温泉地が形になった。
日本の温泉地の多くは、湯が先にあって町ができる。ここは逆で、観光の需要が先にあって、そこへ湯を引いてきた。
葛温泉から引いてくる
湯は葛温泉から来ている。
葛温泉は高瀬川の上流、山のなかにある温泉だ。そこから管で大町温泉郷まで引いている。
大町温泉郷そのものに源泉が湧いているわけではない。だから「温泉郷」と呼ぶ。
引湯の温泉地は全国にある。福島の岳温泉は安達太良山の中腹から8キロ、長野の乗鞍高原温泉は乗鞍岳の山腹から引いている。大町も同じ形だ。
引く距離があるぶん、到着したときの湯は源泉とは性質が変わる。泊まる宿の表示を見るのが確実である。
黒部ダムの玄関口
この温泉地の存在理由は、立山黒部アルペンルートにある。
長野県側の入口は扇沢。大町温泉郷から車で30分ほどだ。扇沢から電気バスで関電トンネルを抜けると黒部ダムに着く。
黒部ダムは高さ186メートル、日本一高いアーチ式ダムである。放水は例年6月下旬から10月中旬。
アルペンルートはそのまま富山側へ抜けられる。室堂、美女平を経て立山駅へ。ただし通り抜けると車が戻せないので、日帰りなら黒部ダムで折り返すことになる。
冬季は閉鎖される。開通期間は年によって変わるので、計画の前に確かめたい。
林のなかに宿が散らばる
大町温泉郷には、浴衣で歩く通りがない。
林のなかに旅館とホテルが点在している。歩いて外湯をめぐる作りにはなっていない。
共同浴場としては「大町温泉郷 薬師の湯」がある。日帰りで入れる施設で、温泉博物館が併設されている。
宿の多くは大きい。黒部ダム観光の団体を受けてきた歴史があるからだ。
三つの湖と、山の博物館
大町市には仁科三湖がある。青木湖、中綱湖、木崎湖。糸魚川静岡構造線に沿って並ぶ細長い湖で、北から順に並んでいる。
青木湖は長野県で三番目に大きい天然湖。中綱湖は春にオオヤマザクラが湖面に映ることで知られる。木崎湖はワカサギ釣りができる。
大町山岳博物館もある。北アルプスの自然と登山の歴史を展示する博物館で、ライチョウの飼育で知られてきた。
温泉地から車で10分から20分ほどの範囲にある。
山へ入る拠点として
大町は北アルプスの登山口でもある。
扇沢から針ノ木岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳へのルートが伸びている。七倉から高瀬ダムを経て烏帽子岳へ入る道もある。
夏は登山者、秋は紅葉、冬はスキー。近くに鹿島槍スキー場と爺ガ岳スキー場がある。
季節ごとに客の性格が変わる温泉地だ。
着くまで
JR大糸線の信濃大町駅からバスで15分ほど。
車なら長野自動車道の安曇野ICから約40分、長野ICから約75分。
東京からは北陸新幹線で長野へ出て、そこから車かバス。あるいは松本経由で大糸線に乗る。
アルペンルートの季節は混む。扇沢の駐車場も埋まるので、早い時間に動きたい。
大町温泉郷の日帰り入浴
- 黒部ダムと立山黒部アルペンルート
- 仁科三湖(青木湖・中綱湖・木崎湖)
- 大町山岳博物館
扇沢まで車で30分ほど。アルペンルートの長野県側の入口にあたる。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・冬
- 所在地Location
- 長野県
- 泉質Spring Quality
- 単純温泉・硫黄泉
- 最寄駅Nearest Station
- JR大糸線 信濃大町駅(バス約15分)/長野道 安曇野IC(車約40分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約3時間30分
- 大阪からFrom Osaka
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
大町温泉郷のよくある質問
Q大町温泉郷はいつできたのですか
大町市観光協会はこう書いています。「大町温泉郷は、昭和30年代に温泉街としての歩みを始めました。昭和38年に葛温泉からの引湯が整備され、翌年には最初のホテルが開業。昭和46年には立山黒部アルペンルートの全面開通とともに、多くの宿泊施設が建ち並び、黒部ダム観光の玄関口として賑わいを見せるようになりました」。戦後にできた温泉地です。
Q湯はどこから来ているのですか
葛温泉からの引湯です。葛温泉は高瀬川の上流にある温泉で、そこから管で引いてきています。大町温泉郷そのものに源泉が湧いているのではありません。
Q黒部ダムへは行けますか
行けます。立山黒部アルペンルートの長野県側の入口が扇沢で、大町温泉郷から車で30分ほどです。扇沢から電気バスで黒部ダムへ入ります。アルペンルートは冬季閉鎖され、開通期間が年によって変わるので、確かめてから計画してください。
Q温泉街はありますか
宿が集まっていますが、歩いて外湯をめぐる形ではありません。林のなかに旅館とホテルが点在しています。共同浴場として「大町温泉郷 薬師の湯」があり、日帰りで入れます。
Q泉質を教えてください
宿によって表示が違います。弱アルカリ性の単純温泉としている宿があります。葛温泉は単純硫黄泉とされ、引湯の距離があるため到着時の性質は源泉とは変わります。泊まる宿の表示を見てください。
Q冬でも行けますか
行けます。近くに鹿島槍スキー場や爺ガ岳スキー場があり、冬も宿は開いています。ただし立山黒部アルペンルートは冬季閉鎖されます。黒部ダムが目的なら開通期間を確かめてください。
ほかの温泉地と比べる
大町温泉郷の宿

大町温泉郷 緑翠亭 景水
長野県大町市平、大町温泉郷にある70室の宿。安曇野の自然を模した庭園大浴場を持ち、貸切の半露天風呂と足湯も備える。露天風呂付きの客室があり、雪解けの川を臨む部屋が人気だと宿は書く。泉質は弱アルカリ単純泉。料理も客室も自家源泉の天然水を使うと登録している。信濃大町駅と大町温泉郷バス停から送迎あり。

大町温泉郷 信濃の里 ときしらずの宿 織花
大町温泉郷の18室の宿。大浴場「梢の湯」は男女ともひのき造りの湯船で、壁一面の大きなガラス窓から四季の景色が見える。信濃大町駅からバスで15分の温泉郷にある。
UPDATED 2026.09.29


