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渋温泉には九つの外湯がある。ただし、そのうち八つは宿泊者しか入れない。
宿で鍵を借り、石畳の路地を歩いて回る。この仕組みが渋温泉の性格を決めている。
鍵を借りて回る
外湯めぐりを掲げる温泉地は各地にあるが、運用は町ごとに違う。
野沢温泉の十三の外湯は誰でも無料で入れる。城崎の七つは宿泊者が「ゆめぱ」で無料、日帰りでも一日入浴券がある。
渋は最も閉じている。八つは宿泊者専用で、鍵がなければ扉が開かない。日帰りで入れるのは大湯だけである。
閉じているぶん、混まない。夜中でも自分の都合で入れる。宿泊が前提だという点を知らずに来ると外湯に入れないので、そこだけは押さえておきたい。
九つで湯が違う
外湯ごとに源泉が異なる。
塩化物泉、硫黄泉、硫酸塩泉。無色透明の湯もあれば、鉄分を含んで色づく湯もある。順に回っていくと、湯の色と匂いが一つずつ変わる。
同じ温泉街のなかでこれだけ泉質が分かれている例は多くない。九つ全部を回るのが習わしとされるが、一晩で回りきると湯あたりする。二泊するか、数を絞るほうがよい。
九つ目の大湯が締めになる。
石畳の路地
温泉街は細い路地で構成されている。
車が入れない幅の道に、木造の宿が両側から迫る。浴衣と下駄で歩くと、下駄の音が壁に反響する。
坂と階段がある。路地が入り組んでいるので、外湯の位置は宿でもらう地図で確かめることになる。
夜は灯りが落ちて静かになる。この時間帯の路地が、渋温泉の顔である。
地獄谷野猿公苑
渋温泉から歩いて30分ほど、車なら10分ほどのところに地獄谷野猿公苑がある。
猿が温泉に入る姿で世界的に知られる場所である。駐車場から遊歩道を歩いて向かう。距離があり、冬は雪道になる。履物を選びたい。
猿が湯に入るのは主に寒い時期である。暖かい季節は湯に浸からないことが多い。見に行くなら冬になる。
野生の猿なので、餌を与えない、目を合わせない、荷物を出したままにしないといった注意が要る。
湯田中と志賀高原
渋の隣に湯田中温泉がある。長野電鉄の終点があり、この一帯の交通の起点になる。まとめて湯田中渋温泉郷と呼ばれる。
さらに山を上がれば志賀高原。国内有数のスキー場が広がり、夏は高原の散策地になる。
北へ向かえば野沢温泉がある。渋の鍵を借りる外湯と、野沢の無料の外湯。同じ長野県北部で、外湯の運用がこれだけ違う。二つを続けて訪ねると、その差がよく分かる。
歩き方
長野電鉄の湯田中駅からバスで5分ほど。長野駅から湯田中まで特急でおよそ45分、東京からは北陸新幹線と乗り継いで2時間30分ほど。
温泉街は徒歩で完結する。むしろ車は路地に入れない。
冬は雪が積もる。石畳と坂は滑るので、歩きやすい履物が要る。紅葉は例年10月下旬から11月上旬。
渋温泉の日帰り入浴
- 大湯
九つの外湯のうち八つは宿泊者専用です。
受付時間・定休日・料金は施設ごとに異なり、変更されることもあります。 お出かけの前に各施設の案内をご確認ください。
温泉地カルテ
秋・冬
- 所在地Location
- 長野県
- 泉質Spring Quality
- 塩化物泉・硫黄泉・硫酸塩泉
- 最寄駅Nearest Station
- 長野電鉄 湯田中駅(バス約5分)
- 東京からFrom Tokyo
- 約2時間30分
- 大阪からFrom Osaka
- 約5時間
※ 泉質・泉温・pH は代表的な源泉の値です。施設ごとに異なる場合があります。 効能は泉質の一般的な適応症であり、効果を保証するものではありません。
渋温泉のよくある質問
Q渋温泉の外湯は誰でも入れますか?
九つの外湯のうち八つは宿泊者専用で、宿から鍵を借りて回ります。日帰りの方が入れるのは大湯のみで、こちらも時間や条件が定められています。外湯めぐりを目的にするなら宿泊が前提になります。
Q地獄谷野猿公苑は近いですか?
渋温泉から歩いて30分ほど、車なら10分ほどです。猿が温泉に入る姿で世界的に知られる場所で、駐車場から遊歩道を歩いて向かいます。冬は雪道になり、履物を選びます。猿が湯に入るのは主に寒い時期です。
Q渋温泉と湯田中温泉の違いは何ですか?
隣り合う温泉地で、まとめて湯田中渋温泉郷と呼ばれます。湯田中は長野電鉄の終点があり交通の起点になります。渋はそこから少し山側にあり、石畳の路地と九つの外湯で知られます。徒歩でも行き来できる距離です。
Q渋温泉はどんな泉質ですか?
外湯ごとに源泉が異なり、塩化物泉、硫黄泉、硫酸塩泉と性質が分かれます。無色透明の湯もあれば、鉄分を含んで色づく湯もあります。九つ回ると、同じ温泉街でこれだけ違うのかと分かります。
ほかの温泉地と比べる
渋温泉の宿

渋温泉 金具屋
昭和11年に建てられた木造四階建ての斉月楼を持つ宿。国の登録有形文化財で、渋温泉の路地に面して立つ。

信州渋温泉 渋白銀屋旅館
渋温泉の10室の宿。宿は源泉かけ流しの内湯を持ち、湯上がりがさらっとしていると書く。大浴場は平日のみ入込状況によって貸切も可能。渋温泉郷の七番湯「七操の湯」のすぐ前。湯田中駅から車で5分。
UPDATED 2026.08.20

